粒栗

地方都市で循環器内科を開業して、一応、黒字を保っている小さなクリニックの院長です。開業…

粒栗

地方都市で循環器内科を開業して、一応、黒字を保っている小さなクリニックの院長です。開業しよう!と思った時、周りに新規開業を相談できる先輩もいなかったので、自分で試行錯誤しました。色々な反省を込めて、今後開業する人の参考になればと思い、色々と書いています。

最近の記事

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note再開について

noteを再開することにしました。 以前書いた記事も再度アップさせていただきます。 先日、すでに開業している若い優秀なDrと会って話をしてみて、少しでも開業するつもりがあるなら、彼らみたいに成功して欲しいですし、失敗して欲しくありません。 そのため、ちょっとでもこれから開業しようという人たちの成功する確率を高めていけるのであれば、ちょっとでも参考になるのであれば、僕の記事の内容を頭の片隅に置いておいてもらえれば、何かしら役に立つこともあるのでは?と考えました。 そのた

    • スタッフへのまとまった有給消化強制の必要性

      ちょっと話は違うところから入ります😁 僕が医師になった頃は、スーパーローテートもなく、最初から、ガンガン指導されていました。 なので、一番辛いのが研修医という感じでした。 実際、いつも業務が終わってから指導医にサマリー明日までに書けと言われ、朝方まで退院サマリーを仕上げている同期もいました。 まあ、普通に考えたら今ならアウトですね😂 労働時間という概念がなかったですからね。 そしてその後、スーパーローテートが導入され、そういう環境はガラリと変わりました。 少なく

      • 田舎で開業しようと思ったら

        田舎で開業をしようと思ったら、僕ならこうするなというのを書いてみます。 仮に5-10万人くらいの市町村で内科を開業しよう!と思ったら、僕ならどうするか? 田舎の8万人程度の市だと仮定した場合、だいたい、昔の3-4個の市町村合併が行われているケースが多いようです。 となると大体3-4箇所の人口密集地が入っている場合が多いです。 そして、だいたい2万人前後の密集地が2箇所、1万人程度の密集地が2箇所程度でしょうか。 そして後はバラバラに分散しているケースです。 いろん

        • 開業後の休診日の決め方

          開業する前にいつ休みにするか思案することがあります。 実際僕も、土曜日午後やったら、周囲のクリニックがやっていないから売上が上がるんじゃないか? 平日1日休みにして、土曜日午後やったらより患者が多くくるのではないか? そんなことを考えて開業当初は変則的な形で診療をしていました。 これはどこで開業するかによって、患者層が違うので正解のないことだということがよくわかりました。 当院地区は中心部からちょっと離れた住宅街で、高齢者率の高い地区になります。 そこで平日休み、

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        note再開について

          noteの継続について

          以前、身バレのため、noteをやめると記載しましたが、思ったよりX(twitter)で知り合いに身バレしていたことが判明し、その後Xを再開していました。 noteについてはどうしようかと思案しているところです。 やめると宣言しておき、かつ一部の方からはサポートまでいただき、これでまた再開するのはどうかという気持ちもあります。 もうしばらく考えた上で判断をする予定です。

          noteの継続について

          クリニックの待ち時間の印象

          開業すると、丁寧に診察しよう、ちゃんと丁寧に話も聞こう、そのほか、勤務時代にはできなかったことをしようという気持ちになります。 一方で、待ち時間というものには気を配る必要はあると思います。 知り合いのクリニック、待合室が空いていても、30分以上待つことがざらにあると。 待合室に2人いて、3番目で30分待ちは普通だと。 多分、1人10分かけて診察をしているんだと思います。 実際には、早い人もいれば遅い人もいるんだとは思います。 なので、1時間で10人くらいを目安にし

          クリニックの待ち時間の印象

          クリニックで事務の新人が入った際に粒栗がすること

          クリニックに時々新人やそれに類するスタッフを雇用することがあります。 経験の浅い人を雇用すると言い換えてもいいかもしれません。 どうしてもクリニックでは人の入れ替わりは起きますし、産休・育休で人が一時的に抜けることもあります。 それは仕方がないことで、クリニックの中では常に起こり得る事です。 そうした際に、即戦力となるベテランをタイミングよく雇用できる可能性は大きくはありません。 もちろんお金に物を言わせて他院等から引き抜くことができれば別かもしれません。 しかし

          クリニックで事務の新人が入った際に粒栗がすること

          閑話休題:大学病院は勝ち組?負け組?

          某雑誌が「大学病院勤務医は格で最上位、年収で底辺医」という題名の記事を出していました。 これは本当なのか?という感じがしています。 僕は大学生活短かったのであまり気にしたこともありませんが、先輩・同期は20年以上大学にいました。 で、彼の格が最上位だったのか?というとそんなこともないような気がするし、じゃあ、年収が底辺医だったのか?というとそんなこともないと思っています。 まず、格が最上位なのか?という点に関して言えば、確かに循環器なら、不整脈チーム、画像診断チーム、

          閑話休題:大学病院は勝ち組?負け組?

