見出し画像

【5日連続FAKE MOTION特集】day5 板垣瑞生インタビュー

放送中のドラマ『FAKE MOTION -たったひとつの願い-』(日本テレビほか)がついに新章突入! スタートを記念して平日5日間連続で出演者インタビューを大公開します!

特集のトリを飾るのは今作で主演をつとめている板垣瑞生。大切な人を守るために、かつてのライバルであったエビ高メンバーと共に「エビ高連合軍」を結成し、戦いを挑む土方歳鬼を演じる。どんな苦境に追い込まれようとも、絆を信じ抜き、愛を求める土方を熱演した板垣に今作の魅力を話してもらった。

画像2

ドラマ『FAKE MOTION -たったひとつの願い-』
(日本テレビほかにて、毎週水曜日深夜24:59〜放送中)

取材&文/吉田可奈 撮影/飯田エリカ

――SEASON2は板垣さんが演じる土方歳鬼がメインキャラクターとなりましたが、最初に台本を読んだときの感想を教えてください。

最初に読んだとき純粋な感想を正直に話すと、一回読んだだけでは理解できない部分もあって……(笑)。

――奇想天外さも今作の魅力ですからね。

そうなんです(笑)。そこも含めて、今作も面白くなりそうだなと思いました。最初の台本は土方の口調が全部敬語だったんですよ。そこにちょっと違和感があったので、監督とプロデューサーさんに「ちょっとゆるくした方が良かったりしないですか?」と提案させていただいて、土方のキャラを少し親しみやすくしたんです。

――衣装もSEASON1に比べて少し変わったように思いました。

上着だけ変わったんです。SEASON1では八王子南工業のユニフォームなので真っ黒だったんですが、エビ高連合軍を結成するのと同時に衣装がチェンジして。真っ黒な中に、エビ高の色が入って、少しカラフルになりました。

画像3

――実際に土方を演じていて、どんなことを思いましたか?

純粋に、すごく面白かったですね。今回は前作とは違い、ダークヒーローのような立場だったので、演じていて気分が良かったです(笑)。正統派の正義の味方ではないですが、影のヒーローのような感覚があったんですよ。自分なりの正義心を持って、天下布武という高校を潰しに行くというストーリーなので、演じていてすごく楽しかったです。さらに、ものすごく強い狂気と、あっけらかんとした快晴のような気持ちが同居しているキャラクターだったので、シーンごとに気持ちを変えて演じていたんです。ずっしりとしたシーンは狂気っぽい土方を演じていたんですが、実はその狂気って、最終的にはいつでも捨てられる感覚であることに気づくんです。その感情を行き来しながら演じるのもすごく面白かったですね。

――森崎ウィンさんが演じるマザー(近藤勇美)に対する忠誠心や愛情がしっかり描かれていて、とあるシーンでは思わず泣いてしまいました。

あのシーンは僕も実際にボロボロ泣きながら演じていたんですが、台本では泣くような指示はなかったんです。でも、久々にマザーに会ったら、役としてSEASON1で助けてもらったときの感情や、やっと会えた、というマザーへの感情が止まらなくなってしまって、涙がどんどん溢れてきたんです。

――本物の涙だったんですね。

はい。すごく幸せでした。あんなにカッコいいお母さんに会えて、まるで子供に戻っちゃうような感覚でした。もちろん、台本にはないので全部アドリブなんです。結果的にちょっとカット数が多くなってしまったのでスタッフさんには負担をおかけしちゃったかもしれないのですが、すごく素敵なシーンになったな、と。その時々に生まれた僕達の気持ちも大事にしてくれたスタッフさんたちだったので、本当に恵まれた現場だったと思います。その分、ちゃんと演じ分けが出来ていたらいいのですが、人ってこんなにも変われるんだということを感じてもらえたらうれしいです。

画像4

――あそこまで板垣さんがボロボロ泣かれているシーンは珍しく感じました。

そうですね。涙が一滴ポロリとこぼれるような芝居は経験がありますが、あそこまで泣いているシーンはそんなにないですよね。でも、土方に目一杯感情移入したからこそ、自然と出てきちゃったんです。

画像6

――吉澤要人さんにお話を聞いた際に、板垣さんから「役としてそこにいればいい」というアドバイスをもらったと話していました。それがすごくいい経験になったと言っていましたよ。

そ、そんなこと言ってないです!

――なんでしらばっくれるんですか(笑)。

恥ずかしいから(笑)!

――あはは。それはどんなタイミングで話したんですか?

撮影中、銭湯が近くにあったんですよ。そこに(吉澤)要人や(田中)洸希と行って、一緒にいろんな話をしたんです。その銭湯をきっかけに、いいコンビネーションが出来た気がしますね。後輩たちがしどろもどろになりながらも土方に付いていく感じも、ベースとしての仲が良いからこそ、いい雰囲気で演じることが出来たんです。監督やカメラマンさんとのコミュニケーションもしっかりと取れていましたし、比較的会話をする時間があった組だったので、ドラマ上では敵チームだったキャストの皆さんともすごく仲が良かったんです。それに、天下布武も敵チームではありますが、共感する部分もあるんですよ。

――誰にでも、ダークサイドに堕ちる可能性はありますよね。

そうなんです。最終的にその人たちをどう受け入れていくか考えたときに、ただ強くて力をふるって暴れ散らかしている人に勝つためにはどうしたらいいんだろうって。結局は相手を受け入れることかもしれないし、叩き潰すことかもしれない。それは分からないけど、勝負だけではない勝ち負けがあるように思うんです。そういった問いかけがいろんな人に伝わってくれたらうれしいです。

画像7

――ちなみに吉澤さんは、板垣さんから急な無茶ぶりをされていたと言っていました。

していないです(即答)!

