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桐山漣×小西桜子インタビュー【ドラマ「ラブファントム」スタート記念特集】

撮影/飯田エリカ 取材&文/吉田可奈 

本日(5月13日)よりMBSほかでスタートするドラマ『ラブファントム』。スタートを記念して、桐山漣さんと小西桜子さんに撮影当時のエピソードなどを聞いてきました。

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年齢的に王道のラブストーリーはもう縁がないと思っていました(桐山)

――ドラマ『ラブファントム』はとても甘いラブストーリーになっています。おふたりが最初に台本を読んだときの感想を教えて下さい。

桐山 正直、あまりの甘さに驚きました(笑)。開始早々キスシーンがあり、1話につき2~3回はキスをしていたので、ここまでの作品は後にも先にもなかなかないだろうなと思いましたね。

――桐山さんにとってもここまで王道のラブストーリーの主演は初めてだと思うのですが、お話をいただいたときはいかがでしたか?

桐山 正直、もう年齢的に王道のラブストーリーとは縁がないだろうなと思っていたので、すごく新鮮な気持ちになりました。この年齢になって声をかけていただけるのはものすごくありがたかったです。

小西 私はまず最初に原作と台本を読ませていただいたのですが、”THE少女マンガ”という感じのストーリー展開に夢中になりました。私が演じる百々子の純粋さや真っ直ぐさには共感できましたし、世代を問わず楽しんでもらえる作品だなと思いました。

――百々子はびっくりするほど無邪気で不器用でどこか隙のある女性というキャラクターですが、小西さんと重なるところはありますか?

小西 いや~、ないです(笑)! 百々子のようなピュアさは、私にはないのですごく憧れます。それに、1本筋が通っていて、考えるよりもすぐに行動に移せるところは本当にすごいなと思ったので、私もそういった女の子でありたいな、と。

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桐山 僕も人のことは言えないのですが、小西さんと百々子は、抜けているところが似ていますよね。

小西 あはは。

桐山 僕もよく忘れ物をしてしまうのですが、撮影が後半に進むにつれて、小西さんも忘れ物が目立つようになってきて、「あ、こっち側の人だ」と安心しました(笑)。

小西 私はいつも現場で一番のポンコツキャラだったりするんですが、桐山さんがそれを上回るくらいのおっちょこちょいだったんですよ(笑)。忘れ物、かなり頻繁にされていましたよね?

桐山 そうなんですよ。泊まりのロケが多かったんですが、撮影が終わってホテルへ戻るときに、私物を何かしら忘れて帰りそうになったりとか、日常茶飯事でしたね(笑)。

――桐山さんが演じた“長谷慧”は、ものすごく完璧な人物像でしたよね。

桐山 はい。なので、僕とはまったく違いますね(笑)。長谷は一分の隙もない完璧なホテルマンで、”怪人”と呼ばれるくらい完全無欠の人間だと思われているんです。素顔の僕と似ているところは、自分で心当たりがまったくないので、真逆の役をいただいたなと思っていました。とはいえ、原作ファンの方がたくさんいらっしゃる作品に出させていただくからには、できる限りの努力はして現場に臨もうと思い、言い回しや間もそうですが、長谷のホテルマンらしい身のこなしなども意識して役柄に取り入れていきました。

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小西 私も、たくさんの方に愛されてきた作品だからこそ、百々子を全力で演じたいと思って、彼女についてたくさん考えました。ちょっとドジでおっちょこちょいな部分を、嫌味なく、愛らしく表現するにはどうしたらいいのかということを考えながら、楽しみながら演じさせていただきました。

うさぎのドキュメンタリーを観て役作りをした経験は初めてでした(小西)

――監督からはどんな指示がありましたか?

桐山 長谷に関しては、その都度気になったところをディスカッションしながら進められたのかなと思っています。監督には、少女マンガ原作だからこそ、ひとつの画の中で、決めるときは決めるお芝居を意識してほしいと言われたのを覚えています。逆に、僕からも監督にお願いさせてもらったことがあって。それは、長谷を人間離れしたようなキャラクターにはしたくないということでした。いくら”怪人”とはいえ、長谷だって1人の人間だから、孤独な部分や完璧な人間ではない側面を百々子の前で見せることで、人間的な深みが出ると思ったんですよね。だから、そういう部分を意識したかったんです。

小西 私は衣装合わせのときに、監督からうさぎのドキュメンタリーのDVDをいただいたんです。これを参考にしてほしいと言われたんですよ。

桐山 人じゃないんだ!?

