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フリーランスになるまでの3カ月+実働1カ月でやった20のこと

もうすぐ1月が終わる。2019年2月で完全にフリーランスになって1カ月が経つ。前職在籍中の準備期間(だいたい3カ月)から現時点まで、やってきたこと20個くらいをまとめておく。

2018年10月(退職3カ月前)

1.ぼんやりと目標を決める
会社辞めて、フリーランスになろうと決める。でも何から始めたらよいか分からなかったので、手帳に「尊敬する人や共感するミッションのために働く」「取材や書く仕事を細く長く続ける」など書いた。会社員の間、お金や数字を目標にしたら何のために続けているのかわからなくなったので抽象的なものがよかった。

2.やらないことを決める
目標以前に、コントロールのきかないことにふりまわされて今の生活を大切にできなくなるのを避けたかった。基本的には家事や休日の時間を切り詰めなくてはならない仕事は、引き受けない。 月の稼働もだいたい160時間くらいを目指すことにした。※後述するがもっと厳密にやらないことを決めるべきだった。

3.プロフィール類をまとめる
個人情報を求められることが増えるので、以下のものを準備した。

証明写真(自宅撮影)/ パスポートの写し / 印鑑のスキャンデータ / 住所 / 電話番号 / 銀行口座の情報 / 経歴 / プロフィール(300文字以内verと字数制限なしver)...etc

これらを安全な状態でどのデバイスからもすぐに取り出せるようにしておいた。

4.アウトプットの拠点を決める
仕事のことばかりツイートするようになるのは嫌だったので、新しい仕事のアウトプット場所をつくる必要があった。ブログでも良かったけど、アカウントだけ持っていて活用法がわからなかったnoteにした。マガジンや仕事依頼機能、プロフィール機能で、わかりやすく自分のことをまとめられるのでありがたかった。

5.過去の実績をまとめる
本業+副業+創作 これまでのすべての仕事を実績(わかりやすいように効果や数字)と共にをKeynoteでまとめた。(以下はその一部)

「ポートフォリオください」と言われたらとりあえずPDFにして渡している。概要と一部の実績をnoteの仕事依頼にまとめて、こっそりと公開した。(この時点ではSNSでは告知しなかった)

あとになって私の仕事依頼を見た鹿くんに「これはLPですね」と言われて、腑に落ちた。情のある文より、自分を商品と割り切って客観的に説明するくらいがちょうどよい。

6.価格表をつくる
自分のスキルセットの整理のためにも価格表は必要だった。全ての仕事をだいたい1時間5000円くらいと考えて、スキルごとに必要な時間を概算で見積もり、価格をふってみた。たとえば取材執筆は4万円、かんたんなイラストや打ち合わせは5000円など。あくまで目安だけれどもルールがあれば交渉もしやすい。

7.フォルダのルールをつくる
書類などファイルの管理はGoogle driveに集約することにした。案件(クライアントごとの子ファイル)/ 請求書(月ごとの子ファイル)/ テンプレ / そのほか の4つでフォルダをつくってみたけど、今のところこの運用で困ることはない。

8.大切な人へごあいさつする
過去の仕事でお世話になった人、これからも一緒に仕事をしたい人に、自分がこれからどういう働き方をするかの簡単な指針を示し(ポートフォリオもくっつけて)先立ってご連絡した。お返事で応援していただいたり、お仕事の相談をいただいたり。これによって、ふわっとした状態が少しだけ具体的になったと思う。

2018年11月(退職2カ月前)

9.お金の勉強をする
お金周りは、フリーになる上でいちばんの不安要素だった。面倒くさくて後回しにしていたけど、勉強しながら図にまとめてみたら捗った。

税金の種類・徴収額と徴収時期・決まり方、確定申告、保険のしくみ。勉強すると「何も知らずに生きてきたんだな...」とこれまでの無知が急に怖くなってきた。会計ソフトのfreeeのアカウントを作って、とりあえず開業届だけ提出した。