――あはは。でもそれがうれしかったそうですよ?

……かわいいなあ(笑)。要人と洸希は土方と仲のいい役なので、先輩だからといって僕に気をつかってはダメなんですよ。それだとエビ高連合軍にはならないので、そういう意味で無茶ぶりをしていました(笑)。

――その心遣いが良い雰囲気で伝わっいてくれてたのでしょうね。

そうだったら良いですよね。みんながうれしかったと言ってくれたなら、それが一番です。それに、ここまで役者同士のことを理解しあっている環境で演じられることって、あまりないんですよ。なので、たまに本番中も「要人」「洸希」って言っちゃいそうになっていたんです(笑)。

画像9

――お互いのことを知っているからこそのメリットはどのような所でしたか?

とにかくお芝居がしやすかったですね。“ここは硬く来るな”とか、“緊張しちゃうだろうな”とか、その人の心の動きがなんとなくわかるんですよ。とくに明智役の(草川)直弥は、賢くて素直な明智を演じていたんですが、すごく本人と合っていたんです。明智の、あの真っ直ぐなキャラクターは直弥にぴったりだなと思っていたので、すんなりとお芝居が出来ました。

――役とものすごくフィットしていたんですね。

はい。要人と洸希のコンビが可愛らしいので、相当ピュアな人じゃないとエビ高連合軍にはフィットしないかもしれないなと思っていたので、直弥が明智で本当によかったです。ウィンくんも言わずもがな、その存在自体がマザーですし、荒牧さんや廣瀬さんも、本当に良い意味で役を生きてらっしゃって。敵役にもリスペクトができる方達がたくさんいたので、土方としてもその場にいやすかったです。

画像8

――では最後に、板垣さんの思う「FAKE MOTION  -たったひとつの願い-」の魅力を教えてください。

この物語は間違いなくフィクションなので一見すると奇想天外な表現もたくさん出てきます。でも、本編を観てみると、なんだかスッとナチュラルにストーリーが入ってくるんです。それは、お芝居をするなかで生まれてくるアドリブや、「ここは手を出したいです」「ここは椅子を蹴りたいです」などの役者の意見をたくさん採用してくれた現場だったから、ノンフィクションに近いクオリティで芝居を見せることが出来たのかな、と思っていて。なので、それぞれのキャラクターに感情移入しながら見てもらえたらうれしいです。もちろん、物語的にも、思いっきりふざけていたり、真剣にやるシーンはとことん深く演じたりと、どのキャストも驚くほど振り切って演じています。さらに東京の高校と大阪の高校、それぞれのプレッシャーがぶつかり合って、かなりエモーショナルなものになっているので、その化学反応を楽しんでもらえたらと思います。

画像5


板垣瑞生●いたがきみずき
2000年10月25日生まれ。東京都出身。2014年に映画『闇金ウシジマくんPart2』でスクリーンデビュー。映画『ソロモンの偽証』では、史上最大規模のオーディションを経て約1万人の中から準主役に選ばれ、日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞し話題に。代表作に映画『初恋ロスタイム』『響-HIBIKI-』『ホットギミック ガールミーツボーイ』、NHK連続テレビ小説『エール』などがある。

「FAKE MOTION -卓球の王将-」全8話はオンライン動画配信サービスHuluとdTVにて配信中! またHuluではオリジナルストーリー「湯けむり温泉卓球事件簿」を独占配信中 https://www.hulu.jp/
ドラマに登場する各高校テーマソングは布袋寅泰、まふまふら超豪華アーティストがプロデュース! その楽曲が収録されたシングル『FAKE MOTION -たったひとつの願い-』は2021年2月24日(水)にリリース。
https://www.universal-music.co.jp/king-of-ping-pong/fake-motion-negai/

FAKE MOTION−たったひとつの願い−メインビジュアル

©汐留ヱビス商店街 © FAKE MOTION製作委員会

ここから先は

0字
「TV Bros. note版」は、月額500円で最新のコンテンツ読み放題。さらに2020年5月以降の過去記事もアーカイブ配信中(※一部記事はアーカイブされない可能性があります)。独自の視点でとらえる特集はもちろん、本誌でおなじみの豪華連載陣のコラムに、テレビ・ラジオ・映画・音楽・アニメ・コミック・書籍……有名無名にかかわらず、数あるカルチャーを勝手な切り口でご紹介!

TV Bros.note版

¥500 / 月 初月無料

新規登録で初月無料!(キャリア決済を除く)】 テレビ雑誌「TV Bros.」の豪華連載陣によるコラムや様々な特集、テレビ、音楽、映画のレビ…

この記事が参加している募集

#スキしてみて

523,364件

TV Bros.note版では毎月40以上のコラム、レビューを更新中!入会初月は無料です。(※キャリア決済は除く)