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Netflix「未来日記」 (ネタばれ多め) 第六話  言えなかったこと

料理を誰かのために作る時、その人が食べている姿を想像する。どんなに自分がおいしいと感じる味でも、その人がおいしいと思ってくれるかはわからない。でもその料理、食べてもらえなかったらとても寂しい。冷めてしまった料理を自分で食べる気にはならない。どうしようもない感情が押し寄せる。それに対して、「おいしい」と言ってもらえた時は本当にうれしい。暖かい気持ちがフワっとわいて、そのあとの会話がなんとも穏やかな雰囲気で進む。


「言えなかったこと」というタイトルが深い意味をもつ回。
沖縄に残された彼女は本当に不安だったんだろうと思う。不安というより状況が飲み込めなくてでも今回が逆に日記に救われる。
お互いなんとなく辛くて、なんとなく不穏な雰囲気の中で過ごす日々。不安なことって、「それ」が不安というよりも「なにもわからない」のが不安なのであって、目の前の状況がはっきりとしないと泣くに泣けない。だから知りたくなるのだけれど、この場合その術がないのがさらにもどかしい。でもレストランで食事をしてなんとなく一度離れた距離が少し縮まって、でも、そこであえて彼に明かされた、彼女の日記、その後の質問、そこにかかってくる最初の日記。うまい具合に彼の心をもやもやさせるダブルトラップが仕掛けてあるし、あの状態で彼女が本当の自分の気持ちを言えないとは思わないので、これは彼にとって実は更なるダメージになったんじゃないかと思う。安心してここで本音が来る、きっと好意的な言葉がくると思っていたのに、それでもないっていう、もはや人間不信レベル。こうなると、仕掛けとは思わないんじゃないかと。
それにしても彼の作る料理はさすがにおいしそうだし、ドレスを纏った彼女は画になる。「東京感」の良さがとても表現されている。彼の告白も含め、やっぱり東京は人間の行き交う場所というイメージがよく似合うなと思わせられた。


そしてラスト、寂しすぎる言葉が日記に書かれていて見たいような見たくないような。

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