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ドリル ㊵ラーメン 

コツコツ宣言。

拙作を記録としてアップ。今回がドリルのラスト。

ああ、いよいよラストのお題。
これはシャレードを頑張る課題だ。

例題に出てた作品を読むと
シャレードのオンパレードだった。
シャレードオンリーで父親を思う息子の心情を見事に表現している。
いやー無理だ。
白旗だ。

考えれば 映像表現というのは
構成もセリフも大事だが、その時のキャラクターの感情はセリフでズバリ言わせるより間接的に示せばぐっと面白くなる。

それこそが  シャレード。

分かっている。分かっちゃいるがなかなかできない。
自分が言いたい事を前面に出し、押し付ける。
ああ、そんなのは生身の人間だっていやだ。

謙虚にというより
見てくれる人に楽しんでいただけるよう、
あの手この手で表現すべし。

しかも、なにを伝えたいか。
しっかり自分の思いを貫く。
テーマのない物語はつまらない。

約1年。ドリルを続けたが、
そんなことが分かった気がする。

今までヘタなシナリオを読んでくれてありがとうございます。

今後も引き続き書き続けます。
これからもよろしくお願いします。



㊵★ラーメン「気遣い」
登場人物

木村祥子(50)主婦
老婆  祥子の母

〇吉沢家・玄関
   古い一軒家。
   ガチャガチャと開錠され木村祥子(50)が入ってくる。

〇同・和室
   カーテンが閉まった室内。
祥子「お母さん? 今日、病院よ」
   とカーテンを開ける。
        テーブルには『連続誘拐事件』と大きな見出しの新聞。
       じっと見下ろす祥子。
   襖を開けると、寝室は布団が敷きっぱなし。
   人が抜け出たままの掛布団。
   祥子、怪訝な顔で布団の中に手を入れ、
祥子「……まだ……あたたかい」

〇同・台所
   冷蔵庫を開ける祥子。
       中身は空。
   テーブルに食べかけのラーメン。
   箸がハの字に転がっている。
   インスタントの袋と鍋も転がっている。
   立ち尽くして眺める祥子。
祥子「誘拐? (苦笑して)まさか……」
   とメモを見つける。
   『病院は自分で行けます。心配ご無用』の文字。
   溜息をつく祥子。

〇道
   手足がマヒした老婆、おぼつかない歩み。
   視線は前。意志の強さが滲み出る。
   (了)

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