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推しの子 考察 絡新婦の理との類似性

※推しの子と絡新婦の理のネタバレ注意
※2023年6/16時点の考察です






絡新婦の理とは推しの子でアクアが幼少時に読んでいた本である

伏線


アニメでもしっかりと描写され、協賛としてテロップにも出ていたらしい
この事から「出さなければならない理由がある」と考えられる
別にどんな本でも良いのなら分厚い本を読んでるという事実があればいいだけでわざわざ面倒なことになる他社のタイトルを使用する必要はないからだ

書いておかねば、あとからあれはパクリだと言われることを恐れてのことだろう
せめて、伏線として作中に登場させ、リスペクトを示す必要が作者にはあったと考えられる


絡新婦の理:あらすじ

かなり複雑なので簡潔のまとめるのが非常に難しい作品ではあるが
一言で言ってしまえば自分の居場所を作り出そうとした真の黒幕、織作【茜】が家族友人全ての行動をあたかも自分達は自分の意志で行動したのにも関わらず全てコントロールされ、邪魔者と邪魔者ぶつけていき、全て消していった物語である
盤面上の登場人物を全てコマとして扱い、尽く絡め取り操る姿はまさに蜘蛛そのものである
テーマとして売春、女系男系、男女差別といった、昔の話ではあるが一言で言えば男女の闇に切り込んだ作品である
織作茜と黒川あかねが【あかね】と名前が同じだが流石に真犯人の名前が同じなのは拍子抜けだし、年齢的にも黒川あかねが真犯人ということはありえないだろう
また織作茜が次作であっけなく財閥の争いに巻き込まれ死ぬ所から黒川あかね死亡説などもあったが次作であるため関係がないと思われる
あったとしても、あかねではない真の黒幕が死ぬ形だろう

推しの子との類似性

まず殺人の仕方が似ている
ゴローとアイの殺人はリョースケに情報を伝えを唆し、間接的に殺害している
絡新婦の理の殺人も基本的に全てこれである

「種を蒔き、畑を耕し、水を遣りはするものの、何が生るか、誰が刈り取るかまで関知しない」

このスタイルの殺人はまさに推しの子と絡新婦の理の共通項と言えるだろう

またテーマも推しの子が芸能界の闇、家族の闇、に切り込んだのと同じ様に
絡新婦の理も社会的な男女の闇に切り込んでいる

言ってしまえば推しの子は【現代版絡新婦の理】になる可能性が高いと思ったので

以下に理由を述べる

推しの子のまだ公開されてない謎

・何故殺されたのか
・何故妊娠したのか
・父親との関係
・本当の星野アイとは

これらの情報は恐らく最終章の「15年の嘘」で公開される予定の情報であるが
コンセプトが絡新婦の理を魔改造したものが推しの子であると考えて今回は予想していこうと思う

何故殺されたのか


普通に考えればカミキの邪魔になったからゴローとアイは殺されたと考えられるが、絡新婦の理を見た後だとそれすらも手の平の上で操られた感が否めない

カミキヒカルは片寄ゆらをカミキ自身の手で葬っている

これは間接的に殺害するはずの絡新婦的黒幕の行動原理として少しおかしいそれくらい絡新婦の理では多重に人を操っていたからだ
この事からカミキヒカルもリョースケと同じく操られている実行犯の1人であると考えられるので
カミキを誘導した真の黒幕がいるのではないかと予想できる
もしくは黒幕が意図しない所でカミキのコントロールを失い、暴走状態でカミキが片寄ゆらを殺害してしまったならば、次に真の黒幕に間接的に狙われるのはカミキヒカルである
絡新婦の理でも実行犯の暴走によりとばっちりのように被害者が増えてしまった経緯があり、実際のところ現在、彼は映画を通してアクアに殺されようとしている

真の黒幕は物語の構造上、絶対に既に登場しており、全てを俯瞰できた人物に他ならない
つまり社長、ミヤコ、鏑木P、金田一、B小町メンバーの誰かであるが、キャラクターとして登場していないB小町メンバーを真の黒幕とするにはメタ的につまらなさ過ぎるので除外していいだろう
私的にはミヤコか鏑木P、もしくは金田一が絡新婦の理的には真犯人ポジションだと思うので後述する