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小西 はい(笑)。最初はこれをお芝居に取り入れるのは難しいなと思ったのですが、監督もうさぎを研究していて、目をぱちくりさせる動きや、ぴょんぴょん跳ねる動きを現場で求められたんです。それくらい振り切って百々子というキャラクターを演じればいいんだということが伝わったので、初めて動物を参考に役作りをさせていただきました。

今の自分がいるのは『ラブファントム』での経験のおかげです(小西)

――今までの経験した恋愛ドラマとは違うところはありましたか?

桐山 過去にもキスシーンが多い作品に出演させていただいたことはありましたが、それをはるかに超えるような作品だったので、僕の中にあるひとつの基準が崩れたような感じがしました。他と比べようのないくらい突き抜けた作品になっているんですよ。それに、ドラマの世界観をとにかく美しくキレイに見せるということを制作チームや監督がこだわっていたので、そのなかでお芝居が出来たのはすごくうれしかったですね。

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小西 私にとっては王道恋愛ドラマでヒロインを演じさせてもらったのは初めての体験だったので、ドキドキの連続でした。この撮影の後に、何本かドラマの撮影をさせていただいたのですが、こんなにも熱量高く、何テイクも撮影することってすごく貴重な現場だと気づいたんです。ここで経験させてもらったことは全部、その後の作品に生きていますし、一からお芝居をご指導いただいたこともあり、今の自分がいるのは、この『ラブファントム』のおかげだと思っています。

――今回は年の差の恋愛を描かれていますが、現場でジェネレーションギャップを感じたことはありましたか?

小西 それが、まったく! 聴いている音楽の話も合いましたし、年齢の差は感じなかったですね。

――年上の男性のいいなと思うところはどんなところでしょうか。

小西 落ち着きがあるところは素敵ですよね。大人な対応はクールでカッコいいなと思いますし、包容力や安心感は年上だからこそ感じるものなのかなと思いました。

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百々子や小西さんの、ちょっと抜けているところに親近感を覚えます(桐山)

――桐山さんは年齢の離れている女性をかわいいなと思うのはどんなところでしょうか。

桐山 百々子も小西さんもそうですが、ちょっと抜けている憎めないところは親近感がありますよね。それにつられて年上の男性が自然体になってしまうのは分かる気がします。 

――さて、今作はコーヒーがキーアイテムになっていますが、おふたりがホッとするアイテムがあれば教えて下さい。

桐山 撮影期間のほとんどを地方の古民家をお借りしていたのですが、古民家の2階が控室だったんですね。その向かいの家に猫がいたんですよ。その猫が本当にかわいくて…! 控室に戻るたびにその猫に会いに行き、姿を見てはホッとしていました。ただ、最後まで触らせてはくれませんでしたけど(笑)。

小西 会いには来てくれるんですよね。

桐山 そうそう。2階から向かいのお宅に向かって「ニャー!」と言うと「ニャー」と返してくれるので、会話はできていました(笑)。

小西 私がホッとするのはお菓子ですね。

桐山 どういうお菓子が好きなの?

小西 どんなものでも好きですが、撮影中はコーヒーに合うお菓子を準備していただいていたんです。それがすごく美味しかったので、毎日癒されていました。

――ありがとうございました。さて、最後にメッセージをお願いします。

桐山 『ラブファントム』は原作ファンがたくさんいらっしゃる作品なので、ファンの方の気持ちを考えると、長谷を演じることにプレッシャーを感じていたんです。でも、監督や小西さん、周りのスタッフさん、キャストさんに支えられてこの作品を撮り終えることができたので、すごく安心しています。撮影は2020年の夏だったのですが、一生忘れることはないくらいの現場で。みなさんの熱量や、限られた時間や環境の中でやっていこうという想いが一つになった作品になっています。作品を通して、僕らの想いが伝わったらいいなと思っています。

小西 私も演じる前はすごくプレッシャーを感じていたのですが、桐山さんがおっしゃったように、制約も多い環境の中で、監督を始め、みんなで一丸となって本当に楽しみながら撮影を終えることができました。あらためて、恋するっていいなと思ってもらえるような、ドキドキキュンキュンしつつも、たまにちょっとクスっと笑える王道のラブストーリーになっているので、楽しんでいただきたいと思います!

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【桐山漣】スタイリスト/吉田ナオキ ヘアメイク/江夏智也 ◆衣装協力:LANVIN en Bleu(ジョイックスコーポレーション 03-5213-2510)、AUI NITE 050-1564-2462、wjk 03-6418-6314 【小西桜子】スタイリスト/阪上秀平 ヘアメイク/石邑麻由

<ドラマ情報>
『ラブファントム』
MBSにて毎週木曜深夜0:59〜オンエア中
TVer、huluでも見逃し配信中

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©みつきかこ・小学館/「ラブファントム」製作委員会・MBS 2021

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