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殺伐としたジャングルのような都会でもいつも笑っていられる

 このタイトルを見て「なつかしぃ」と思って開いた方は、きっとJungleSmileのファンなのでしょう。
 私もですよ!おそろですね!

 1994年に結成し、1998年「おなじ星」で一世を風靡したJungleSmile。
 タイトルは、グループ名の由来を問われた際にボーカルである高木郁乃が語った言葉で、
「翔べ!イカロス」や「おなじ星」を聴いている時、私は高木さんのこの言葉を思い出す。

 けれど、私がJungleSmile(以下ジャンスマ)を好きになったのはここ最近の話なんです。2002年に活動休止を発表し、その後もぽつぽつと活動していたのですが、2016年の同窓会ライブを最後に、活動は途絶えてしまいました。
 その後にグループを知って好きになっていったので、一回もライブに参加したことがありません。
 ちなみに、現在お二人は別々で活動していて、高木さんのYouTubeチャンネルは拝見しているので、この間のライブ配信は見れました。生放送見れなかったですけどね!
 
 今回ジャンスマについての記事を書こうと思ったのは、詰まるところ高木さんの配信を見たからです。ありがたいことに「同じ星」と「翔べ!イカロス」を歌ってくれました。口からCD音源とはこのことと言わんばかりのもので、全盛期を連想させてくれるような歌声でした。

 とは言っても私は世代じゃないんですけどね。当時、ジャンスマや19、唄人羽などが流行っていたあの頃の楽曲がとても好きなんです。あのノスタルジーを感じるさわやかな音楽は、あの頃でしか表現できなかったと思います。

 ジャンスマも例外ではなく、吉田ゐさおさんの曲調と高木郁乃さんの天才的な歌詞がうまいこと融合して出来た、あの世界観がとても好きです。
 特に高木さんの書く歌詞には魅力を感じていました。高木さんって、よくも悪くも「感じたこと全部書くわ!」というスタイルの方で、とても正直な人だと思います。主に恋愛に特化した歌詞を書くのですが、それがまぁ女という性を赤裸々に書いた歌詞が多いんです。

 時に、高木さんはライブ配信中に「実は昔スケバンで、私の中にはスケバンの血が流れているんです」と告白されていましたが・・・・・うん。そうだと思ってました。

 スケバンでなくとも、だいぶやんちゃした学生生活を送っていなければ書けないような、性的な歌詞が結構あるんです。
 それはアルバム『林檎のため息』に収録されています。あれは「性の世界を早く知ってしまった女学生」を経験していなければ、書ける歌詞じゃないです。
 ちなみに、『林檎のため息』の中には「思春期」という、女の子の初潮について歌った曲もあります。珍しいですよね。
 自分の身体に起こった変化が恐ろしくて、誰かに助けてほしい。という気持ちを歌っています。なかなか、書けたもんじゃないですってこれは。
 まさに、ジャンスマの別側面をかたどったアルバム。
 
 ちなみに、私は陰キャ学生生活を送ってきたので、学生時代にJunglesmileを知っていたとしたら、赤裸々に語られた性の歌詞にドン引きしていたかもしれません。
 「16歳」とか、初体験についての歌ですからね。正確には初エッチを断って、彼氏とギクシャクしたって内容です。

 そう言った意味では大人になったからこそ、好きになれたんだと思います。
 


 もちろん、ジャンスマの魅力ってそこだけじゃないんです。
 恋愛だけじゃなくて、後期は人生観についても歌にしていました。
 「翔べ!イカロス」はその代表格で、多くのファンを勇気づけたと思います。ただ、この頃から高木さんの精神的な不安が大きく出てしまったのか、暗い曲調の歌詞が多くなりました。
 「祈り」は愛の儚さについて歌った曲。
 「東京、さびしんぼ」は独りぼっちが寂しいから、その時だけの都合のいい関係を求めた。だけれど、そこには暖かさがあったという歌。
 「希望」は、タイトル詐欺と言わんばかりに人生の絶望を歌った曲。
 ジャンスマ後期は、こんな曲が多かっです。

 (ちなみにこの「希望」という曲は、ジャンスマ最後のアルバム『あすなろ』の末尾の曲で、「最後の最後に、なんの希望もなく終わる歌は気分がよくないから」という理由で「希望」とつけられたそうな。)
 
 私の愛してやまない「抱きしめたい」が作られたのも、この時期でした。
 波乱万丈な活動を行ってきたジャングルスマイル。最後のライブは高木さんが「抱きしめたい」という曲を歌った後、壇上から降りてしまうという演出がされました。当の本人は「あの時に本当に音楽活動を終わりにしよう」と思ったそうです。実際この時は声帯結節という病を患っていて、歌手生命が断たれそうになっていた時だったので、メンタルが病むのもやむなしな状態だったわけです。
 
 ただ、結局はその病も克服して、現在は全盛期の時よりもさらに深みのました歌声に進化して、個人活動をされているわけなので凄いですね。
 個人的には高木さんの書く詩と、その歌声、実直な性格が好きなので、今後も高木さんが歌い続けるのであれば、その活動を応援していきたいし、見届けていきたいなぁと思うのです。

 今回はJungleSmileという割とマイナーなグループについての記事を書きました。もしかしたら(もしかしなくても)ジャンスマファンにしか通じない事をペラペラとしゃべっていると思います。
 何の需要も考えてない自己満な記事ですが、勝手に語って勝手に満足しています。

 殺伐としたジャングルのような都会でもいつも笑っていられるようにという言葉は何かを成し遂げたくて、東京という地に足を踏み入れた若者世代に向けた言葉なのかもしれないですね。
 それとも、時代の喧騒に飲まれても、自分を見失わず笑っていられる強さがあればいいねという全世代へ向けたエールだろうか。
 どのような意味であったとしても、私はこの言葉に今日も勇気づけられている。









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