10.仕事管理帳をつくる
月ごとの案件と稼働時間、翌月の見通し、売上、取引先一覧を管理するための「仕事管理帳」をスプレットシートでつくった。当月の稼働時間の中には新しい仕事の打ち合わせや経理、移動時間なども含まれるので、バッファをかなり多く見積もりながら、1件あたりの稼働時間と月ごとの稼働時間を入力していった。このシートを眺めていると、自分がいまどこにいてこの先どうなるのか俯瞰で見られるので、不安がだいぶ解消される。

11.がんばってSNSで宣言する
facebookやTwitterで自分の身辺に関する宣言をするのが苦手だけど、これも仕事の一つだと割り切って、フリーになる宣言を投下。フリーランスになっても、ただ働き方が変わるだけのことだし、えらくもめでたくもなんでもない。でも宣言することで、気持ちは引き締まるし、後に引けなくなるし、新しい何かとつながる可能性を感じられたし、まあやってよかったかなと思う。

12.領収書集める癖をつけはじめる
節税対策のために領収書を保管しなくてはならない。ちょっとしたカフェでの作業や会食のとき、領収書を切るクセをつけるようにした。宛名を聞かれたときすぐ出せるように財布に必ず1枚名刺をいれるようになったし、財布にどんどん領収書が溜まるので、毎週金曜日1時間その週のお金まわりをチェックする時間を設けることに決めた。ちなみに領収書はコーナンで買ったこのファイルに溜めている。

13.環境を整える
仕事場は自宅の寝室の一角なので、デスクの上を何もない状態にして、本棚をひとつあけて、書類ファイルをまとめられるようにした。

書類はWORKERS BOX(ワーカーズボックス)を使って、以下の分類でまとめている。

個人情報 / 請求書作成 / NDA・契約書 / 動いている案件 / 銀行 

それからパソコンとiPhoneとwifiを新調しiPadとiPencilとプリンターを購入した。けっこうな出費だけどストレスのない環境づくりは大事。特にiPadは、ちょっとした取材や打ち合わせにPCを持ち運ぶストレスから解放されたので買って大正解。プリンターは請求書や打ち合わせ資料などの出力に絶対不可欠。あとは細々した文具類をそろえた。コピー用紙・朱肉・印鑑・「請求書在中」のはんこ・封筒(2サイズ)・一筆箋・ペンいろいろ・テープのり・切手・クリアファイルなど。テープのりが今のところ一番活躍している。買ったのはコクヨのこれ。おすすめ。

14.名刺をつくる
そういえばフリーになるって決める前に個人の名刺をつくっていた。ペパボの同僚デザイナーせんちゃんにアイコンと名刺をデザインしてもらった。自分の描いた絵をアイコンにすると、すぐに嫌になりそうだったので、あえてつくってもらった。かわいいデザインで気に入ってるし、初見の人に「なんで鳩なんですか?」と聞かれるので、話が弾みやすい。印刷は、歩いて行ける距離にある両国のリズムアンドベタープレスさんにお願いした。初めての活版印刷。コースターみたいに厚い紙に印刷したのは、名刺入れの中でも存在感があるように。

2018年12月(退職1カ月前)

15.請求書のフォーマットつくる
源泉徴収ってなんだ?から入り、理解したところでまずは請求書のフォーマットをつくった。そのほかに定型でつくったものは今のところなし。

16.実際に仕事をしてみる
有給を20日くらいもらってその間にフリーランスの練習をした(ペパボは副業OK)練習といえど、もちろんちゃんとした仕事である。前半はfacebookや仕事依頼で声をかけてくれた人に会って、後半は取材執筆いろいろといったかんじ。20日間の仕事の内訳は、採用サイト関連の取材7本、コーポレートサイトリニューアル案件の取材4本、インタビュー1本、イラスト2本、レポート1本、コラム2本、SNSコンテンツ6本くらい。用意した環境に問題がないか?書くのにどれくらい時間かかるか?どこのスタバが一番落ち着くか?を把握する。

