宮田峻輔

株式会社SKIKATTE代表。投稿は全てHIPHOPです。

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【心理学的考察】R-指定にとっての「HIP-HOP」とは

 Creepy Nutsの武道館公演。私は初日に参加したのだが、Rの放った「ある一言」が耳から離れない。 「HIP-HOPとはなにか」  その答えが、ある種の完成に到達しようとしている。  心理療法には、ナラティブセラピーという領域がある。自分の実体験(物語)を肯定的に語り直すことで、心的外傷などを軽減するという精神治療の一つだ。  しかしこの「語り直し」行為は、ただ無理矢理自分の実体験を肯定的に捉えなおせばいいというものではない。あくまで実体験は偽らずに肯定的な視点か

    • もし余命が3年だったら就職してない。Go-Aheadzに参加して考えたこと

      POP YOURSの後を追うように、2024/4/6(土), 7(日)に初開催されたHIP-HOPフェスのGo-Aheadz。 筆者はDay1に参加したのだが、色々考えさせられたのでHIP-HOP療法的に言語化を図ろうと思う。 Go-Aheadz。 序盤のWez Atlasのアグレッシブなパフォーマンスや、SKRYUのぶっ飛んだエンターテイメント性などはかなりアガったものの、 同じ初開催で比べると、筆者も参加した2022年のPOP YOURSに対しては、客の入りも含めてどこ

      • 【卒論コピペ】心理的効用から見るラップの真正性とリアル

        高校の時から自分なりに向き合い続けたHIPHOPについての論文で、心理学的観点からHIPHOPの存在意義を考えています。 読んでくれる人は目次をご活用ください。 本編は1章2節からで、革新性があるのは2章からです。 3章ではCreepy NutsやEminem等の実際のラッパーについて書いているので、3章から読むのもとっつきやすいかもしれません。 「はじめに」は自分の立場を明らかにする意味があるけど、読まなくて問題ないです。 また、昔書いた以下の記事の方がサクッと読めます

        • すずめの戸締りに登場する"5つの要石"について【読解】

          表題の通りです。まだ見ていない方はお控えください。 まず一つ目の要石はそのまま、ダイジンです。 日本の地震を、プレートの歪みから生まれる "ミミズ"を抑え込んでおり、彼がいなくなることでミミズは表出しました。 二つ目の要石は、すずめです。 すずめから「うちの子になる?」と言われたダイジン同様、 おばから「うちの子になる?」と言われたすずめは、おばにとっての要石でした。 彼女が家出をしたことは、おばの要石がなくなることと同義です。 だからおばは、要石であるすずめがいなくな

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        • HIPHOP論考
          4本

        記事

          山月記は実話であり、HIPHOPである。

          みなさん、山月記って覚えてますか? 高校2年生の国語で読んだ方もいらっしゃると思います。 中国の詩人が虎になる物語で、「その声は我が友、李徴子ではないか」というセリフだけやたらと有名。 漢文みたいな読みにくい文体と、人が虎になるという意味不明な内容から、ただテストだけ適当に済ませた方も多いと思います。 でも、それはあまりにももったいない。 なぜならあの小説は、中島敦に降りかかった実話を描いた物語だから。 本稿では、中島敦の山月記に人生を変えられた私が、あの作品の魅

          山月記は実話であり、HIPHOPである。

          【チェーンソーマン】ポチタは藤本タツキ自身【読解】

          『私がデンジの夢の話を聞くのが好きだった』 『私の心臓をやる』 『かわりに……』 『デンジの夢を私に見せてくれ』 これはポチタではなく、藤本タツキ自身のセリフだ。 脳内で何人もの主人公を乱立させ、好き勝手動く彼ら一人一人の夢の話を思い描く中で、一番好きなのがデンジの話だったのだろう。 だからタツキはデンジを実際に漫画にし、命を与えた。 自分の時間を使ってデンジの肉体を脳内ではなくこの世に芽吹かせた。 つまり、心臓をあげた。 そして実際にデンジはキャラの中でも好き勝手

