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つまらない映画を最後まで観るべきかどうか

「(映画館で)つまらない映画を最後まで観るべきかどうか」
という議論が、Twitterの片隅でちょっとだけ盛り上がっていた。

これについては、人それぞれ考えがある、とか、正解は一つではない、とかではなく、ひとつの間違いのない正解がある。

その正解というのは、

「好きにすればいい」

というものである。
だがまあ、みんなそれはわかった上で、あーでもないこーでもない、と楽しくやっているのだろう。

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私の場合はつまらない映画なら迷うことなく席を立つ。
最速で20分くらいだろうか。
最低限そのくらいは見てみないと判断がつかない気がする。
(最後まで見ないと面白いかどうかなんてわからない、という人もいるが、私はそうは思わない。確かにラストにすごいどんでん返しがある場合に、それを最初の20分で予想できるわけはないけれども、映画の「質」みたいなものはだいたい20分くらいで判断できるんじゃないかと思う。そして質の悪い映画の最後に驚くようなどんでん返しがあったとしても、「へえ」という驚きはあっても映画の評価はあがらないだろう)
どのくらい我慢するかは、その映画のつまらなさの程度や、その日の気分によっても違ってくる。
我慢して我慢して、映画が終わる10分前くらいに「ああもう無理だ」と席を立つこともある。
席を立つことに罪悪感は無いのだが、なるべく周りに迷惑をかけないようにはしている。
いつも通路側に座るので、席を立つ時もそれほど周りに迷惑をかけていないとは思うのだが、それでも気になる人もいるだろうから、それに関してはちょっと申し訳ないと思っている。

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Twitterでは最後まで観ないことに対してかなり批判的な声が多くて、ちょっと驚いたのだが、この話題が盛り上がったきっかけを知って、なんとなく理解した。

そのきっかけというのが、なんとかいう(タイトル忘れた)マンガの中のエピソードなのだが、投資を勉強している男子学生たちのマンガらしく、つまらない映画に見切りをつけて途中で出ることを、投資における「損切り」になぞらえて、途中で出る「損切り力」を身につけよう、みたいな話だった。
単純な損得の問題と、映画の面白さの受け止め方をいっしょくたにした雑なたとえ話で、あーこれは批判が多いのも仕方ないな、と思った。

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映画の面白さには色々あって、

たとえば観ている最中は退屈して、時々うつらうつらしてしまったが、家に帰って思い出してみると、なんだかすごく良い映画だったような気がしてきて、もう一回ちゃんと見なければ、と思って2回目を見に行ったものの、やはり退屈して途中でうつらうつらしてしまうのだが、観終わってから思い返してみると、やっぱりとても良い映画だった気がしてくる、といったような不思議な魅力を持った映画もある。

昔のスターが出ている娯楽映画で、話もありきたりで、主な登場人物が出揃った時点でどういう結末になるか想像がつくような、演技もなにもかも型にはまった感じで予想外の物など全くないような映画なのにもかかわらず、映画全体が艶っぽく輝いているような映画もある。

そういうのはある程度本数を観ていかなければわからないもので、だからまだそんなに映画を観ていない人がパッと「損切り」の判断をしてしまうのはちょっともったいないなあ、という気はする。

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「私の場合はそういうのを色々見た上で、つまらないものを判断しているのだ!」

と一応自分では思っているのだが、自分にも見えていない「面白さ」もきっとあるのだろう。
「損切り」して逆に損をしている場合もあるのかもしれないが、まあでもつまらない映画をじっと見続ける気にはならないなあ・・・。

結局のところ、
「好きにすればいい」
という唯一の正解にたどり着いてしまう、という話なのだけれども。

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