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深海での救済/深居優治というアオのバケモノ

深居優居という音楽と出会ったのはおそらく5年ほど前、床が光るで有名な旧薬院UTEROだった。それはたまたま知り合いのライブを見に行った際、おびただしい数のエフェクターを周りに囲って、マイクが一人分あるだけのステージ。前知識もなく、バンドなのか、ユニットなのか、ソロなのか。それすらもわからず、ライブがスタート、ステージには一人の青年が立っていた。

幾多の音を重ね、自分が知っているアコースティックギターからは想像がつかない、音で。それが不協和音であったりする瞬間すら音楽でいて息を飲んだ、そしてこぼすように息を吐いたことをまだ鮮明に覚えている。僕は怖くなってしまった、口からでてくる言葉は鋭く、深海の暗闇と似た静けさと孤独感。ひとりぼっちの感傷的でだれにも干渉されたくない鍵をかけていたはずの扉を開けられた時みたいな拒絶感、なぜ開けた、なぜ開けたんだと言いたくなるほど、痛いところを突かれる。でもそれが本当の本当に誰かに知ってもらいたかったことだったのは帰り道の誰もいない終電に揺られて回想をしてる時だった。

自分にとって、きっとこの人に出会わなかったら自分を見つめることもせず盲目に生きていけたんだろうなと思っている。暗い音楽と自傷していた自分のことを、それで片付けて闘わなかった自分が恥ずかしくてしかたなかった。言葉書きとは、ここまで突き詰めなければ人に手渡すものはないのだとさえ思った。自分が生まれながらにしてもっていた暗闇とそれを形容する言葉や表現の拙さを思い知った。それと同時に自分が持っている温度感や明るさというものを次第に見つけていくきっかけにもなった。

数年後自分の企画に深居優治にお声がけさせてもらい、出演してもらった。あの時はなんだか痛快だった、自分がすごいぞと思った人が自分の好きな街で好き放題やってくれているのを見て、そして自分がその表現の世界にちゃんと一歩踏み込めたように思えて。

そして今年、たまたま見かけたツアーの同行の話をTwitterで見て即連絡した。それをきっかけに深居優治の『とうめいなからっぽ』ツアーに一部地域同行した。

自分も一人で旅をする人間として、沢山を知っているつもりだったが深居優治と共に歩く日々はめまぐるしいほど速度が早い日々が常に続いていくようで、自分の底の浅さが垣間見えた。
そしてその中で僕は自分を見失いかけた、今一度自身に問いかけることが沢山あったから。すべてを鵜呑みにして返事をするのはたやすいことだけど、その中でいくつも自分で取捨選択しないといけない関門を深居優治といるだけで問いかけられているような気がして(本人はそうしてるつもりはない瞬間ですら自分が潜在意識てきに考えていたことが浮き彫りになったと思えて)、言葉がでなかったり。まさにあの日々は思考の奴隷になっていた。絶えず問いかけが続く日々は価値観が覆されそうになったり、終始負けっぱなしだった、自分自身に。

だから冗談抜きで本当に悔しいことだらけだった。本当に悔しいことだらけだった。

深居優治は深居優治として生きている。
それで君はどうなんだいって。


その日々の余波は今も続く、自分の綺麗に見せたかった部分だったり、汚いところ。深海の中のアオの灯火は思考させることを許してくれる燈だと思っている。

救われたい、許されたい、話をしたい、逢いたい、罪のように背負っている感情の行き場を自分のせいにって思考を停止させないといけない苦しみすらも、ひとりごとであるのに世界が介入してくるあのウザったらしさも、その哀しみも自分自身の体の内側にいるバケモノみたいな自分を唄う、ということは自身もまたそれを体現していくことになる。僕は正直いって真似できない。しかし今一度僕は彼の音楽と彼に触れることで思考に身を投じることができる、未だ明確な解答は持たず、言い切ることもできず。だがしかし自分が暗闇にいるとき自身の顔が見えないあの時のことだ、そこで自分を探す思考を彼は歌うのだ。

僕はそれが深海での救済だと思っている。


tuna pre.
2019.09.18(wed)
【3rd mini album release tour final】
Place:Early Believers Bar space
adv¥2,000/day¥2,500(+1drink order)
op18:30/st19:00
-CAST-
tuna
深居優治(広島)
石庭未来(京都)


広島のバケモノ深居優治をお招きして
3rd mini album 『ato』release tour finalを
福岡親不孝Early Believersにて開催。

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Twitter:@ShoTuna27
Mail:sho.tuna2727@gmail.com
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皆様のご来場楽しみにお待ちしております。


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