          これからの内科開業医の方向性

          こればかりは断言はできませんが、ある方向性が必要だと思っています。 それは「かかりつけ医」としての機能です。 ゲートキーパーとしての役割と言えるかもしれません。 とりあえず患者さんは受ける、その上で適切な場所に割り振るという機能が必要だろうと思います。 そして、今後、イギリス式のGPが導入される可能性も否定はできません。 日本ですぐにこれが導入されるとは思いませんが、これに近い形が導入される可能性はあると思います。 その場合、ミニマム開業で大丈夫だろうか?という疑

          これからの内科開業医の方向性

          院長とスタッフの方向性をどうすり合わせするか?

          開業医同士で飲み会をするとこの話題が出ることがあります。 「俺(院長)はこうしたいのに、スタッフは反対する。」 よく聞く話です。 小さいことでは受付時間と診療終了時間に差を設けているところでは、患者数が少ないのに診療待ちの人がいても、受付が受付時間を過ぎると、その後に受診希望の人たちを勝手に断ってしまうということなんかがあります。 院長は患者数を増やしたいので、そういう場合は受け付けるように言ってもなかなか納得してくれない場合もあります。 また、それなら受付時間を延

          院長とスタッフの方向性をどうすり合わせするか?

          開業後の薬の処方の仕方

          当院では開業してから、新患で初めて薬を処方する場合は、基本的に1回目の薬の処方は2週間です。 その理由はある一定数、薬の副作用で飲めないという人が出るからです。 実際、降圧剤、HLの薬、その他、飲んだら具合が悪くなったと言って薬が無駄になるケースが少なくないからです。 そのため、まずは2週間処方をします。 この際、薬が飲めるかどうかの判断と、副作用の有無を評価したいので、2週間後に来てくださいと言って、いやらがれることは実はあまりありません。 だいたいOKしてくれま

          開業後の薬の処方の仕方

          内科における自費診療について

          開業後しばらくは自費診療は検診、ワクチン等の医療に沿った自費診療のみをしていました。 コロナが流行すると、自費のPCR需要が高まり、また、海外へ出国する際の英語の診断書もニーズが高まり、これらへの対応をしていました。 しかし、コロナが落ち着いてきて、自費のPCR等の需要がなくなると同時に、自費の売上は激減しました。 まあ、当たり前なのですが。 そこで、当院では、内科でできる範囲での、美容系も行うことにしました。 しかし、看護師含め、全く美容系はしたことがありません。

          内科における自費診療について

          循環器内科で開業する際、必要な医療機器はどれ?

          僕は循環器内科・内科で開業しています。 まず絶対に必要な高額な医療機器は①超音波検査(できたら腹部、血管もできるやつ)②胸部レントゲン③心電図④ホルター心電図この4つは多分、「そうだよね」という感じで導入すると思います。 そのほかに、血球・CRP、ABI・CAVIの測定等々が続くと思います。 最初の4つのうち、実はXPはあまりペイしないと思います。 当院ではルーティーンではXPも心電図もホルターも行いません。 あくまで悪くなった時にのみ行います。 そのため、レント

          循環器内科で開業する際、必要な医療機器はどれ?

          これから開業してもやっていける?と質問されたら・・・

          時々、後輩から「開業ってこれからもやっていけるんですか?」と聞かれることが あります。 その答えはYesでもありNoでもあると思っています。 まずは単純にクリニックの数はどうだろう?と考えてみると、厚生省発表のデータで、平成11年は診療所の総数は91500でした。 しかし令和3年には104292に増加しています。13%以上増加しています。 なかなかの伸び率ですね。 単純に患者数が変わらないなら、1施設あたりの患者数は10%減ることになります。 でも、実際には医療機

          これから開業してもやっていける?と質問されたら・・・

          開業する際に覚えておいて欲しいこと

          開業する際、いろんな人が関わることが多くありますが、特に重要なのか、資金調達になります。 資金調達は金融機関から行うことになると思います。 そして資金調達するには「事業計画書」が必須であり、その事業計画書は、ちゃんと成り立つ計画書が必要です。 1年目から大幅黒字の事業計画書はクリニックではあまり見かけません。 1年目は利子のみ返済、2年目から元本も返済になります。 なので、2年目以降、ちゃんと返済ができますよという事業計画書が必要になります。 そんなの当たり前じゃ

          開業する際に覚えておいて欲しいこと

          近年、開業に成功しているDrの特徴その2

          前に、開業に成功しているDrは情報収集ならびに自分のポジション把握がうまいということを書きました。 そのほかに成功しているDrを見ていて感じることがいくつかあります。 それは時間の持つ意味を重要視するDrたちということです。 集合時間、待ち合わせ時間、学会の抄録の締め切り、そういうことをしっかりと守るDrの方が成功しているような気がします。 開業すると、完全予約制以外、患者さんは自分の都合のいい時間に来ます。 当院でも閉まるギリギリに来る人もいます。 そういう人を

          近年、開業に成功しているDrの特徴その2