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なにわ男子「初心LOVE」 出会ってしまった君は太陽

 キラキラ王道アイドルソング。デビュー曲っていう感じのインパクト。白とピンクの衣装を着こなしても、負けていないメンバー達はさすがと思う。
曲中の振り付けは何気に忙しくて、おもちゃ箱のように次から次にいろいろ繰り出される小技がたくさん。激しくはないんだけど、踊りながら歌うの大変そうだなという感じ。
注目したいのは、冒頭ソロは絶対的センターの西畑君だが、Bメロセリフは大西君、1サビセンターは道枝君。大サビ前は大橋君とこれまたメリーゴーランドのように場面が変わっていく。
個人的に好きなのはラストのパート大橋君のシャウトと道枝君の「出会ってしまった君は太陽」の部分。まさにこの1曲を象徴するような一節。ここのメロディーは明るいんだけどちょっと切なくてアイドルっぽいし、「しまった」っていう表現も偶然性が描かれていて良い。この部分、英訳したら難しいだろうなと勝手に感じる日本語の巧妙さ。後悔の「しまった」とはまた別もの。慣れていない恋というものがはじまって「しまった」不安の中にあるソワソワ感と、でもこれからに対する希望も含めた初恋のワクワクとドキドキ感という複雑な感情。歌うときはただ、笑顔ではなくて一瞬切ない表情をした後での笑顔で歌ってほしい。冒頭西畑君あたりはその表情ができていてさすが演技派。ラストのフレーズ「こうしよう二人はめげないロミジュリ」もなんとなく今っぽさを感じさせつつ初恋だから勝手に障壁を作ってうまくいかないところもドラマチックになるよっていうメッセージが感じられる。
デビュー曲として比べるとking&princeのシンデレラガールは「ずっとずっと君の事を守っていくよ」という姫をお城で守るおとぎ話の中の王子様的強さを感じるのに対して、初心LOVEのほうは「同級生にドキドキしている自分」というちょっと田舎っぽさも感じられる現実的、制服的初恋感がある。
「なにわ」ともあれ、デビュー曲としては素晴らしい。

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