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わざわざ寒いのに自販機まで缶コーヒを買いに行って

昔の恋を少し思い出した、それは以前とは違う場所に収納された引き出しでもう胸が痛み出して苦しくて張り裂けそうで油断すると涙がでてくるなんてこともなくなって、古いアルバムのページをめくるようにこんなこともあったな、なんて思い返して少しだけ呼吸が深くなるだけで。

頻繁に思い出すこともなくなったから、しまう場所を奥の方に追いやっていたけれどたまに定期的にその思い出が詰まった引き出しを整理するみたいに夜深くぽつんっと思い耽ることがある。わざわざ寒いのに自販機まで缶コーヒを買いに行ってプルタブをあけてからはじめる、口にはいつもお気に入りの煙草を加えて好きな音楽を聴いて、家まで歩いて。頭の中の引き出しからそっと眺める。いつからか、そこにしまうものは決着がついてしまった感情ばかり詰め込んでしまっていた。それは恋だけじゃない、人との友情だったり劣等感だったり、悔しい思いだったり。答えを自分で見出してきたと思えるものばかりだ。

ぶつかって、いちいち感情的になって、自分でも驚く程大きな声をあげてしまったこともあった。守らなきゃと焦って、でもなにも声をかけることも言葉も見つからないこともあった。才能があるやつにいつも嫉妬していたのに心の底行け、どこまでも行けよと願っていたり。ちぐはぐな心のもとで生まれたものばかり。

いくつものエピソードがある。

その中でいったい自分がいくつプラスになれたのだろうってふと思うと心臓が軋む。なぜだが鮮やかにうつるものは傷をつけたりした記憶ばかりで、もっとあるはずだと探せば無力だった自分だったり不甲斐ない自分だったり。楽しかった思い出も嬉しかったことも沢山詰め込んだはずだったのにぼやけて見当たらない。

ひとつわかったのは憎しみでの行動や言葉はなにも自分の為にならないということ。それがどんなことでも。経験則でしかものは言えないけど、憎しみで選んでしまった道はいつも辿りついた先、空虚で空っぽでなにも残されていなかったし、自分という怪物ができあがっていた。僕はそれを灰色の夜の生き物と名前をつけていた。

神様にはなれないし、魔法の言葉も持っていないし、他人のことなんてわからないし。今は身軽になろうとしていることのほうが多い。もっと近づきたい領域を見つけてしまったのかもしれない、耳をふさいだように、なにかの可能性でまた気持ちが復活しないように。それが盲目なことなのかどうかも今ははっきりとしない。でも以前とくらべてその道をスタスタと進めてしまっている。驚く程冷静に、時に冷酷に。

実は未練なんてもうこれっぽちもなくなってしまっていたんだと知ってしまったんだ。あの頃、散々こんなに想いを馳せたことだったり恋煩いしていたことを諦めてしまうことは全部嘘になってしまうんだとずっと思っていた。諦めるのが悪みたいな、でもそうじゃなくて折れてしまった部分からまた一つまっすぐなもっと太い幹ができあがって、じつはそれがなかったらこうはならなかったみたいなことが沢山あった。そう思うと記憶で美しく買い殺してしまうことなんかより、そっと古ぼけた色彩のまま奥にしまいこんでしまうことが自分の昔を否定しない方法なんだと知った。だから未練なんてもうこれっぽちもなくなってしまっていたんだと知ってしまったんだ。

別にいま人生のゴールをきって、悟りを開いたわけではないから。これからも探し続ける旅は続くのだと思う。今でさえもう伝えようのないことだったり、伝えられなかったこと、言葉にできなかったこと。沢山あるよ。

ごめんきっとなにを書きたいのかわからなくなったけど

好きだった人は、今もみんな素敵、俺も頑張ります。

締まらなかったなー今日のひとりごと。

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