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ごろごろ


平日の昼過ぎだというのに、僕はまだベッドに寝転んだままでいる。
ここのところずっとそうだ。

外は茹だるような暑さで、とても外出する気になどなれない。
カップ麺とコンビニおにぎりで済ませた昼食のあと、スマホをずっと弄っている。

ずっと遊んできたアプリのゲームにも飽きてきたし、ネットニュースにも興味をそそるような記事はない。
それでもスマホ画面をタップし、スクロールして僕は何かを探している。

夕方からは焼肉屋でのバイトだ。
行きたくないな、と毎日思う。
それでも行く。
行かなければ生活が出来ないからだ。


僕は進学高校に通ったにも関わらず、大学にはいかなかった。
就職活動さえ自分からは進んでする事はなかった。
怒った親からは、せめて自分ひとりで生活できるようになれと、家を追い出された。

僕には将来やりたい事など元々なかった。
もちろん今もない。
働かなくて生きていけるのなら仕事なんてしたくない。
だけど仕事くらいしないと、自分は廃人のようになるだろう。
それくらいは解ってる。

いっそのこと死んでしまおうか。
なんて考える事もある。
でも、痛いのも苦しいのも嫌だ。

バイトはそれなりに頑張ってやっている。
家を出てバイト先に着けば、ちゃんとやる気にはなる。

ちゃんとした就職先をみつけるべきだろう。
僕にだってきっと、それなりにはやれる筈だ。
ところが、その先の事を考えると面倒になる。

出世など望んではいないし、結婚して子供を育てていくなんてとんでもない。
そもそもこんな希望もない世界で新しい命を宿すなんて、それ自体が罪なことだ。
僕はそう思う。

気持ちがモヤモヤとしてくると、マスターベーションをすることにしている。
だいたい週に2回くらい。
不毛な行為だが、出しておかないと大変な事をしてしまうかもしれないから。
本当に性欲というのは恐ろしいものだから。
何かしでかしてしまって、刑務所で過ごすのなんて御免だ。



スマホの画面にはネット文庫の広告が映し出されている。
前向きに生きるためのコツが書かれているそうだ。

僕はスマホを充電器に繋ぎ、ベット脇に置いた。
目の奥が痛い。
瞼を閉じる。

汗と体熱でシーツが不快だ。
シーツの冷たい部分に体を移動させる。

バイトまであと数時間はある。
少し寝てしまおう。

僕は念のため、目覚ましをセットしてから浅い眠りについた。




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