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事業投資家になって事業支援をしていくべきか悩む

僕は今年46才なんだけど、若い時はがむしゃらになって走ってきたけれど、昨今自分は何にむかって生きているのだろうということをよく考える。

20代中盤でモバイルインターネットに出会って、立ち上げる事業やサービスの多くがうまくいき、市場の成長にあわせてチャレンジする分野を軌道修正させながら、見様見真似で30代も突き進んできた。そのまま40代になっていろいろな環境が変わってきて数年たってはや久しい。

気がつけば、周りにいた古くからの知り合いの多くが起業家になってその後上場したり金持ちになったりした。一方で飽きっぽい自分の場合は、そういったレースからは早々と降りた上で、3回転ぐらい起業というか事業立ち上げを繰り返しているわけなんだけど、どんどん成熟領域になるスタートアップの下の世代からの突き上げを食いながらもやりがいを見出そうと必死な今日この頃である。

こういうときによくあるキャリアステップとしては、かつての部下や可愛がってきた下の世代のエコシステムの中にあえて巻き込まれて、そこで存在価値を見出すパターンだ。最近だと元DeNA社長守安氏が記憶に新しい。

人は一定の歳をとってしまえば、年上から学べることよりも年下から学ぶことのほうがはるかに多い。

下の世代に巻き込まれる方法として、かつての部下に雇われるとか(自分もかつての上司を雇ってきた)、スタートアップの世界ではエンジェル投資など入りやすいものが最近は増えてきた。

ところで、20年間ネット業界を生き延びてきた自分が見るに、昨今のスタートアップ(僕にとってのスタートアップとはレバレッジを効かせて人モノ金を高速回転させて社会インパクトを与えてイノベーションを引き起こしていく主体のことと認識している)は、パッケージ化した小粒投資ものを手堅くやり抜けるものか、スーパーホームラン狙いの二極化が著しくなってきた。

特に後者については世界大戦規模の視点で人・モノ・金の大規模な集中投資が必要か、最低5年間は砂漠に井戸を掘り続ける強いメンタルと長い期間が必要な分野ばかりになってしまった。

自分がこの数年関わってきたクリプト領域においてはなお顕著な現象だ。この分野をやるのに、日本国内という小さなマーケットだけで勝負したり、支援する投資家は、趣味の延長線上という形でヘッジをかけた開発者か、奇人変人だけだ。

かといって、前者のような分野✖️掛け合わせ型のパッケージ化されたsaasでパッケージ起業する若手の会社が多数となり、成熟化しエリートばかりが集まるようになった国内の多くのスタートアップ投資家はそちら側を向いてしまっているという状況だ。

ということで、自分がスタートアップ目線で事業を考えたり支援するためには、中途半端に多少エンジェル投資したところで、二極化するスタートアップの中ではあまりワクワクしない。小粒なスタートアップの小成功を支援したとして自己満足するか、天文学的な低確率のスーパーホームラン狙い(それもマイノリティとして)しかない。

それであれば、結局は自分も主体的に関わっていくしかないということになってきた。もちろんエンジェル投資のようななまやさしいものではない。

投資先は全部「大」成功させるために渾身の力であらゆる働きかけをおこなっていく。若手を「人」として興味を持ち支援するだけでなく、ピンときた事業を絶対に社会のために必要不可欠なものにしていく気概。血の通ったお金の使い方をする。

中でもこれまでの経験値や立ち位置を生かして、クリプト領域のスタートアップ投資をもっと加速度的に増やす。多様なエコシステムを自分なりに構築していきたいと強く思うようになってきた。

既存の国内の多くの投資家でそういったこと(クリプトの世界)にまともに向き合っている人は、Gumiのファウンダーである國光さんなどごく少数の人たちに留まっている。

ということでこのあたりが次に自分がフラッグを立てる方向になりそうである。最初の一歩が難しいところだけど、自分の元部下で起業したり事業を作っている人を支援していくことから始めていくあたりだろうか。

それと、「一人で投資して一人で支援すると、とどうしても一人よがりになるからできればチームで投資していくのがよい」というのも最近わかってきた。忖度のないチームでやったときのパフォーマンスはほぼ失敗していない。

幸にして何度も起業したり、ピボットして異なる世代と20年来仕事をしてきたからこそ、ぼくの周りには実に多様なネットワークがある。これはお金以上に永遠の宝物である。

例えばクリプトの世界を一つ取ってみてもそうだ。その世界では僕は確かに中途半端な部分があるかもしれないが、ネット業界の他の事業立ち上げをしながら、業態転換をしてきたような経験はあまり例がない。(エンタメコンテンツとメディア・プラットフォームを同時にやってきたりとほかにもいろいろ出てくる)

クリプトの世界では当たり前のこと、ネット業界の当たり前なことはそれぞれが違う。どちらかだけが正しいわけでもない。こうしたカメレオン的な経験値や立ち位置を活かしていくのである。

やるしかないのだろうか。

この記事は「投げ銭」記事です。ポジティブにお金が回る仕組みにしてみたいと思いました。記事をおもしろいと感じてくださった方は「投げ銭」をよろしくお願いします。