          【チェーンソーマン】ポチタは藤本タツキ自身【読解】

          自己分析

          リクルーターの方に送るために自己分析の結果をまとめていたら小説っぽいものが書き上がっていたので、せっかくなので残します。 ◯自己分析について 幼少期〜高校の途中までを振り返りまして、複数の核が見つかりました。 ①自分の勝てる土俵を広げていきたい。 ②“キョロ充”になりたくない。 ③自分の生きた証を世に残せなければ死んでも死にきれない。 →夢:最強になり、生きた証を残す。 ①自分の勝てる土俵を広げていきたい 自分は幼稚園のころ「消防自動車ジプタ」「のろまなローラー」の2

          自己分析

          情報商材のweb広告は『Tinderのやり捨て』で、コカコーラのテレビCMは『笑顔の挨拶』だという話。

           なぜweb広告は鬱陶しいものが多く、コカコーラのテレビCMは素敵なものが多いのだろうか。  結論から言えば、『粗利の違い』である。  web広告のバナーといえば、顧客が見ているwebページの視界を遮り、「何%の顧客満足度!」という数字を使った訴求や、バンドワゴン効果やカリギュラ効果、カクテルパーティ効果などを多用したキャッチコピーが使われ、嫌でも目を引くデザインがされている。  これは、クリック率を高めるためという非常に下層のレイヤーに目標指数が設定されているからである

          情報商材のweb広告は『Tinderのやり捨て』で、コカコーラのテレビCMは『笑顔の挨拶』だという話。

          【入ゼミ選考課題】オウンドSNSにおけるコミュニティ形成を目的としたコミュニケーション戦略の現状とこれから

           広告回避傾向の高まり (佐藤達郎, 2010)を受け、統合マーケティングコミュニケーション (姜, 2019)を前提としたクロス・メディア戦略 が重要視される (河内俊樹, 2021)中、本稿では技術的発展と浸透度の向上から、今後さらに重要度が増すであろうソーシャルネットワーキングサービスのオウンドメディア的利用について、特にコミュニティ形成を前提としたコミュニケーション戦略について洞察したい。    現状、SNSのオウンドメディアとしての活用や、他のオウンドメディアのコミ

          【入ゼミ選考課題】オウンドSNSにおけるコミュニティ形成を目的としたコミュニケーション戦略の現状とこれから

          石鹸ポスターのキャッチコピーから武力的紛争を引き起こす方法

          【石鹸ポスターのキャッチコピーから武力的紛争を引き起こす方法】  自己分析をした結果、人生の研究テーマが上記に定まりました。  石鹸のポスターから戦争を引き起こす方法。  人間の認知から順番に研究を重ねれば、これは再現性のある普遍的なプロセスとして導き出せそうです。  今見えているプロセスはまだ穴ばかりですが、つまり穴が認識できました。  それを埋めるためにどの分野を学べばいいか、問いを立てられそうです。  今見えているプロセスは以下です。  まず人間の認知を司る学問が

          石鹸ポスターのキャッチコピーから武力的紛争を引き起こす方法

          【奴隷文学からのHIPHOP考察】ヒップホップの社会的効用について 〜共同体的自伝的記憶の再解釈による民族アイデンティティの回復を目的とした“ネオ・ナラティブ・セラピー”としてのネオ・スレイヴ・ナラティブ比較〜

           HIPHOPが社会に与える影響を見るべく、奴隷制に生まれた文学作品から思索を広げたレポートです。かなり骨太なので読める人はいないと思うけど、提出時に文字を削らなきゃいけないので、ここに全文を供養します。  本稿では、奴隷制を直接体験したことがないアフリカ系アメリカ人作家による奴隷制体験記である “ネオ・スレイヴ・ナラティブ”である4作品、『地下鉄道』『ハリエット』『ナット・ターナー』『地図になかった世界』を比較するために、まずその成り立ちと表現的性質からネオ・スレイヴ・ナ

          【奴隷文学からのHIPHOP考察】ヒップホップの社会的効用について 〜共同体的自伝的記憶の再解釈による民族アイデンティティの回復を目的とした“ネオ・ナラティブ・セラピー”としてのネオ・スレイヴ・ナラティブ比較〜