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親だから【音声と文章】

山田ゆり
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※note毎日連続投稿1515日をコミット中!
1487日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも短時間で楽しめます。



※お食事中の方は、申し訳ございません。今は読まない方がいいと思います。


おはようございます。
山田ゆりです。



今回は
親だから
をお伝えいたします。





カチャリ

玄関を開け閉める音で目が覚めた。

あっ、寝過ごした!

私はとっさに時計を見る。
4:03

あぁそうか。
三女がごみを出してくれているのか。



目覚ましが鳴るまで寝ていようと
私は布団を顔にかけた。
自分のぬくもりをタオルケットに感じならがウトウトしだしたが、
目覚めと共にお腹の中も起き始め、仕方なく起きることにした。



下に降りて携帯電話を見た。

すると電話の着信があった。


みると離れて暮らす二女からだった。
時間は1:59。


何事だ?
二女はくだらないことで深夜に電話をしてくるような人ではない。


ラインを見たらラインには何もなかった。
それがなおさら不安を募らせる。

二女が起きている時間ではなかった。
「どうしたの?」

ラインを送ったら起こしてしまうかもしれないが心配になりひと言、ラインを送っておいた。



すると、すぐに二女から電話が来た。
こんな早朝に起きていたのか。これはただ事ではない。

私は緊張してスマホをタップした。


いつもより声のトーンが低い。
二女によると深夜、下痢と嘔吐が1時間半以上続き
どうしたらいいか分からず、あの時間に電話をしたとのこと。


娘は先日、生ガキをご馳走になり夜中下痢と嘔吐を繰り返したばかりだった。


「昨日、何を食べた?」
「お刺身」

「それだね」

胃の中にはもう何もない状態になったのでトイレに行く回数も減ったが、それでも胃の痛みは今も続いているそうだ。


二女から「アニサキス」という寄生虫がこの世の中に居ることを教えてもらった。



アニサキスの幼虫は、サバ、あじ、サンマ、カツオ、いわし、鮭、いか、ホッケ、タラ、ニシンなどに寄生していて

食後1週間くらいでアニサキスは死滅するそうだ。
しかし、人によっては小腸の粘膜に食いつかれて腸に穴が開いたりするという怖いことが書かれていた。





私は遠い昔の事を思い出した。


小学生の私は仲良しの久美子さんと一緒に帰る途中だった。

赤いランドセルを背負って今日あったことを話しながら楽しく道を歩いていた。

時々車が通ると、土ぼこりが舞っていた。

部落と部落の間は左右が田んぼだけの道。
昭和40年代のあの頃、道はまだ舗装されていなかった。


それまで面白おかしく話をしていた私は
なぜか急に泣き出した。
なぜかは分からないが涙が止まらない。
久美子さんは急に泣き出した私に驚いていた。


「どうしたの?どこか痛いの?」
「ううん、分からない。悲しくもないのに涙がでるの。」


私の涙は止まらなかった。
悲しいという感情がなくても涙が出たのはあの時が初めてだった。


やがて眉毛が下がり心配そうな顔の久美子さんと別れて私は一人で歩いていた。

久美子さんの部落から私の部落までにはまた田んぼだけの道が続く。


私の涙は止まらなかった。
どうして泣いているのか全く分からなかった。


少しして、トイレに行きたくなった。

私は小走りで家に向かった。
泣きながら小走りする児童。
もしも街中だったら行き交う人が心配したかもしれないが、あの時、周りを歩いている人はいなかった。




私は帰宅してランドセルを玄関に置いてすぐにトイレに入った。


そして、1mくらいの長さの寄生虫が私のお腹の中に入っていたのを知った。
それを知った時私は卒倒しそうになった。



あの時代、児童のおなかに寄生虫がいるのは珍しい事ではなかった。

学校で、一年に一回、検便があり、
私はその年に「おなかに虫がいる」と診断された人の一人だった。
その日、学校から渡された薬をすぐに飲んだのだ。


その薬が下校時に効いてきて排便へと促されたのだろう。
でもどうして涙が出てきたのだろうか。

それはもしかして寄生虫がもうこの小さなお腹の中では生きられないから早く出してくれという悲痛な叫びだったのかもしれない。


寄生虫が口に入った時は、数mmのものだったのだと思う。
そして、お腹の中でどんどん大きくなっていき、1mくらいに成長していったのだろう。


その後私は「おなかの中に虫がいる」という診断はされなくなった。
あの時が最初で最後だった。





私が親となり3人の子どもたちが小学校にお世話になったが、一度もそのようなことには遭遇しなかった。
今でも「おなかの中に虫がいる」という児童はいるのだろうか。


あの時代がそういう時代だったのかもしれない。



二女の突然の下痢と嘔吐の原因はなんなのかは病院で診てもらってからになる。

こんなに世の中が変化したのに、やはり
生ものには気を付けないといけない。



娘たちは成人したがそれでもこんなことがあるとやはり心配になる。


恐らくたぶん、心配事のほとんどは「気にしなくていい」類になるのだが
それでも親だから気になる。


近くにいれば痛いところをさすったりおでこに手を当てたり、
必要であれば救急病院へ連れて行ったりできるが、
離れて暮らしているとそれができない。


親だから心配になる。







今回は
親だから
をお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。 

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。



◆◆ アファメーション ◆◆
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私は愛されています
大きな愛で包まれています

失敗しても
ご迷惑をおかけしても
どんな時でも
愛されています

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