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僕はザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーを二度見て二度メチャクチャになる人


みんなもメチャクチャになろう。寺悠迅です。

※1. ネタバレは含まれませんが、鑑賞後に読むことをお勧めします
※2. この記事は以下の記事が前日譚となっています

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーをもう一度観てきました。

一度目の鑑賞では『思い出で脳がメチャクチャになる』という結果に終わり、面白いか面白くないかも判断できない状態異常を抱えて映画館を後にするハメになりました。なのでリトライしたわけです。

もう一回メチャクチャになった


●スーパーメチャクチャブラザーズ

まず、同じ映画を二度映画館に観に行くことが僕としては大変稀です。それほど衝撃を受けた。一度目は吹替、二度目は字幕という違いはありますし、二度目は初見のお友達と一緒でしたが。

僕が10くらいのマリオ好きとすると、友人は5~6くらいのマリオ好きなので、鑑賞後に比較的冷静な意見が聞けるんじゃないかと思ったんですよね。

その目論見は半分ほど成功です。僕の見立てでは、友人も僕の半分くらい脳を焼かれてたから

一方、僕もさすがに二度目の鑑賞。火傷としては初回の7/8くらいで済みました。蜂だったらアナフィラキシーでアウトですからね。大分有情。


●マリオが好き過ぎない人間が見ても『面白い』らしい

友人からは「怒涛の情報で疲れた」「満腹感がすごい」などの脳焼かれ感想のほか、『面白い』という核心の感情部分も聞き出せました。よかった。

字幕版の方ではお客さんの反応も良かった気がします。上映中結構笑い声が聞こえてた。

僕の方は相変わらず『わかんねえ』です。二度見ても、面白さ云々より知ってる情報で脳が焼けるように熱くなったり、ビリビリする感覚の方が強い。

むしろ、一度目では気づけなかった小ネタに気づけた分、二度目の方が脳への負荷が高かったかもしれません。

これはホントに自慢とかではないんですけど、映画鑑賞後に「映画マリオの
マニアックな元ネタ10選!」みたいな情報を見ても、ぜ~~んぶ知っとる

ネット上からかき集めた集合知ではなく、一個人の脳にそういう知識が全部入ってる状態であの映画を観てるワケで、そりゃあ刺激で脳みそも焼けるでしょうよ。わかってくださいよ!

受けた刺激を声に出して逃がすための応援上映が欲しい。「アアーッ!! アアアアーッ!!!!!」しか言わないの。映画館でマンドラゴラを栽培しよう。


●もしかして……『面白い』とは違うんじゃないか?

頭から煙を吐きながら、極めて冷静なことを言うようですが……「笑える」または「興味深い」的な文脈で『面白い』という言葉を使う場合、この映画って……そこまで面白くはない気がする。

ただ、そんなニュアンスまで考えて言葉を使う人は稀だと思うので、単純な肯定的な言葉として『面白い』を使う人の事をとやかく言うつもりは毛頭ないです。

逆に、常日頃ニュアンスまで考えてる奴は面倒くさい人間で、安易に『面白い』を使わず「素晴らしい」「凄かった」って言うのかも。僕がそうだから。

……まあ、この方は僕と違って凄まじい影響力のある人だから、言葉選びも慎重になるでしょう。面倒くさい側の人間であることも間違いないけど。


●限りなく平坦で高高度の映画

一般的に、物語は浮き沈みのあるほうが良いとされていますが、この映画って極端なそれがあんまり無いんですよね。勿論、全くないわけじゃないんですが。

良いとされる物語がジェットコースター的な高低差のあるものだとしたら、この映画はある程度の高度を維持したまま最後まで航行している感じがする。

図にするとこんな感じでしょうか。「こんな正弦波のジェットコースターは無えだろ」はご尤もですが、イメージ図ですから……


宮本 マリオは根っから明るいというところが大事なのですが、いまの時代は影の部分が求められるじゃないですか。その影の部分というのは言わなくても誰にでもあるわけなので、描かなくても根っから明るいように作ったら、納得してもらえるんじゃないかなと思いました。

映画『スーパーマリオ』宮本茂氏インタビュー。約6年かかった制作の裏側、マリオとルイージの設定、次回作など、制作中に刺激を受けたことやこだわりのポイントなども聞いた | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com (famitsu.com)

マリオの生みの親、宮本茂氏のインタビューでもあえて影を描かなかったみたいなことを仰っている。

ジェットコースターにはスリルが必要だけど、快適な空の旅にスリルは必要ない、みたいなことかもしれない。

するってえと、これはホントに雲の上のボーナスステージみたいな映画ですね。ステージとして面白くなくとも、嬉しさの方が優先されるレベルデザインになってる。


となると、ものすごく、ものすご~~~~~く欲張りですが……スーパーマリオブラザーズに対するスーパーマリオブラザーズ2とか、最近のマリオによくあるクリア後の容赦ない難易度のステージみたいな、スリルを優先したマリオ映画も観たい!!!!!

でもそんな映画だったら多分ここまでヒットしてない! こういうよくないオタクの願望通りの映画って、これはこれで「面白い」から遠ざかるから!


●『面白さ』が解決した今、「頭空っぽにして楽しめる映画」ではなくない?

ところで、なんかこういう映画に対して、褒める文脈で「頭空っぽにして楽しめる映画」っていう評価があるじゃないですか。所謂ポップコーンムービー的な。

マジ????

いや、いいんスよ? 僕も誉め言葉として使うし、そういう映画大好きよ? 

でも、この映画は違うんじゃない? これ「頭がいっぱいになる映画」じゃない?

頭の中で記憶がポップコーンみたいに爆発する映画、という意味ではポップコーンムービーかもしれない。僕に至っては溢れたポップコーンをここに記している次第だし。

この映画を前に頭を空っぽにできるのは、マリオにさほど興味がない人間なはずで、そういう人ならスリルの少ない映画だから楽しめるものではない……はずなんですが……

だって理屈の上では、マリオの通常ステージを遊んだことない人間に、いきなり空の上のボーナスステージだけ遊ばせても、嬉しくも楽しくもない……はずよね?

いや、そういう人だとマリオが飛んだり跳ねたりするだけでも案外楽しいのか……? 映画を観る人としてもゲームをする人としても初心を忘れちまってるから、かなり的外れなことを言っている……?

それとも……また僕は……揚げ足をとったり言葉尻を捕らえたりしているだけなのか……? 「お前パンツ食ったことあるのかよー!」「お前姉ちゃんと風呂入ってるのかよー!」みたいに囃し立ててしまっているのか……?


●結論

おれはイカれたマリオファン。おれの戯言なんてどうでもいいから、君の目と心で確かめてくれ。

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