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脳幹の白質微細構造はASDの手指運動障害と臨床症状の重症度を予測する

たまには読み慣れない論文を見てみよう。

内容的には私の好みですが、理解できるかどうか…。

Brainstem White Matter Predicts Individual Differences in Manual Motor Difficulties and Symptom Severity in Autism
Brittany G. Travers, Erin D. Bigler, et al : J Autism Dev Disord. 2015 Sep; 45(9): 3030–3040. doi: 10.1007/s10803-015-2467-9

運動障害/運動の不器用さがASDの重症度と関連する、又は予測することは数多くの知見から示されています。

この論文では、Diffusion Tensor Imaging(DTI)を用いて、「白質微細構造」という観点から、構造の破綻や差異について比較検討しています。

手の運動障害/運動不器用さの評価指標としては、

1. Grip strength
2. Finger tapping(10秒間に行ったタップの回数、速度)

ASDの重症度の評価指標及びIQについては、

1. The Social Responsiveness Scale (SRS; Constantino 2002)
2. WISC-III (Wechsler 1991)または WAIS-III (Wechsler 1997)

次にDTIの解析について(あんまり詳しくないです…)

皮質脊髄路(脳幹白質の微細構造)との関連性
1. Fractional anisotropy (FA) :拡散の異方性の強さを表す指標
2. Mean diffusivity (MD):拡散の大きさそのものを表す指標

まぁざっくり見ましょう…

先行研究と同様にASD群はTD群と比較し、微細運動能力の低下を認め、さらにASD群では微細運動能力(特に握力)とASD重症度との関連性が示されました。

加えて、構造方程式モデルにより皮質脊髄路(脳幹白質の微細構造)におけるFAを変数としても優れた適合モデルが示されました(因果関係がある)。

なるほどですね~(ほんまにわかってるのか…)。

臨床的にどう解釈するのかって??
そもそも早産児や運動障害、不器用さの程度によりCST/CRTの特徴がそれぞれあると思うので、身体/運動の評価指標や重症度の程度を類型化していかないとわからんですね。

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