【詩の森】592 一人芝居
一人芝居
夜行性の猫は
昼間はよく眠る
僕の部屋のソファーに来て
投げ出した後ろ足に顔を埋めて
のの字の形で眠っている
飼い始めて二年が過ぎた
あるとき
こんな都々逸を作った
ごはん旨いか寒くはないか
答えちゃくれぬ君は猫―――
たまには
答えてくれてもよさそうだが
頑として答えない
いつも涼しい顔で
僕を見ている
きっと満足しているはず
脱走しないでいるのだから―――
やがて自分にそう言い聞かせて
僕のドラマは終わる
僕の心の一人芝居―――
2024.1.23
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