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Netflix「未来日記」 (ネタばれ多め) 第七話 別れを告げる花

物事を最後に振り返るとき、寂しくなるのは当然の事。その間の経験も感情も一度きりなわけだから、どんな感情だとしてもそれは特別なもの。その想い出を共有している人が近くにいるほど、感情が揺さぶられる可能性は高い。自分の心の中で、絶対泣かないって決めていても、誰かが泣いているとつられて泣いてしまう。これまでの想い出とこの先の未来、これ以上の事なんてありえるのだろうかなんて思ってしまう。

恋って素晴らしいなって思う回。
なんだかんだ、ベタなデートは画になるし楽しいんだなと感じる。やっぱり浴衣と神社ってその雰囲気だけで、良いなと思ってしまう。浴衣が似合わない人ってなかなかいないし、それだけで、自然とその時間が特別なものになる。そしてなんとなく、寂しさと陰を含むのがこれまた良いところ。階段に無造作に置かれた日記、想い出を辿る二人、終わっていく寂しさが本当は頭の八割くらいを占めていそうだけれど、それでもワクワクしながら話している姿が微笑ましくも寂しい。最初の頃の映像をみながら、今を見ると、座った距離感の近さとか、目を合わせる回数とか二人の関係性が近づいたんだなあと感じる。自然とお互い涙がで出て自分の中の感情に気づいたっていう話はまさにこの作品の良いところだと思う。少し照れて、これは本気になって良いのだろうかと思いながらもなんとなくこれは疑似だからと壁があった二人が実はお互い気持ちを持っていて、その気持ちが堰を切ったように溢れ出してしまったという感情の動きが見事に表れているエピソードで興味深い。
想い出を語りながら、さらに加速度的に気持ちが近づくんだけれど、離れなければいけない時間が近づくというシンデレラ感。最初の日記をここまで引っ張って、やっとここで彼女が自分の気持ちを初めていう際に、一瞬泣きそうになり天を仰ぐ姿は美しい。横並びで言うのも良い。お互いを理解している場合、相手の表情があっさりと見えないほうが、真剣な想いは伝わるのかも知れない。そして最後のキスの流れはあまりにも自然で熱い。せっかく想いが届いたところで、あっけなく終わりを迎える。

花火が終わった後、無表情になった時、見ているこっちもグッと来てしまった。それは泣くよと。握手も良いなと、恋人同士って手繋ぐとかはするけど、握手ってなかなかしない気がする。ここで握手をするあたりがまた、フィクションの中で動いてきた切なさに繋がる。さらに、ここにきて主題歌もピッタリだなと感じる。そしてもう一ページ、もう一話。どうなるのか。

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