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元ツンデレアイドルのマネージャーは苦労がたえない 2話

『〇〇〜』

「はい!」

『アイス買ってきて!』

「はい!」

·····

『〇〇〜』

「はい、そろそろTBSに移動になります」

『じゃあこれ持って!』

「了解です」

·····

『〇〇〜』

「はい!」

『お腹空いた』

「お昼の時間ですもんね、ケータリングから何か持ってきましょうか?」

『うん。お肉が食べたい!』

「じゃあお弁当取ってきますね」

24歳。独身。彼女なし。
職業はマネージャーという名のただの雑用。

俺、なんでこんなことしてるんだろう……

◇◇◇◇◇◇◇◇

飛鳥さんのマネージャー。
その仕事は朝、飛鳥さんをマンションまで迎えに行くところから始まる。

『おそーい』

開口一番それですか飛鳥さん。、

「すみません」

『もう10分も待ったんだからね!』

「飛鳥さん、さっき起きましたよね?寝癖ついてます」

『え…』

「朝ごはん後でお持ちしますけど、何食べたいですか?」

『……ヨーグルト』

「OKです」

テレビ局に着いたら
飛鳥さんの荷物を持ち、楽屋まで案内する。

「ヨーグルト、フルーツが入ってるいつものでいいですか?」

『ん』

「買ってきますね」

飛鳥さんが今日の台本を見ているうちに
コンビニまでヨーグルトを買いに行く。

「あ、」

ヨーグルトを探しながら目に入ったある商品。
そのうちの1つを手に取り、レジまで向かった。

·····

「お待たせしました」

楽屋に戻ると
飛鳥さんは着替えとメイクを終え、ソファーでくつろいでいた。

『ありがと』

「ヨーグルトと、おまけです」

『おまけ?』

ヨーグルトと共に、ビニール袋に入ったおまけを渡す。

「おまけです」

『何それ…』

「さ!今日も頑張りましょう!」

『〇〇ちょっとうるさい』

「すみません」

·····

収録を無事に終え、次のお仕事までの待ち時間。

マネージャーとしての雑務を片付けていると

『〇〇〜』

飛鳥さんに呼ばれた。

「なんでしょう」

『これ、なに?』

「え?」

『これ!』

そう言って差し出されたのは
先程俺が買ったいちごミルクの飴の袋。

「いちごミルクですけど…」

『なんで?』

「飛鳥さんのこと調べたらいちごミルクが好きって言ってる動画が出てきたんで…」

『ばか!』

そう言った飛鳥さんの顔は真っ赤だった。

「嫌いでしたか?」

『嫌いじゃない!!』

「それならよかったです」

そう言って笑うと

飛鳥さんはちょっと笑いながらまた”ばか”って言ってきた。

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