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三味線デビューの日に駒を割った話

なんかもう、てんやわんやでしたので、残しておいたら面白いかと。

日本舞踊の先生から三味線を教えていただくようになってしばらく経ちました。先生から、音を出しているだけでは勿体ないから人前で弾いてみよう、とお話をいただき、短い端唄『初めより』を、唄は先生、糸は私、おどりは先輩おねえさんと後輩ちゃんの日替わりでステージに出すことに決まりました。

1ヶ月くらい、踊りの稽古に三味線を合わせました。踊りの稽古に合わせるのは、ちょっと切って戻ったり唄の途中から入ったりして、譜面を見る暇もなくて大分勉強になりました。

さて、本番当日、早めに楽屋に入り、念入りに調子を合わせて指を動かして、と準備にかかったら、ちょっと場所がまずかった、ここでは他の出演者さんのお邪魔になるから移動しようっと、と三味線を箱に入れて蓋を被せたらパキッと小さな音が聞こえました。
駒の端が欠けてしまったのです。

ガーン

頭が真っ白になりました。

予備の駒なんて持ってない、他にあるのは忍び駒だけ。どうしよう。どうしよう。

しばらくして先生がいらしたので半泣きで謝りました。
先生も三味線を持ってきていたので駒を御借りすることができ、無事にステージに上がることができました。
演奏の方は、残念ながら、とてもよくできたとは言い難いものでした。踊りでも同じことですが、教室で弾くのとステージに上がって弾くのは大違いですね。

そんな訳で、苦い苦いデビューとなってしまいました。さっそく三味線屋さんに駒を予備を含めて2個注文しましたよ。


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