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１６００年頃、世界で初めての株式会社が設立されました。

それが東インド会社です。

１６世紀中ごろのヨーロッパでは、アジアとの航海貿易が盛んに行われていました。

しかし、大きな船や船員を用意するにはたくさんのお金が必要です。

船が出港した後も悪天候によって船が沈没することもありますし、海賊に襲われる場合もあります。

そうした万が一の事態が起きた場合、大きな損害が出てしまうので、とても商人ひとりでは責任を負いきれません。

そこで株式という仕組みが生まれたのです。

出資者たちからお金を集めて貿易をおこない、儲けが出たら、資本を残して利益だけを出資者（＝株主）たちに分配します。

残った資本は次の貿易の費用に使われます。

少しずつ資本の額を増やして、貿易の回数や量を増やし、事業をどんどん大きくしていきました。

事業が大きくなれば、株主に分配できる利益もどんどん増えていきます。

株主は、出資額に応じて利益の配分（＝配当）を受けることができます。

また、万が一の場合の損害は、出資額の範囲内におさめることができます。

こうして始まった株式会社の仕組みは、現在の株式会社の仕組みと同じです。

ただし、大きく違うのは、政府から貿易上の独占権をもらい、対象地域での行政権や徴税権、それに事業権まで持っていたので、現在の「会社」という言葉から連想されるイメージとはかなり異なっているものだと言えます。

東インド会社は帝国主義の植民地支配の先鋒となり、アジアの途上国を次々と支配していく事になるのです。

おしまい

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