嫌いな街

昔、人に「ここで生きてても新しいものは生まれないし生み出せない」と言った事があった。それは自分の街が嫌いだったからとかじゃない、好きでしかたなかったから言った事だった。

居心地が悪かった、どこを見渡しても欲する居場所がない事に苛立ってその度に自分の無力さを痛感して。羨ましかった、みんなと同じ場所にいられたらもっと笑って楽しんで、なんてできるはずなのにそこにいる事ができない事に悲しくなった。

その人に言った時は21歳とかだった、その人はまた違う街で、どんなに頑張っていてもその街にいる事で相手にもしてもらえないし正当に評価もされないし、見てるコッチはすごく嫌な気持ちだった。半ば八つ当たりみたいな気持ちも多少あった絶対に。理想論っていうのにすがんなって気持ちで「ここで生きてても新しいものは生まれないし生み出せない」なんてその人に言ったんだ。まるで自分にも言い聞かせるように。

今でもそう思う。実際やってみたから痛感するけど「自分の生きた街を守りたい」とか「盛り上げたい」とかは絶対的にその場所以外のことを知らないといけない。偏った考えかな、すごい攻撃的な書き方してしまったけれどそう思う。だから自分の街を捨てた。





自分の熱量が高まるほどに、相手を傷つけてしまうかもとかわかっていながらも僕は押し付けたその考えを。

今も後悔してないし、それは正しいとおもうけれど、あの時の僕もしかしたら其処にいたいって言えなくて拗ねてただけなのかもなってふと今日昔の日誌をみながら思った。

残念ながら今もなお心から安住できる居場所なんて見つかってないし、願っているもの少しも手にはいってないけど、その気持ちはまだ無くしてないみたいだよ。

いつか求めてる意味として帰れたらいいなって本当に思う、佐賀に。


そして、今も頑張ってるその人にもう会う事はなくなったけれど今も昔も変わらず結局立ち止まっていない事を知っているって伝えれるようにずっと遠くに行く。

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