17.経理ソフトをさわる
はじめてfreeeでお金周りのことを入力する。何がなんだかわからないので、口座とカードとsuicaを連携させてみたら、要領を掴めた。会社でやっていた経費精算のような感覚でまずははじめてみる。現金での会計をできるだけ減らそうとか、プライベート用のカードはLINE Payに集約しようとか、そういう気づきを得られた。

18.先輩に話を聞く
2、3人の先輩とランチした。どういう時間の使い方をしているか?保険や節税対策はどうしているか?どんなクライアントがいるか?を聞いた。勉強になるなる。Twitterでも話題になってた「文芸美術国民健康保険 http://www.bunbi.com/」はおすすめされたし、あとは「小規模企業共済 http://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/」もおすすめされた。

19.見積もりをアップデートする
テスト的に仕事をまわしてみると、思いもよらないところに時間がかかること、逆にかからないことに気づく。ボリューム少な目のインタビューなら4、5時間あれば書けることがわかったり、打ち合わせだけで移動も含めてかなり時間がとられてしまうから、極力リモートにしていく必要性を感じたり。これらの気づきに合わせて、価格表と管理帳を調整した。

20.ご褒美を決める
ボーナスもなければ慰労会もない。自分で自分にどうやってご褒美を設定しようか考えたけど、月1回寿司を食べたり好きな服買ったり旅行することにした。いろいろ準備はしてきたけど1月からの生活に不安いっぱいだったので、そわそわしていて、ご褒美がないと頑張れない気もしていた。たぶんご褒美を設定することが、心折れないための糧になる。

以上が2018年10月から12月まで、3カ月でやってきたことになる。

実際に1月から始動してみて

1月は取引先でカウントすると約10件のお仕事があった。内容はさまざまでライティング仕事もあれば、編集の仕事もあり、メディアやイベントのディレクション仕事もあった。あらゆる箇所から自分の未熟な点を気づく一方、思いもよらぬ点で仕事を評価していただいていることにも気がつけた。

幅広くいろんな仕事してみると、自分が興味あるジャンル・やりたいことはそんなに大事ではなくて、仕事はあくまで好きな人のためにがんばるものだと実感した。好きなチームを得意なことで支えることはワクワクするし、それは会社員じゃなくたってできる。フリーになったら、いろんなチームを支えられる。

大きな失敗というか「選ばない方が良いこと」もみつかった。それは誰のためにがはっきりしていない仕事だった。伝言ゲームのような関係性に巻き込まれること・数字に固執するあまり本質的なことを大切にしない仕事は、自分には大きなストレスとなったので、今後距離をおいていこうと思う。(やってみないと見抜けなかったので、後悔はない)いつだって選ぶのは自分だ。何をしたって最後は自分の血肉になる。そう言い聞かせれば、なんだって前向きにやりとおせる。

次の3カ月は

できないことを明確にする
できると思い込んでいたことがたくさんある。できないことは、どんどん人に頼る。そのために仲間を作らないといけない。フリーになったらひとり、と思い込んでいたけど、実際は、フリーだからこそ仲間が必要だった。

もうひとつ、できることでもやりたくないことはできないことにする。やりたくないことまで「できる」と言ってると簡単にパンクする。興味ないことに対して、きちんと興味ない態度をとることは、相手にとっても自分にとっても大切。

断る基準をつくる
一緒に仕事をしてみて、その人・そのチームとずっと付き合っていきたいかどうか、考える。先に書いたように、誰のためかわからない仕事・本質よりも数字を大切にしている仕事は、お断りする。その人に嫌われる恐怖よりも、自分の心の健康をとにかく大切にする。

以上が準備期間3カ月+実働1カ月のメモになる。いろいろ書いたり決めたりしても、結局はなるようにしかならない。ただそうなったとき、誰かのせいにするのではなく、選んだのは全て自分であることを忘れずに、過ごしていきたい。

次は3カ月後くらいに、ふりかえろうと思う。

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