うつ病の母と、見守る娘。2

この辺は毎日キツすぎて断片的にしか覚えていないので箇条書きで。

・父が浮気をしている、と言い始める。理由は女からLINEがきていたからだという。父に問いただすと機械音痴である父は電話番号を知っている人なら誰でも友達登録ができる状態になっていて、それを悪用する業者(女名義)から無作為に送られてくる迷惑LINEだった。もちろん私が再設定をして、母にこういうことだと説明しても納得するわけもない。父と同じ空間にいたくないというので私の部屋でしばらく一緒に寝ることに。

・血まみれでボロボロの障子の写真が送られてくる。急いで帰ったら家中血糊まみれ。本物の血ではなかった。そして廊下に油性ペンで父への呪いの言葉がたくさん書かれている。私は泣きながらそれを全部拭いた。

・母なりに落ち着こうと努力したのだろう、写経を始めた。でもその写経途中に「呪」の文字だけを書き続けているのをゴミから見つけた。そして写経の半紙をマッチで燃やす。火事になるのではとハラハラした。

・いつからかリストカットのようなことを始めた。そしてその写真を私に送ってくる。といっても怖いのか深く切ることはしないのでそれは救われた。カッターをたくさん買ってくるのでそのたび回収した。

・以前は全く飲まなかった酒を大量に飲むようになる。

この頃、良い病院が見つかり通っていたが、母は自分の症状を覚えていないのか隠したいのか、話さない。だからまったく症状が改善していかない。ちゃんと先生に言わなきゃだめだと母に言ってもわかってもらえない。そうこうしてる間に母は飛び降りをしようとした。もうさすがにだめだと思い、私は嫌がる母を差し置いて、病院に同行した。
病院でいつも通り母の診察が終わったあと、母に診察室から出てもらい、私はこの一週間母がなにをしたのかメモをした紙を先生に見せた。辛くて辛くて、私は言葉を出すことができなかったのでメモに全てを書いた。それを見た先生はさすがプロである、顔色ひとつ変えずにいつも通りの優しい口調で「お母さんをもう一度呼んできてくれる?あとこれを見たということを伝えても良いかな?」と聞いてきたので、私は頷いて嫌がる母を無理やり病室にもう一度連れてきた。
そして先生は「だめじゃない〜、苦しそうだね、薬を変えよう。あと娘さんにこういうことしちゃだめだよ、手首も見せて。あらら〜もう痛いでしょう〜こんなことして〜」と。私はとにかく涙が止まらなかった。私は誰にも相談ができないでいたので自分で思ってる以上に追い込まれていたのだとこの時気づいた。
診察を終え、黙って号泣する私を見て母は「なんであんたが泣いてんの」と言ってきた。

それから私は逃げちゃいけないと思い、うつ病を勉強することにした。
うつ病の人の気持ちを理解しようと実際に今うつ病で苦しんでいる人のブログを読んだり、うつ病の身内を持つ人の本を読んだり。
中でもとても救われたのは「うつ病の妻に僕のしてあげられること(山田文夫著)」と「ツレがうつになりまして。(細川貂々著)」。これを読んでいた当時の記憶が本当に曖昧で内容をほとんど覚えていないのだけれど、すごく救われたという記憶だけは残っている。私と同じようにうつ病の身内に悩んで苦しんでいる人にはぜひ読んでほしい。

続く。次は具体的に私がどうしていたのかを書こうと思う。

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