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願わくは花の下にて春死なん

その如月の望月の頃
と続く 西行の句。
愛猫シェリーはまさにこの上の句の通り
桜舞い散る4月1日夕刻に、そっと逝きました。

私たちのことばがわかるのだろうか?
と思わせられる出来事が
しばしばありました。

先々週は、もう無理かもと思わせられては
また小康状態に戻る の繰り返しでした。
私たちに、
いざというときにどうするのか決める猶予と
別れを惜しむ時間を作ってくれていたのでしょう。

3/30(木)は、点滴を済ませて会計をしているときに
「私の布団には入りにこないから、寂しい」と
動物病院のスタッフさんに漏らしました。
すると翌朝の明け方
気配を感じて目を開けると
シェリーが枕元にお座りしてました。
動くのが相当しんどいはずなのに
自分の寝床から私の寝ているところまで
歩いてきてくれてました。
そこからほんの30分程でしたが
添い寝してくれました。
そして起床時刻になると
寄りかかっていた身体をすっと離し
ひとりでまぁるくなっていました。

4/1(土)は、
午前中ずっとそばに付きっきりでした。
点滴を終えて帰宅してからは、
午前中とは打って変わって
全く身動きもせず
ずっと同じ姿勢で横になってました。
30分おきに様子を見に行ってましたが
あまりにも動かないので
ときどき身体に耳をあてて
心音を確認して生存確認をした程でした。

子猫のような顔のシェリー

じっとしているので、私も油断してました。
別室で用事をしていたときに
ゴトンという音が聞こえたように思いました。
再度ゴトンという音が聞こえ、
もしやと思いシェリーの寝床に駆けつけました。
一見、何も変わってないようでした。
でも、もう心音は聞き取れませんでした。

音が聞こえたときにすぐに
様子を見に行っていたら
1人で旅立たせずにすんだのかもしれません。
でも、猫は死に目を見せないようにする
ともいいますから、
本猫の思い通りになったのかもしれません。

エイプリル・フールに旅立つとは
粋なことをするものです。
そして 最期まで飼い主思いの子でした。
年度末と年度始の狭間の
この週末で 全てかたがつけられる と
判断したとしか思えないタイミングでした。
猫ながら、あっぱれというほかありません。
シェリーちゃん ありがとう。
また 会おうね。

📝つむぎの ひとこと ふたこと🖋
4月2日は、うららかなお花見日和の日曜日でした。
シェリーを荼毘に付しているとき、
ふと氣配を感じて窓の外を見ました。
その瞬間、さぁっと風が吹き見事な桜吹雪。
30秒程でした。
時計を見たら到着して1時間が経ってました。
金茶色の毛にピンク色が映える猫だったシェリー。
桜吹雪は現世(うつしよ)を離れたしるしに、
シェリーが私たちに送ってくれたメッセージのように
思えてなりませんでした。

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