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人間の持つ回復力を信じさせてくれた、ドラマ『マイ・ディア・ミスター』

『マイ・ディア・ミスター』を見終わりました。

何がこんなに心を震わせたのか、少しだけ書いてみようと思います。本当はもう一周してみて、心にしみたいくつかの言葉を書き留めたいくらいなのですが、最終話だけもう一度見てメモしてみました。自分の【覚書】として。

物語の終盤、ドンフンとギフンが兄弟でしんみり話す場面があります。ギフンは以前自分が見た映画『誰も知らない』について語ります。映画に出てくる子ども達があまりに不幸で見ていられなかった。5分で見るのをやめたと。

「翌日最後まで見たんだ。見てよかったよ。子ども達なりにたくましく生きていたんだ。……人間にはちゃんと治癒力があるんだよ」

その後の場面です。妻も子もいなくなった家で一人食事をするドンフンは、はじめて声をあげて泣きます。今までどんな場面でも感情をあらわにすることを避けていたドンフンが慟哭するのです。でも、不幸な自分を認めて泣けるということは、ドンフンはもう自分の不幸を怖がってはいない、立ち向かって行く力があるということです。

どんな不幸に見舞われたとしても、人間には回復する力がある。そういうメッセージをこのドラマから感じ、なんだかたまらない嬉しさを感じました。不幸な生い立ちのジアンはドンフンに出会ったことで人間への信頼を取り戻して、幸せになろうという力が生まれます。そのジアンにひどい仕打ちをして苦しめたグァンイルも最後の最後にジアンのために行動します。その時のさわやかなグァンイルの表情もすごくいい。

生い立ちの不幸や、生きて行く上でトラウマになるような不幸な出来事に出会ったとしても、人間は回復することができるし、悪いことに荷担したとしても、やり直すことができる。私もそういう考え方が好きです。

物語の最後、カフェで偶然会ったドンフンとイ・ジアン。ドンフンの見せた笑顔はこのドラマの中でそれまでは見せたことがない、とびきりの笑顔でした。

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http://mydearmister.jp/index.html

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