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11 日本人の思考と言語空間を支配し続ける仕組みについて

結果的にアメリカは長きにわたり日本をコントロールするための、日本人の思考と言語空間を支配し続ける仕組みを作り上げたといえます。

『国語改革』と称する日本語の破壊、検閲と情報統制の徹底により『日本は野蛮な侵略戦争をした恥ずべき民族だ』という東京裁判史観を刷り込むことで日本人に意識せざる服従と知的盲従状態を強制した。

日本人はどうなってしまったか?
日本人であるというアイデンティティは希薄となり、日本が『祖国』であるという帰属意識も相対化され、それどころか愛国心を偏狭なナショナリズムとして忌み嫌う傾向が付いてしまいました。

さらに言うと、今日の日本人が『平和』や『人権』という言葉を使う時、そこには『日本の平和』『日本国民の人権』という意識は薄い。
『人類普遍の理想』といえば聞こえは良いが、『日本の視点』を欠いた抽象的な概念でしか理解できず、ある種の記号と化しているのに気づかない。

『日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決めた』

これは日本国憲法の前分の一節ですが、『平和を愛する諸国民』そんなものは本当に存在するのか?
その『公正と信義に信頼して、我らの安全と生存を保持しようと決意』などして大丈夫なのか??

戦後の日本人の言語空間を『閉ざされた言語空間』とズバリ指摘したのは江藤淳先生ですが、まさに言葉と自由な思考を失った日本人は、現実の国際社会の葛藤や軋轢を認識できず、『閉ざされた言語空間』のなかで、ただひたすら空想的平和主義に浸っているのです。

江藤先生の教えに沿って整理すると、『閉ざされた言語空間』の仕組みとは、アメリカ側から見れば、すべてお見通しのスケルトンのガラス張りになっています。日本は常にアメリカによって潜在的『脅威』として位置づけられているのですが、日本人の側から見ると、それは憲法で裏打ちされた鏡張りの部屋のような構造になっていて、外の世界を律している葛藤の構造も実態も見えず、いつも『平和』と『民主主義』という記号を押しいただいている自分自身の姿しか見えない。
この仕組みを戦後の日本に定着させるために検閲は決定的な効果を生み、役割を果たしたのです。

この言語空間を今日まで制度的に維持してきた柱の一つが日本国憲法で、もう一つが教育基本法に基づく戦後の教育制度です。
両者の目的は『日本の弱体化』ですから、現行憲法は、日本人に戦う意志(独立心)を持たせないようになっています。
憲法9条は『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと』日本人に決意させ続ける装置でしかない。

日本を永遠に『米国の脅威』たらしめないこと、そのため日本には交戦権も戦力の保持も認めない。その代わりに日本を守ってやろうというのが日米安保条約という図式になります。
憲法9条と日米安保はコインの裏表です。
したがって『憲法9条を守れ』と言ってる人々は『日米安保を維持しろ』といわなければ論理的にはおかしいのです。
おかしいと感じないとすれば、それは憲法に『地震は来るな』と書いておけば日本は地震に見舞われないと信じこんでいるのと同じことなのです。

ただし、日米安保条約はいつでも日本を抑えるビンのフタにもなりうるのです。
ここは重要です。
アメリカの占領政策とはことほど左様に『平和』や『個人の尊重』『人権擁護』などの言葉で飾りながら、内実として日本人から愛国心を奪う。自立心を奪う。現実的思考を奪う。誇りを奪う。
それらを徹底したものなのです。

次回はマスコミ問題に戻って朝日新聞がどういう変遷をたどったかおさらいしてみようと思います。おたのしみに・・

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