読書要約#10 知的戦闘力を高める独学の技法

「知的戦闘力」を高めることを目的にした独学の技法について山口周さんが書いている。現代はフリーアクセスの環境が整っているため、情報を知ること自体の価値は目減りしている。そこで得た情報をいかに洞察し自分のものにするかという技術の必要性が増している。それを会得するためのヒントが詰まった1冊。

①戦略

一つ目は「戦略」。つまり何をインプットし何をインプットしないかを最初に決めるということ。世の中には情報が溢れている。それを全部吸収するのは無理だ。そこでどこの領域をインプットかを決めなくてはならない。その指標になるのが「興味・関心」や「好き」という感情だとか。自分独自の判断軸で進むことで、ただ先人たちの考えや事実の上書きをすることを避けられる。

②インプット

二つ目は「インプット」に対する考え方について。まず、全てがインプットの材料だということ。何も本だけからインプットはできないわけではない。人との会話、街中のポスターや広告などなど。大事なのはセンサーを常に張っておくこと。もう一つは「いまここ」でインプットするものを決めること。つまり、”長期的に逆算して〜”とか考えずにとりあえずやってみる。だって時代の移り変わりが早い中で未来を予測しても当たらないから。しかも自分の立ち位置や感情によってその時々の文脈は変わるから、「いまここ」に従ってインプットするのが良し。

③抽象化・構造化

三つ目は「抽象化・構造化」。ここが一番知的戦闘力を高めるのに重要。事実から”つまりこれってこういうことだよね”っていう一段階フレームをあげる作業のこと。これができると色んなジャンルの掛け算ができるようになる。著者曰くこれを鍛えるには場数しかないとか。具体的にはインプットしたら①得られた知識、②その知識の何が面白かったのか、③他の分野に生かすとしたらどんな洞察や示唆があるか、の三つを考えるといいらしい。

④ストック

四つ目は「ストック」。人間は忘れる生き物である。そうなのだが工夫の余地はある。それは”選りすぐりの情報だけ”を入れるということ。本を読む時を想定してほしい。まず興味深い事実、そこから得られる示唆・洞察、そこから得られる行動指針にアンダーラインなどの印をつけるのだ。次にその印をつけたところだけをもう一度読み直す。そこからやっぱり面白かったという箇所のみにまた印をつける。そして残った5~9個ほどの情報を別の媒体(メモでもなんでも)に書き写して残す。また、自分にとって気持ちの良い箇所だけでなく突っかかるところに印を引くのもアリだとか。そうすることで自分を逆説的にも知ることができるから。さらに定期的にこれら記録を読み返し抽象化できるとこがないか振り返るとなお良い。

⑤所感

いま自分がやっているこの要約もこの知的戦闘力を高めることを目的としたインプットの一種だと思っている。将来的にはこのようなnoteのように丁寧に書きすぎることなくメモ機能を利用して10分ほどでまとめる形をとっていきたいと思った。ただnoteは少なくとも外部との接触があるため反応を感じられて良いなとも。それが一つのモチベーションにもなっているので、時期をみてチェンジしたい。本っていわば先人たちの知識なわけでただそれを上書き保存していたら何も新しいことは起きない。そこから自分なりの示唆や洞察をいかに加えるかが大事だと思ったしそこは肝に銘じていく。

⑥転用

抽象化の練習をする。

事実:今週日曜日は毎年恒例の駅伝大会だ。自分は短距離選手でしかも今は競技志向はほぼないが毎年楽しみな日の一つだ。なぜなら結果以上にみんなでワイワイ出るのが楽しいから。

抽象:一人では踏み出せないことでも複数人いればその参入ハードルはさがる。盛り上がりが醸成されやすい。

転用:口コミや友人紹介キャンペーンなどはそういった意味で理にかなっているし、積極的に第三者(環境)を囲い込むことが重要?

→今度やる親子イベント、参加親子への価値提供(コンテンツ)ばかり考えていたがその親子を取り巻く環境(行く場所、見る媒体、など)をハックして情報を届けるっている軸も必要だ。これってマーケティングぽいし俄然モチベーションが上がるなあ。

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