何故妊娠したのか

考察1でも述べたがララライワークショップが売春、枕営業の温床となっていたと考えられる
絡新婦の理でも学校が売春の斡旋場になっていたことで物語が始まっていくため、いずれにせよララライワークショップが謎の鍵になっているのは間違いないだろう
結果、星野アイはカミキの子供を妊娠し、家族を得るため出産しようと決意するが、売春の斡旋所になっていたとしたならば、黒幕、カミキ共にこれを阻止する理由があるのは言うまでもない
ゴローを狙ったのも、出産の阻止が目的で、死産でショックを受けたアイをもう一度籠絡し、今度こそ完全にコントロールし利用するためだろう

父親との関係

カミキヒカルと星野アイは欠けたもの同士惹かれ合う所があり、傷を舐め合う共依存の関係性でありつつも、ホストとソープ嬢の関係のごとくカミキはアイの行動をコントロールし売春をさせていたのではないだろうか
カミキヒカルが当時15歳であること、カミキヒカルが出産には反対であると予想できることから恐らく避妊具に穴を開ける、ピルを飲んでいなかった等の計画妊娠の可能性が高い
カミキヒカルは11歳の時、恐らく逆レイプで姫川母との子供が出来ているので、相当気を使っていたはずだ
逆レイプでなくても、13歳から性交同意年齢になるため、11歳では合意があっても法律上レイプである
彼も性搾取の被害者であり、有名俳優やプロデューサーと売春や枕営業をしつつ、未成年であることを生かし、復讐のためにスキャンダルを集めていると考えられる
カミキや真の黒幕はそれによってスキャンダルを握り、業界全体に広がった弱みを巧みに脅迫し、カミキは後にカミキプロダクションを作るまでになったのだろう

本当の星野アイとは

絡新婦の理的には所謂星野アイビッチ説が正しいように見えるが、時代も違い、それでは救いがないし、何より面白くない
なので星野アイはカミキヒカルの事も救いたいと思っていたのではないだろうか
彼もまたアイと同じく欠けた存在で愛がわからないが愛されたいと思っており、アイはカミキとの子供を産み、家族を作ることで自分も、そして彼もまた愛を知ることが出来るのではないかという突破口に全てを賭け、
アイドルとしての幸せ、カミキ含めた欠けていない家族としての母の幸せ両方手に入れる事が欲張りな星野アイの本当の願いであり、
ドーム公演後という社長の夢であり、アイドルとしての夢を叶えた後にB小町のドキュメンタリーでスキャンダルを全て暴露することでカミキヒカルの復讐すら肩代わりするつもりだったのかも知れない
そのため業界全体から命を狙われる可能性を考えてDVDを事務所と関係ない監督に渡したと考えれば丸く収まる
これならば復讐のためにあかねを利用したアクアとあかねの対比構造にもなる

フキダシにノイズが走り
キャラクターの全体的に影がつき
まるで二重に重なってるような描写である
過去にカミキとアイで似たような会話があったのではないだろうか

また下の画像からアイはカミキに殺されることをまったく想定していなかったと考えられる

考察1.2は間違っていたかも知れない

なぜならカミキに殺されるかもと思っていれば再現したアイの感情はざわめかないからだ
カミキのことを無謬に信頼していたからこそ、助けたいと思っていたのであろう
出産前に連絡し出産日と病院の場所をカミキに教えたのも恐らく彼女である

また、ドーム公演前に姫川母と上原清十郎が亡くなっているため、彼から姫川母との関係を聞いていた上で同情していたアイは、彼が遂に復讐を初めたのだと考え、彼を復讐から救うためにドーム公演後にB小町ドキュメンタリーでララライワークショップのスキャンダルを暴露し、業界全体から恨みを買い、自分の身に危険が及ぶ可能性があったからこそドーム公演前にカミキと連絡を取る必要があったと考えられる

もしかしたら、カミキは「姫川母との間に出来た子供に会いたいが出来た年齢と夫がいるために会えなくて寂しい」等と言ったこともアイが子供を作った一つの動機であった可能性すらある
なぜなら両親は殺しているが子供である姫川大輝は殺していないし、生まれてしまった後はルビーとアクアも殺そうとはしていない
ルビーに墓前で遭遇した時に「流石君と僕の子だ」と言うほどである
彼は生まれてしまった自分の子供は殺そうとはしていないのである

