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THE HALO EFFECT / Days of the Lost 【音楽レビュー】

1. Shadowminds                 
2. Days of the Lost                
3. The Needless End                
4. Conditional                 
5. In Broken Trust                
6. Gateways                 
7. A Truth Worth Lying For                 
8. Feel What I Believe                
9. Lost of Our Kind               
10. The Most Alone              
(11. The Path of Fierce Resistance)


スウェーデン産メロディックデスメタル、2022年リリースの1stアルバム。

 メンバー構成は、Daniel Svensson(Ds.)、Peter Iwers(Ba.)、Niclas Engelin(Gt.)、Jesper Strömblad(Gt.)、Mikael Stanne(Vo.)の5人。
かつてIN FLAMESに関りがあったメンバーが集まり往年のメロデスサウンドを奏でているということで、早い段階から話題になっていた。
スーパーバンド、などと呼ばれて鳴り物入りで登場したバンドは大体において、蓋を開けてみればネームバリューばかりが先行して肝心の楽曲はイマイチだった…となりがちだが、果たしてこのTHE HALO EFFECTはどうか??

結果としては、予想を遥かに上回る素晴らしい作品だった!

青春時代に、IN FLAMESやDARK TRANQUILLITYの初期作品でこの手の音楽にハマり、以来抜け出せなくなった身ではあるけど、これは忖度なしにかなりの傑作だと言える。
母国スウェーデンの音楽チャートで初登場1位を取ったというのもそれを裏付けているのでは。

今になって、このメンバーが集結して「あの頃」を彷彿とさせるメロデスバンドを始動させたことは奇跡のような展開。
一方の現IN FLAMESも、直近で公開された新曲はメロデスに回帰しているぽいので、この辺りの動きが起爆剤となって、新たな若手バンドの誕生のみならず解散してしまったバンドが復活したりと、メロデスブームが到来するような予感。SACRILEGE復活してほしいけどDanielが被るから厳しいか…。


1. Shadowminds
最初に公開された曲。高揚感を煽るメロディがフェードインする中、メンバーが集まってくるMVが感動を誘う。この頭のフレーズがそのままサビになっている。歌詞の『Let the now begin today』という部分の“today”がかっこ良くて耳に残る。


2.Days of the Lost

IN FLAMESの4thアルバム『Colony』の"Embody the Invisible"を想起させると話題になったJesper 色の強く表れたメロデス曲。サビのメロディも、Niclasの間奏のギターメロディも、悉く強力!
クールそうな顔のNiclasが一番ノリノリなのが良い。MVの0:55のところで弦楽器陣3人が並んで弾いているシーンがなんか微笑ましい。

3. The Needless End
音色も含めどこか懐かしさを感じるメロディで始まる。このメロディはクセになる!ライヴでのヘドバンの光景が見えそうな、ツービートで疾走するヴァースも最高。寂しげにフェードアウトしていくラストも良い!

4. Conditional
穏やかなギターフレーズから一気にヘヴィに転ずる激アツイントロ。このヘヴィなパートのリズムはIN FLAMESの5thアルバム『Clayman』の"Pinballmap"を彷彿とさせる。サビのメロディがまた良いね!

5. In Broken Trust
Mikaelのクリーンヴォイスはかなり好きなのでこのバンドで封印されてなくて良かった。Wacken Open Air2022の配信をたまたま観たときに丁度やっていたのがこの曲で、クリーンある!と思って安心した。サビで歌メロが中心となる分、ギターのメロディは控えめ。

6. Gateways
一番最初に出来たのがこの曲だそうな。シンプルで抑制のきいたイントロ~ヴァースに続いて、一気に悲しげなメロディが爆発する名曲。勢いはありつつも涙が出そうな叙情性を湛えた3:05~のパートは本当に気持ちが良い!

7. A Truth Worth Lying For
MikaelのクリーンVo.が入るもう一つの曲。こちらはギターもメロディ満載で、サビはどっちを中心を聴いたらいいのか悩む。イントロはDARK TRANQUILLITYの7thアルバム『Character』の"Senses Tied"ぽい雰囲気があり、ヴァースのヘヴィな感じのリフもどちらかと言えばD.T寄りか。

8. Feel What I Believe
終始アップテンポで、アルバム中でもっともストレートなメロデス的カッコ良さが際立つ一曲!MVも非常にかっこいい!

9. Lost of Our Kind
TRIVIUMのMatt Heafyがゲスト参加している、アルバム後半のハイライト的名曲!
イントロのストリングスからすでに只ならぬ雰囲気。壮大で感動的なサビはDARK TRANQUILLITYの最高傑作『Haven』の名曲"Emptier Still"の終盤を思い起こさせた。

10. The Most Alone
全体的にしっとりした雰囲気が支配的で比較的地味な本編ラスト曲。演奏が落ち着いているせいか、反面Mikaelの声にやけに鬼気迫るものを感じる。

11. The Path of Fierce Resistance
日本盤ボーナストラック。これもどちらかと言えばDARK TRANQUILLITYぽさを感じるメロデス的魅力が散りばめられた名曲。本編に収録されていないのが不思議だ。曲順を決めたMikaelの意図からは離れてしまうんだろうが、「らしさ」溢れるこの曲がラストで結果的に良かったと思う。





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