豊岡滞在制作5日目 6月17日

夏バテと執筆が進まない焦燥感で体調を崩し、4日目の日記をサボってしまった。

泊めてくれている遥野ちゃんとりこちゃんに甘えすぎないよう、こちらでの生活を行っていきたいなと思う反面、体調面でうまくいかず、歯がゆい思いをする。

5日目の夜は4時間ほどしか眠れず、14時くらいまで布団に潜っていたと思う。夜に初稽古があった。

初稽古では、メンバーが皆集まり、現状の企画の共有と、具体的にどう作品制作をどう進めていくかの話し合いが行われた。作品が動き出す時のトキメキがあり、刺激的だった。

話し合いを進めていくなかで滞在制作、という形の難しさに直面した。滞在制作なので、その土地やその土地に住んでいる人を題材にお芝居を創作するが、それが搾取になってしまう可能性を孕んでいる、という意見が出た。私はいつもの様に戯曲を書き始めようとしてしまっていて、土地・人・俳優への搾取が行われやすい環境だということが、てんで頭になかった。

搾取を行わないよう、私が気をつけるべき点をいくつか挙げた。俳優のひとりが「なおちゃん1人で背負うのではなく、座組みんなで考えていきたい」「苦しい時は苦しいといってほしい」と言ってくれて、頼もしかった。

滞在制作は想定より手探りなスタートを切った。あらすじは決めたので、明日から取材と執筆を繰り返していく。

豊岡は、あまりにも虫が出る。

稽古中、窓から大量の虫が入ってきては、壁にぶつかり墜落していた。

私は、夏、大量のウジ虫を鍋に沸かせてしまい、処理に困ったあげく、火をかけ、大量の虫を焼き殺したことがある。

虫が焼けて死んでいく匂い。

夏の匂いは虫の死の匂いなんだ、と思い出してしまった。私は稽古がおわった途端、吐き気が湧き上がってしまい、道すがらに吐きながら帰った。

遥野ちゃんが稽古場をしめてくれて、りこちゃんが隣を歩いてくれて帰った。感謝しかない。2人ともありがとう。

私はこの体調不良との付き合い方を、いま一度見つめ直す必要がある。今も見つめまくっているが、別の角度の考えが必要だと思った。虫が数匹転がっていたくらいで吐くのだ。豊岡にきて5日目なのに、もう吐くのは2度目だ。とりあえず今日は寝て、明日スッキリした頭で考えよう。体調不良は悪い心を呼び覚ます。その状態でジタバタしたって、いい結果にはならない。

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