カミキヒカルを復讐の道から救おうとする在りし日の星野アイだったのかも知れない

ミヤコ真犯人説


彼女には動機があり、神様の真似をして脅迫し、週刊誌に暴露するという凶行を止めることができたが、その後、アクアとルビーを子供として迎え入れてからは口調が変化しタメ口になっている
おかしさには気づいているが殺人を止められなかったので脅威ではないと考えたのだろう
つまり、神ではないと気づいているのだ

そして彼女はアクアとルビーの【母親役】だからである
推しの子では「母親とはこういうもの」という偶像を尽く破壊して今に至っている
その点でミヤコは出来すぎているのだ
彼女が母親役を望んでいたとすると、邪魔になるのは誰だろうか?
本当の母親である星野アイその人である
また彼女は社長にも恨みを抱いていたが、ドーム公演という彼の夢を阻止し、見事事務所から間接的に排除することに成功している

美少年は誰か?

彼女の望みは美少年と仕事することである
そして現在苦労しながらも自分の理想の居場所を手に入れている

美少年を
綺麗目系とガチムチ系でバランスよく取り揃えている


この予想が正しければあとはカミキを殺せれば世間にこの事がバレるのを阻止でき最も得をする立場にいる
何よりサスペンスはもっとも疑わしくない所に犯人を置きがちである

鏑木P、もしくは金田一真犯人説

彼はアイに昔から縁があって仕事を振っていたが田舎から出てきて周囲と馴染もうとしない芋娘になにかの一助になればと鏑木Pも大学の時に入ってたララライワークショップをアイに紹介している
拝金主義の彼としては不自然な行動だがララライワークショップが売春の斡旋場だったとすれば納得がいく
芽が出ないと悟ったアイをそこに行かせカミキに籠絡させ、売春をさせればまだ十分に利用価値がある
しかしそこでアイが妊娠し、出産を決意したとなれば話は別である
ララライワークショップが未成年売春の斡旋嬢であるという事実が暴露されるのは困るため、出産を阻止したいという動機は彼にもある
そうだとしたら全てを知っているカミキが真犯人として殺されるのを願っているのは彼であろう
彼もまたそれなりの居場所を芸能界に確保しているし
実際彼は証拠があると言った途端に映画製作にかなり乗り気である
まだ、金田一も似たような立場なので同上の理由で動機があるだろう


真の黒幕の最後

絡新婦の理の通りであれば、最後まで捕まることもなければ
その事が暴露されることもない
(ただし次回作ではあっさり死ぬらしい)

しかしこれではやはり現代的には面白くないので恐らくだが

許すパターンの採用である


アクアは映画で断罪する予定でありカミキヒカルを誘い出して相打ちを狙っていたが、あかねやルビーによって計画を阻止され映画自体はアイがカミキヒカルを許していたパターンを採用し、あの時殺してさえいなければ望んでいたものは全てに入ったとわからせることで、愛を自覚させ、リョースケ君のように光落ちさせることで全ての自白を引き出すオチだと考えられる
その過程で真犯人すらゲロられてしまい、一緒に捕まるのでないだろうか

補足

絡新婦の理でも呪術としてダビデの星、六角形が登場する

真の黒幕が当初黒幕だと思われた人物を操るために呪術が本当に存在すると思わせる舞台装置としては機能したが呪術的な効果が本当にあったわけではない
宗教的な背景を持つ学園を使い、呪術という嘘を真実だと思わせた

そして推しの子でも六角形の星の目が登場する
人を騙す目 嘘を真実だと思わせる力 役者にとって最高の資質
こちらもまた芸能界という場所で嘘を真実だと思わせる力の象徴として表現されている

ただの表現だと思われ、本当に見えてるわけではないとされた六角形の目の表現が

目を指さしているから
六角形の目の光がリョースケくんには見えていて
星の砂が送られた可能性がある

一部の人には見えていたのではないかという表現があり少し引っかかったため、念のため記述しておく

こちらも目を目視したからこそ「・・・」
となり殺害に至ったのではないだろうか

そして絡新婦の理の真の黒幕である織作茜も自分の状況に絶望していたが地頭が良く、自分の願いを叶えるためのカードが不幸にも手元に揃ってしまったが故に実行した
京極堂曰く「犯罪者と一般人を分かつものはそれが可能な状況や環境が訪れるか否かの一点にかかっている」


ここも京極夏彦節

以上、だから何だと言われそうな共通点ではあるが念のため一応補足しておく

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