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あの天下の香木、蘭奢待の香りを聞く……!?(線香だけど)

以前note巡りの中で出会って記事にした「聞香(もんこう)」。

聞香とは、「香木を焚いて、その香りの違いを古典の和歌や故事、そこから想像できる情景を考えたりする芸道」なわけだが、
和歌等の素養や知識がない自分には関わり合いのない世界に思える。

しかし、過去の記事の中でも取り上げた香木の蘭奢待(らんじゃたい)がずっと気になっていたのだ。

正倉院に収められ、権力者のみが切り取りを許された宝物。
一体どんな香りがするのだろうか……?


聞くところによると、蘭奢待は伽羅の香木だという。

今も貴重なものではあるが、手に入らないわけではない。
もしそれが香木ではなく線香なら、なおのことだ。

それくらいなら自分にも用意できるかも……?


というわけで用意しました。


でも、調べ始めた当初は正直やめようかなと思っていた。

普通に高いからである。


たっっっ

だがAmazonを離れ、お香の専門サイトに行ってみたところ、
超少ないけど安いお試し線香があったので無事に買えたわけだ。

思えば嫌いな香りだったら大変なことになるので、大容量を買うのは危険だったかもしれない。

我ながら良い選択をしたのではないだろうか。



というわけでいきなり老松を聞いていこう。

ちなみに「聞く」というのは聞香において「香りを嗅ぐ」ときの表現である。

線香でも言うのかは不明だが。

長さは普通の線香という感じ。
入っていたのは5本。

値段は約500円なので、1本100円である。

めっちゃ高いと思われるだろうが、あくまでもお試し。
それに、1本まるまる使うわけでもない。

こ、これくらいでいこう……。

別に自分の部屋は超広いお堂とかじゃないのでこれでいいのだ。
(これで1回10円くらいかな…?)

気分転換に10円と思えば、なんだか当たり前な感じがしてくる。

それでは線香立ての丸いやつに挿して……


スポッ…

…………。



……いやこれにどうやって火を……?


なるほど、短すぎてこのやり方は無理なようだ。

学び学び。(すべてが許される言葉)

じゃあもう、横にして燃やそう……

よしよしこれで……

スン…

……なるほど。

この器で横にすると燃えないようだ。

化学の実験を思い出す。
きっと器の中はCO2で満たされているのだろう。

・・・

(なんで線香を焚くだけでこんなに苦労してるの……?)


もうマステでいいか……


まさかのマスキングテープをくるくるしたものを器に貼り、そこに線香を立てる自分がいた。

これが蘭奢待と同じ伽羅の香りを持つ高級線香の成れの果てだ。

いかな大人物であろうが、環境が大事ということがよく分かる。


うちに来てしまったのが、運の尽きだったね……

しかしマステのおかげで良い感じに燃え始めた。

やっぱりマスキングテープは生活必需品である。

景気よく煙を出し始めた老松

ちなみにこの老松という線香を選んだ理由は、お寺系Youtuberが「伽羅の香りが濃い」と言ってたからである。

せっかく香りを知りたいのだから、濃いに越したことはない。


そして香りを確かめる際は煙を直接吸うのではなく、手であおいでその線香の成分を楽しむという。(こんなところも理科の実験みたいだ)

では、香りをあらためて確認……

・・・

こ、これは……!!


お寺で嗅いだことのある匂い!!



そう、この伽羅の匂いは以前どこかで嗅いだことがあったのだ。

でもどこで嗅いだのかまではわからない。

この荘厳な香りは明らかにお金をもってそうなデカい寺で嗅いだ可能性が高いと思うが、それが今までの旅行で寄ってきたどこの寺なのかは見当がつかない。

本願寺なのか、東寺なのか、三十三間堂なのか、その他あれこれなのか…

しかしこれは一瞬でお寺に行った気分にさせる香りだ。


……そして思う。

部屋でさせる匂いじゃない。


そしてレビュー動画でも聞いてはいたが、確かにスパイシーなものを感じる。

そして焚いたあとの方がそのスパイシーさが強く出るような……?


なるほどなるほど。

(大容量買ってたら寝込んでたかもしれないな)



そんなわけで老松を試してみた。

他の線香のレビューも記事の中に入れるつもりだったのだが、線香に火を付けるだけでグダってしまったので、それは次回にしたいと思う。

そして実は、一番値段が高いのは老松ではない。

果たして残りの「由比が浜」「雪ノ下」「薫琳」は、一体どんな香りを体験させてくれるのか……!

……乞うご期待!!


〜続き〜


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