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私は生粋の田舎のヤンキーだった話


"田舎のヤンキー"


このワードを見て私が即座に思い浮かんだものは
・キティサン(キティーちゃんの健康サンダル)
・ドンキホーテ
・コンビニ前でヤンキー座り
・自分でブリーチした黄色い髪の毛
ざっとこんな感じです。


大体の人が思い浮かべるのもこんな感じだと思う。
でも今私はこの"田舎のヤンキー"であることをすごく誇りに思っています。



ちょうど一年前、私はとあるアイドルユニットに属していました。
メンバーは同い年のドラマーサブカル系女子、3個下の冷静で頭がよくどこか不思議な大学生、同じく3個下のダンサー上がりラップ好きな今時っ子、私の4人でした。


ある日のミーティングでメンバーそれぞれが自分を客観視して他人に自分はどう映ってるかを知る為に、とプロデューサーが四枚の紙を机に置いた。
そこに書かれていたワードは
・男のロマン
・謎、時々真理
・田舎のヤンキー
・グローバルな女
の4つだった。
この4つのワードはPDから見た私たち一人一人の印象を表した言葉になっていると言う。


「この中でどれが自分だと思う?」

私たちがあーだこーだ言いながら選んだ結果は
・男のロマン→サブカル女子
・謎、時々真理→
・田舎のヤンキー→大学生
・グローバルな女→今時っ子、私
という結論になった。




"印象"という言葉から見た目が一番大きく関わってくると考えて普段の服装や言動をメインに私たちなりに考えた結論だった。

だが、答えあわせをした時、私は大きなショックを受けた。
プロデューサーの答えは
・男のロマン→サブカル女子
・謎、時々真理→大学生
・田舎のヤンキー→私
・グローバルな女→今時っ子
だった。




メンバーは「あー、だと思ってた!」だのなんだのきゃっきゃしていたが私の心境と言ったら
「え?なんで、違う」
「口悪いのも直す努力してるし、行儀もよくしてるつもりなのになぜ、」
「服も好きでいつも服装気にかけたりブランドの話もよくしてるのに、清潔感しかないはずなのに、髪もメンテナンスしてるのになぜだ」


もうとにかく認めたくなかったらしい。
首を縦に振るものか、となんならムキになっていた。


なんて言ったって私が連想した"田舎のヤンキー"は
キティサンでドンキでヤンキー座りの黄色い髪の毛だったから。


やけくそな気持ちで理由を聞いてみると
まず初めてのメンバーと顔合わせだった時、挨拶した後年下とわかった瞬間タメ語になっていたシーンが忘れられないとのこと。
このシーンを見て瞬時に姉御感を感じたらしい。

やってしまった。完全に無意識だった。
当時の私はバイト環境の影響もあり、年下が可愛くて仕方がなくて年下だとわかった瞬間にみんな妹、弟のように面倒見てやりたい!と思っていたのと、敬語で話されるのが嫌いでどうにか早くフレンドリーになって欲しくて年下に「タメ語で話してくれ、私もタメ語で話すから!」のスタンスでいた為にその癖が無意識に出てしまっていたらしい。


そりゃ田舎のヤンキーなるわ。まあいーや。と思っていたが理由はまだ他にもあるらしく、続けて聞いていると
その姉御感から、田舎のヤンキー特有の仲間愛みたいなのがすごく強そうと感じたこと。
自分の後輩は妹同然にめちゃ可愛がるし守りそうなところ。
練習量が足りないんじゃないかと注意した次の日から空いてる日はほぼ毎日練習しにくるようになったこと。
オススメしたものを全部確認してくるばか真面目なところ。
グループのことをめちゃめちゃ考えていること。


なんだこの気持ちは、嬉しいじゃないか。
田舎のヤンキー、ええじゃないか。

もう言葉が出なかった。いや言葉なんていらなかった。
だってめちゃめちゃど直球に私やないか(当たり前)
なんなら、バイトの後輩に対しての感情すらまさに"田舎のヤンキー"丸出しだったのである。


仲間意識が強かったり、仲間への信用が絶大だったり(仲間とは)駆け引きができなくもどかしい関係が嫌いで可愛い後輩には愛をドバドバ注ぎ、尊敬する先輩には何がなんでもついて行きます!スタンスな私。
まさかこの思考が"田舎のヤンキー"だったなんて今まで思いもしなかったのです。
なのになぜか気持ちいいくらいにこのワードが私にカチッとはまったのです。


それから自分が不意に起こす行動に
「あ、めちゃ田舎のヤンキーだなこれ」
「今すごい田舎のヤンキーだったな自分」
と日々の行動を振り返るたびに自分が生粋の田舎のヤンキーだったことに気づかされました。
(生粋のヤンキーとは)


今なんか、それを理解できてから少しずつ自分のことを好きになれるようになってきました。
愛らしくさえ感じる時があります。(きもい)

"田舎のヤンキー"

それはとても愛が強くて、素直で、義理堅い古典的な人のこと。
私はこれからもこのスタイルを崩さずに、自信を持って死ぬまで田舎のヤンキーを貫きたいと思っています。



自分を客観視することは思ってたより難しくて何年生きててもいまだに自分の分かりきってない部分がたくさんあるらしい。
だけど自分は生まれながらに偉人ではあるまい、ウィキペディアで調べたって本屋を探ったって血液型別の本とか星座占いとかそんなくらいしかない。


それで自分はマイペースなんだーとか恋愛には億劫な方なんだーなんて思ってしまったらそうにしかならない。


身近な人や逆に初めて会った人の違いだけで自分の印象はかなり差が出ると思う。
だからこそこの環境では自分はこう見られてるんだな。と分かればもうネタにも自慢にもなんでもなる。

自分をどう面白く思うか、自分の生活をどう面白くするかって結局自分次第だからどうせなら面白い人生にしたい。


だから私は"生粋の田舎のヤンキー"として今後も成長していきたいと思っています。
(もう何の話?)



p.s.属していたグループは訳あって解散という形になり、特に目立った活動はしていないのですが、私にとってすごく深くて意味のある1年間を過ごさせてもらいました。
田舎のヤンキーという称号をつけてくださったプロデューサーのお2人には今でもとても感謝しています。



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