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嫌いになる旅へ

旅の好きな友人と、「行けば行くほど嫌いになる場所ってあるよね」という話になりました。

ふむ、言われてみれば。明らかに好きではないのに仕事があったり、乗り換えの都合が良かったり、なぜか縁があったりして何度も訪れてしまうところって確かにある。それでまた悪いところばっかり目について、嫌いになる場所。

その友人の場合、そこは香港だそうで。

香港。

僕も何度か行ったことがあります。

最初に香港に行ったのは10年以上前。アジアには東京以上の都会は無いと信じていた僕は、日本の首都以上にキラキラして金と活気にあふれている街を見て吃驚仰天したのを覚えています。

その時の衝撃が忘れられなくて、香港の嫌いなところなんて考えたことが無ありませんでした。常に香港は魅力的なカオスとして光り輝いていました。

そう、香港といえば混沌。

「混沌」って、要は良いところも悪いところも全部含んでるということじゃないですか。つまり僕は香港の嫌いになりそうなところをポジティブに解釈していただけの可能性が高い。

折よくなのか悪くなのか、地方議会選挙直前の2019年の11月の香港はデモの嵐が吹き荒れていました。逃亡犯罪人条例をめぐるデモはすでに目的を失い、泥沼化し、外務省の危険レベルが1に上がり、そして航空券の値段は急落しました。往復で買えば帰りのチケットは10円です。

様々な要因から「あ、今行くといいんじゃないかな」というタイミングは旅行が好きだとすぐに分かるでしょう。それを人は「呼ばれている」と表現します。

僕は香港に呼ばれた気がしました。今こそおまえの嫌いなところを見つけに行こう。そして運賃10円のLCCで帰って来よう。

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LCCでしかもバーゲン料金のため、一泊目は空港で野宿です。

次回につづく

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