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早朝カーディーラーは人がいっぱいの巻

リース車のオイル交換で某カーディーラーに来ている。8:00前に着くと「今日は週末の午後か?」と錯覚するほど人多し。平日の早朝になぜこんなに客が?これは車を購入しに来ているのではなく、なんらかのの問題でメンテナンスの必要があるか、またはうちのようにリース車のオイル交換だろう。

以前はベーグルやサンドイッチなど所狭しと並べられ「何でも食べてちょうよ」だったが、コロナ渦でフィンガーフード提供は姿を消している。かろうじてコーヒーや茶がある程度だ。

それにしても待合室(というかショールーム内のコーナー)は人がいっぱい。皆ソーシャルディスタンスを保っているが、これ以上来るとお隣りに誰かが座るという非常事態に。こんな雨の早朝に、おっさんの隣り合わせはいやだ。

アメリカ人はいつでもどこでも飲み食いが得意。病院や警察など「ここでは飲食禁止」の貼り紙がなければ基本どこでもOK。たまに「やめろ」といっているのに食べている輩もいる。アメリカに留学して最初のカルチャーショックは授業中に飯食ってる奴がいることだ。

大学院時代、必ず授業中ケーキやお菓子を食べる女性がいた。「お菓子」と書いたが、チョコレートやクッキーのような、片手でヒョイと口に運べる小さな断片ではない。日本サイズの倍くらいのストロベリーショートケーキを箱からおもむろに取り出し、両手で持って端から音も立てずにきれいにかじるのだ。それはもはや「芸」と呼べるほどの業だった。

なぜ食べてから来ない?よりによってなぜいつもケーキ?午後の授業だったので、昼飯あとのデザートのつもりだったのだろうか?若くて綺麗な娘が大学院の授業中に両手でケーキをかじるさまは、なかな見られない光景だ。

30年近く前の光景を早朝ディーラーで思い出し、ちょっとコーフンしてしまった。

おお、これを書くのに集中していたら、ふと目を上げると待ち客が半分以下に減っている!いいぞケーキのお姉ちゃん(違)。

車屋さんで忘れていた「ケーキお姉さん」を思い出すとは粋な展開じゃないか。

まだ待っている客を観察する。パソコンをいじって仕事している風のおっさんを除いて全員(オレも)スマホを見ている。私の正面に座っているトミー・ラソーダ似のおっさんは、何を見ているのかニヤケが止まらない。孫の写真ならカワイイが、それ以外なら知りたくない😅

私の左手に座る背の低いおっさんは、持参したベーグルを頬張っている。アメリカ人は、がさつなイメージかもしれないが、食べ方はきれいだ。大口を開けて頬張ったりせず、音もなく上手に食べる。そして、これが重要なのだが、必ず紙ナプキンで口の周りを拭く。

トミー・ラソーダはいつの間にかいなくなり、その場所にヘレン・ハントが座っている。ヘレン・ハント最近見ないと思ったら、こんなとこにいたのか。

アメリカに来る直前まで私は広告代理店で某ドイツ車メーカーを担当する営業マンだった。そう、今来ているこの車屋さんだ。直接ディーラーさんと仕事をしていたわけではないが、ショールームに流れる映像やポスターなど制作を担当した。昔ここにいたわが家担当営業マンと仲が良く、私が日本でしていた仕事話で盛り上がったこともあった。彼は全米トップ25に入る優秀セールスマンだったが、ここのオーナーの息子以上の収入がもらえないことに腹を立て、転職した。アメリカではありがちな話だ。それ以来他のセールスがうちを担当しているが、彼ほど優秀な人材に会ったことがない。

早朝カーディーラーで瞑想がとまらない。


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