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密の正体とこれからの街づくり

おはようございます。山脇大河です。今回は、これまでの街のシステムを振り返るとともに、これからの街づくりについて考えていきます。

今回のcovid-19の騒ぎにより、”密”という考え方が注目を浴びました。この”密”という概念が、街には溢れています。密を回避しようとしたら、経済活動が大幅に制限されたことからもわかると思います。

街中の密なポイントについて考えを巡らせているとき、僕はある仮説を得ました。それは「これまでの、”街”というシステムは密を作るべく設計されているのではないか?」というものです。

電車の改札、プールやテーマパークの入場口、美術館や博物館の入館口などのゲート系。ロックフェスやニコニコ超会議などの祭り系。サッカースタジアムや映画館、舞台芸術などの劇場系。街にはさまざまな設計された密が存在します。

これはなぜなのでしょう?

それは、大勢の人を効率よく管理するためです。

大勢の人を指定した区画に集める。大勢の人から料金を徴収する。大勢の人を一度に楽しませる(サービスを提供する)。

これまでの街はこのような仕組みを当然のものとして成り立って来ました。

テクノロジーが発達していない段階では、それがベストだったのでしょう。 この仕組みを見つけた昔の人は素晴らしい発想の持ち主だと思います。

状況は変わりました。

それでも、これまではコンピュータサイエンスが急速に発展していたにも関わらず、現実世界における街の風景はここ30年でたいして変化していないと思います。それはコンピュータサイエンスが、その内側に閉じていたからだと考えます。しかし、これからはIoTという言葉に代表されるように、コンピュータの力が、現実世界に影響を与え始めるでしょう。街はこれから変わり始めると思います。

では、具体的にどのように変わっていくのでしょう。僕は街のシステムの移行を2段階で考えています。

①機能がオンライン化する
1段階目では、今実際に起こっているように、これまで街で行われてきたことがオンラインになっていきます。これは、以前からあった流れですが、今回の騒ぎで加速されました。

紙幣・硬貨→キャッシュレス決済
紙のチケット→電子チケット
ライブ・講演会→オンラインイベント(VRイベント)
外食→UberEats
映画館→動画配信サービス


②環境処理を行う
2段階目では、環境処理がなされるようになっていきます。ここで言う環境処理とは、コンピュータが人間を認識しこれまで人間がやっていためんどくさい処理をやってくれて、人間がそれを気にしなくてよくなるということです。

具体的に説明します。皆さんはAmazon GOというサービスをご存知でしょうか。これはその名の通りAmazon社が手がけるサービスでアメリカ本土で試験運用されている”(半)無人コンビニ”です。

このサービスの凄いところは買い物から決済への流れです。Amazonのアカウントを持っている人が、アプリを入れたり設定をして、Amazon GOの店舗に入店します。(今はゲートがあって、案内人もいます。)

そして、棚にある欲しい商品をとって自分のカバンに入れて、そのまま店を出るという流れです。

「????」という感じですよね。「なんでそれがOKなの?」という疑問はもっともだと思います。

仕組みを説明します。Amazon GOの店内には無数のカメラが設置されており、商品棚には重量センサーがついています。これらのデータをリアルタイムで統合的に解析し、誰が何を手に取ったのかを識別しているのです。そして、手にとった商品分の代金が、Amazonのアカウントを介して請求されます。

ここではComputer Visionと呼ばれる領域の特化型のプログラムによる画像認識技術が使われています。

これを転用すれば後々、電車の改札などは必要なくなるかもしれません。

(試験運用が始まっているとはいえ、普及するのはまだ先だとは思います。)

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今回は、これまでの街がなぜこのような形になっているのかを考えた上で、これからの街の仕組みはどうなっていくのかを考えました。

僕は、街のシステムがすぐに全て置き換わるとは全く思っていません。どちらもあっていいとも思っています。ただ、今回の騒ぎをいいきっかけとして、より滑らかな社会システムが形成されていくといいなと思っています。

ではでは。


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