日記2023/04/03

今は事情があって、自由に動ける時間がたくさんある。
初めは絶望的だった。様々なものを失って、日々が深くて暗い色に塗り込められてその中に閉じ込められて動けなくなるような感覚だった。深淵を覗き込む時に、深淵もこちらを覗いているという言葉を思い出した。誰が悪い訳でもなく、仕方がないことだった。その分、何も責めることは出来ずにやるせない思いを向ける先はどこでもなく、幸福だった時間があるから、そういう時間の中で感覚が甦ることを祈るしか無かった。
今みたいな状態にならなければ、表現を流し込むことも家族と時間を持つことも人生について内省することも表現することもなく楽天的に暮らしていたのかもしれない。
不器用にしか生きれなかった母の抱え続けてきた思いや、普段寡黙な父の何気ない思いやりを、知ることなく一人で生きていたかもしれない。身の回りのあらゆるものを当たり前だと思わずに、感謝して生きていきたいと思った。私は生き直したかったのかもしれない。
心の調子を崩してしまうのは良いことだとは言い難い。
だけれど、祈りを込める気持ちで、そんな意味付けで人生を解釈して生きている。

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