若者はバカだから打たないのか?~期待値で見る若者のワクチン接種~
皆さんご存知若者批判記事について、若者の考えには合理性がないという前提について考えた上で、今話題になっている若者へのワクチンキャンペーンについて考えます。
若者が死亡する可能性について
ここでは若者を20代と定義する。
まず若者が何もしない場合にコロナで死ぬのかについて、まず死にません。
画像出典:https://ameblo.jp/tanubouya1205/entry-12692222603.html
一方でワクチンでの死亡率に関して、
以下の記事によると
https://www.news24.jp/articles/2021/06/28/07897205.html
米ファイザー社製が3615万1787人の内、20代6例が死亡している(因果関係については不明)
死亡率という面で見た場合、ワクチンを打っても打たなくても若者は死ななそうということがわかる。
若者に重篤な症状が発生する可能性について
まずコロナにかかった場合の若者の後遺症について、
発症14日経過時点の人を対象とした後遺症に関する上記調査結果によると、
ただ、よく見る具体的な症状としては、
となっており、生命維持に異常をもたらすものではない。
若者も重症化する可能性が0ではないことは確かだが、統計的に見ると、ほとんどないことが確認できる。
ワクチン接種後の後遺症に関して、
上記サイトで20代について検索したところ、該当が8件のみであったので、20代のワクチン接種者数は明確ではないものの、ほぼ無視していい数字であると考えられる。
若者が発熱する期待値について
やーーっと期待値の話になりましたね。僕もここまで長かったと思います。
コロナになった場合の発熱について
上記ページによると8/15に確認した限りでは20代の陽性者率は2%ほど
コロナにかかると6日ほど発熱するとした場合、
発熱日数期待値は6*0.02=0.12日となります。
ワクチンを打った場合の発熱について
上記ページによると
一回目の接種後の発熱が8.6%、二回目の接種後の発熱が29.5%です。
これは全体での数字であり、本当は若いほうが副反応が出やすいので、もう少し高い確率で発熱することになりますが、正確な数字が取れなかったため、こちらの数字での検証となります。
副反応による発熱が、一回目の接種後は1日、二回目の接種後が2日とすると
1*0.086+2*0.295=0.676日となります。
コロナによる発熱期待値0.12と比べて、5倍以上の差が発生しています。
ちなみに若者の感染者が140万人(8/14日現在の5倍くらい)くらいになる場合は、期待値が0.669日となりワクチンを打つのと変わらなくなります。
結局若者はワクチンを打ったほうがいいのか
発熱日数の期待値をいう意味では打たないほうが得です。
若者はイマを重視しているなどと言われますが、そもそも入って日が浅い会社を熱で何日も休むのは厳しいという事情もあると思いますし、発熱を忌避する人は打たないほうがいいと思います。
一方で、後遺症をどう受け取るかによっては打ったほうが得であるといえます。
嗅覚障害 、味覚障害、たんという症状がダイレクトに問題となるような人にとっては多少発熱しても後遺症が残らないような選択を取ったほうがよいと考えられますが、逆にこれらの後遺症をそこまで問題と捉えない人にとってはワクチンを打つのは基本的に損となります。
総合して言うと、若者は合理的に考えた結果、打たないという選択肢を取っています。
色々な理由付け自体は各々で行っていますが、根底には打たないほうが得であるというなんとなくの気づきがあるように感じられて仕方ありません。
また、損失回避バイアス的にも当然の選択であるというのも付け加えておきます。
詳しくは上記サイトを見てもらえばわかるのですが、
という選択肢がある場合、人はコイントスをしたがる生き物です。ワクチンを打てば、ほぼ確実にコストを支払わなくてはいけないですね、、、
若者でも重症化した人は存在するのだけれども~という言説はワクチンで死んだ人はいるのだけれども~という言説で反論できてしまうので、どちらも意味がないとみなしています。
東京都のポイント制度導入について
こんなニュースが注目を集めている。
批判も多いが、この制度はかなり理にかなっていると思う。
先程まで述べたように、基本的に若者にとってはワクチン接種は損な選択である。
ただ高齢者や基礎疾患を持っている人のことなどを考えると、社会全体としては出来るだけ多くの人がワクチン接種を完了してくれていた方が得である。
このいびつな構造に対して多くの人が明言を避けているからこそ、誰にとっても納得のいかない「呼びかけ」が横行しているのだと思う。(若者に対して、あななたたちに今から不利益の多い行動をしてもらいます、というアナウンスをすると必要以上の経費を若者に使わなくてはいけないため)
厚生労働省によるこの記事においても、やはり個人で考えた場合は別に問題はないという事実が根底にあるため、数件の死亡例を引っ張ってきて無理やり論理が組み立てられているかのような偽造をし、結果としてよくわからない主張になっているのだと思います。
ワクチンを打つことの主題はその後の「高齢者や持病のある家族を守る」「安全で安心感のある学校生活を取り戻し、生活を正常化する」などの社会的な部分であるのに、無理をしているな、と感じられます。
そんな状況下において、若者がワクチンを接種することに対しての明確な利益を提示することはかなり合理的である。ワクチンが足りていない今から準備して、ワクチンが揃ってきたころとちょうどよくなるだろうとも思う。
ワクチンと若者と自己責任論について
ワクチンを打たない人に対して、「自分で考えてそんなこともわからんのか?バカが。お前はコロナにかかっても自己責任で治して絶対病院なんか行くなよ」的な自己責任論を投げている人をよく見かける。
はっきり言ってこれは何も理解していない人の発言であり、言わない方がマシである。
多くの人にとってワクチンを打たないことは得なのであり、自己責任論で自分のことだけ考えて行動するのであれば、ワクチンを打たないのが正解となる。
逆に「俺はコロナになっても病院に行かないから絶対ワクチンを打たないしマスクもしないけどいいんだな?」という人がいることを想定すると、「これは自己責任ではなく社会の問題なので対策をしてくださいお願いします。」とお願いするしかないことがわかると思う。
ただ、社会全体としてはそうはいかないので、「社会のために」打ってくれというお願いをするという構造になっている。
なので、自己責任論的な言葉は意味のない断絶を生み、どんどん断然を広げてゆくだけの暴言であり、むしろそういった発言をする人たちが「ワクチンを多くの人が打ち終わっている社会」から遠ざけているのではないだろうか。
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