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東京国立博物館・東洋館

3月×日
上野の東京国立博物館(トーハク)へ。
【建立900年 特別展「中尊寺金色堂」】
というのをやっていたが、今日はそっちには行かず東洋館のみ。

これは本館

東京以外の美術館/博物館にはほとんど行ったことがないし、都内の美術館でもまだ行ったことがないところはたくさんあるのだが、今のところこのトーハクの東洋館が一番好き、というか居心地が良い。

まず何と言っても空いている。
もっとも日曜祝日には行ったことがないので、そういう休みの日は混んでいるのかもしれない。
ともかく平日にはこの東洋館と法隆寺宝物館は混んでいたためしがない。

古代エジプトのミイラなど
中国の器

東京国立博物館の構内には、
〇本館(日本の美術・工芸・歴史資料等)、
〇平成館(日本の考古遺物等/それとは別に大規模な特別展はここで開催されることが多い)、
〇表慶館(通常は公開しておらずここで企画展をやる時のみ公開される)、
〇法隆寺宝物館(その名の通り法隆寺から皇室に献納された宝物が展示されている)、
そして
〇東洋館(東洋諸国の美術・工芸・考古遺物等)
があるのだが、大体みんな入って正面にある本館から見始めるし、本館とつながっている平成館にも行く。
特別展を平成館でやっていれば当然そちらに行く。
特別展をやっていなくても本館だけで相当なボリュームがあるので真面目に見て行くとそれだけでもうくたびれてしまう。
それで結局東洋館を横目で見ながら「ま、あそこはいいか」と帰途に就く、ということになる。
日本の博物館に行くのは日本の美術/歴史等に興味がある人だろうから、日本以外の東洋については若干興味から外れる、ということもあるかもしれない。

しかし一度この東洋館に足を踏み入れると、ちょっと圧倒させられるものがある。
東洋といっても西アジア~エジプトあたりまで含む、つまり四大文明を全部カバーしているわけで、地理的にも時間的にも本館とは比べ物にならないくらい幅広い。
あまりに幅広いのでどうしてもごく一部をつまみ食いをするような展示ではあるのだが(分量的には中国大陸~朝鮮半島の割合が多いので特にそれ以外の地域については本当にさわりだけ、みたいな感じにはなる)、それが逆にそれらの奥に広がる圧倒的な厚みみたいなものを感じさせてクラクラさせられる。

青磁輪花鉢(中国:南宋時代12~13世紀)
四季花鳥図巻(中国:清時代18世紀)
ガネーシャ座像(カンボジア:アンコール時代12~13世紀)
土偶 馬(朝鮮:三国時代・新羅5~6世紀)
ハヌマーン立像(カンボジア:アンコール時代11世紀)
西アジア遊牧民の染織
宝慶寺の仏龕群(中国:7~9世紀)

あまりにも幅広い世界を垣間見せられて、しかしそれをきちんと理解できるほどの知識もないので、ただただ呆然として帰る、ということになってしまう。
どこか一点でも興味のあるところを見つけてそれについて少しでも調べてから見に行けばもっと楽しめるだろう、といつも思うのだが、怠惰な性質ゆえ結局なにも勉強せずに、それでもまた訪れる。

土偶 亀(朝鮮:三国時代・新羅5~6世紀)

この日もまた、うろうろと館内をうろつきまわり、ただ呆然として帰途に就いた。

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