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予約して待つ楽しみ

ふだん読んでいる本は、図書館に入ってすぐのところにある新刊コーナーで借りた本が多い。新聞で取り上げられているのを目にしていたり、SNSで話題になっていた本を見つけると、嬉しくなって何冊も借りてしまう。話題の新刊書でも、新書だと手軽に買うこともできるが、いくら読みたいと思っていてもハードカバーで値段が張るものは、買うのを躊躇してしまう。だから、人気のある小説などは、なかなか読めないでいた。

図書館には予約システムというのがある。知ってはいるが、利用したことはなかった。今読みたいものなのに何十人という予約の最後尾に登録する気にはなれないと思っていた。本が手元に届く数ヶ月先には今の読みたいという気持ちだって薄れていて、違う本に夢中になっているかもしれない。

ところが、昨年の秋頃にいつも行っている図書館のホームページを見ることがあって、その時「新着検索」というのがあることを知った。ジャンルごとに1ヶ月以内とか、3ヶ月以内の新着本に何があるのか見ることができた。読みたいと思っていた本があった。予約待ち39人だった。いつになるかわからないけれど、どうしてもその前に読みたくなったら買って予約をキャンセルすればいい、そのくらいの軽い気持ちで予約ボタンを押した。

「予約した本が用意できました」というメールが来たのは予想より早かった。「予約待ちの方が多いので早めに返却を」というメッセージも書かれていた。みんなが気を遣って早く読んだのだなぁと思うと、なんだかうれしくなる。私も急いで大好きなブレイディみかこさんの新しい本を読ませてもらった。

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新聞で見かけて、すぐに予約した西加奈子さんの『夜が明ける』も届いた。

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胸が痛くなるような中身に、時々本を置かずにはいられなくなりながらも、今読み進めている。私の前にこの本のページを捲った人たちの姿を感じた。

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