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華氏 119(2018年製作の映画)

Fahrenheit 11/9
鑑賞:2020/12/13、記事公開:2021/3/8
監督・脚本:マイケル・ムーア

大統領選挙がらみで勉強になるかと思って鑑賞。


トランプ批判の映画かと思っていたけど、どちらかと言うとトランプへの支持が集まる過程みたいなものがテーマでした。選挙戦そのものはあんまりテーマではなかった。トランプへの批判は直接的では無いが、暴言のシーンとヒトラーの映像を混ぜている様子で描かれてた。テレビを見ないので、反トランプの人が見ているトランプ像が見れて面白かった。
具体的な題材ではミシガン州フリントでの水道水汚染と、学生による銃反対デモ、学校の先生の給料が低いデモ。これらを取り上げて「民主党がうまく対応できなかったから(将来はヒトラーのような独裁者になる)トランプに票をとられた」という流れ。
相変わらずアメリカ社会のあまり良くない面の話は半端がない。その不幸な出来事も、その不幸な出来事を取り扱うこの映画も、とてもアメリカらしく見える。
学校で起こる銃乱射事件とか、極度の貧困とか本当にやりきれない。悲しい恐ろしい現実もアメリカ。
富や成功や権力が集まれば、それに付随して集まってくるあれやこれやも受け入れなくてはならない。素敵に見えるものが素敵な事だけで成立しているわけではないのだろうと思う。

マイケルムーアさんは相変わらずお元気そう。いくつかわからないけど、相変わらず力強い作品でよかった。
内容に関しては、現地の事情も知らないので知識として。興味深かったのは、あまり言葉での価値付けはなされていないように見える作り方が面白かった。関係のない過去の映像や、誰かの発言を部分的に引用するようなやり方で「論」というよりは、「そういう雰囲気」を作っている。これって結構スゴイテクニックなのではと思ってしまった。

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