見出し画像

愛宕山1

愛宕神社のある愛宕山の下は比較的平坦であって、かつては広範囲に住宅街であった。中学校の友人のI君が住んでいたアパートも雑然としたこの辺りの住宅街の真ん中にあった(学区は違ったが越境していた)。近くには桜川小学校という学校もあったのだがその頃には通学する人数も減っていたらしい。この桜川という名前は名の通り川に由来するもので、僕が知る限りでは暗渠かもしくは埋め立てされていたが、四谷の南東側の谷を水源とし赤坂御所内の池に流れ込む鮫川が下流にて名を変えた川でその流れは赤坂、溜池を通り南に折れて古川に注いでいたというのをかなり後年になってから知った。

現在では愛宕山の横に御存知の通り虎ノ門ヒルズがどっかとそびえている。環4、マッカーサー道路というのもピンとこないのだが、新橋の日比谷神社までまっすぐな大きな目抜き通りは空も広く気持ちがいい。虎ノ門ヒルズ本体は完成したようだがまだ周辺工事が続く。すべて終わって落ち着くころは何時なのだろうか。その頃には高いビルも日常の景色となっているだろう。

愛宕山は低い山ながら急な階段を登るのは大変で、南側にはエレベータもあるのだが、最近では虎ノ門ヒルズの2Fのテラスからアクセスできるようになっている。急階段を登るよりは楽なので(登るのも楽しいのだが)もっぱら最近は虎ノ門方面から登ることが多い。

急階段の上からの景色、もちろん今ではビル街で何も見えないのだが、江戸時代末期には当時の写真家フェリーチェ・ベアトが同じ場所から写真を取っている。研究者によれば日照の具合、影の確度で比較的容易に建築学的検証ができ、撮影の日時まで特定されているらしい。今や眼前にビルががそびえ立ちかつての光景は見る影もないのだが、比べてみるのも面白い。

(撮影 2023/1)

model; なる (Instagram)
model; なる (Instagram)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?