みずほ本を読んだら想像を超えていた

こちらはジャンルなしオンラインもくもく会 Advent Calendar 2023
9日目の記事です
https://adventar.org/calendars/8821
まだ参加されていない方は、お気軽にもくもくしに来てください




皆さん大好きみずほ銀行の本を6冊読みましたので、あんまり詳細な中身を書いていいのかわからないのでぼんやりと感想を書きました。
興味がでたら是非読んでみてください。
また、別の本や、意見がありましたら是非教えてください。








1冊目
システム障害はなぜ起きたか
みずほの教訓
(障害1回目発生後)

https://www.yodobashi.com/product/100000009000150532/

2002年4月頃に障害発生した時のお話しの本です。

SSDもないであろうこの時代に、1日1200万件(単純計算で秒間139件)の口座振替(公共料金などの毎月の引き落とし処理など)と、並行してオンライン(ピーク時は秒間1000件)も動いており、それを捌けるのは勘定系はすごいなと感じました。

口座振替処理は海外ではあまりないらしく日本独自処理らしいです。
海外行ったことないので本当かどうかわかりませんが、クレジットカード文化とのことで口座振替はないんじゃないかとの話しを聞きました。

みずほの前にUFJもやらかしていて、そっちの話しも少し載っています。

良いこと言ってるなと感じたのは下記のような内容でした。
・トップが舵を取るために体制を整えて、全体を把握しなければならない
・業務の方向性を決めてからシステム化に取り組むこと
・ブレない要件定義
・テスト、検収はしっかりやる








2冊目
システム障害はなぜ二度起きたか
みずほ、12年の教訓
(障害2回目発生後)

https://www.yodobashi.com/product/100000086600294432/

次は2011年3月頃に発生したシステム障害に対する本です。

半分くらい1冊目の内容の使いまわしで残念でした。

運用オペレータの評価として問題発生させなければ評価して、問題が発生した場合も無駄に責めたりしない環境作りをすることが大切だなと感じました。








3冊目
みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史
(障害3回目発生前)

https://www.yodobashi.com/product/100000009003249529/

2020年2月18日発行の本で、MINORIがリリースされ、まだ3回目障害が発生する前の本です。

また半分以上過去の本の内容と同じだったのでこの1冊買えば古い本は買わなくてもよさそうです。

システム障害の話しではないので、1,2冊目とは違い、ユーザー教育についてや、移行の話し、APIゲートウェイの導入、勘定系ではない情報系の話し(ほんの少しですが)など様々なお話しが出てきて面白いです。

この本の一番熱かったところは、「三度目の大障害は起こりませんか?」の回答に「あってはなりません」と返しているところでした。
システムの運用の難しさを目一杯味わえます。








4冊目
ポストモーテム
みずほ銀行システム障害
事後検証報告
(障害3~13回目?の話し)

https://www.yodobashi.com/product/100000009003548415/

この本がみずほシステムについて最強の解説書だと思います。
心臓の弱い人は読んではいけません。

運用軽視による人員削減、運用担当者への引継ぎ漏れや、対応の悪さなどなど、運用担当への教育の大切さをこれでもかというほど障害を通して教えてくれます。

ログの監視体制、運用担当の教育、日ごろの訓練、ハードウェアの交換時期、企業ごとの役割の取り決め、法令違反などなど自分の企業は大丈夫なのかととても不安になり、似たような事故を起こさないよう確認が必要だなととても感じれてシステム屋の皆さんがより成長できる良い本です。

何よりSymfoware使っててディスクにキャッシュアウトされなかった件はOracleDBだったら問題なかったのではないか是非試してほしい








5冊目
メガバンク銀行員ぐだぐだ日記
(システムではなく銀行員の話し)

https://www.yodobashi.com/product/100000009003605261/

この本ではM銀行の話しと書かれてますが、おそらくみずほ銀行のお話しだと思われます。

銀行員のお話しなので今までの4冊と見方が違って、システムを使用する側からのお話しで新鮮でした。

システム障害発生時についても、本部の対応のダメっぷりや、障害発生により様々な影響が出てその対応など現場ではどうなるかという一面が見れて面白いです。

特にシステムが関係のないみずほならではの文化や、いがみ合いなどドラマみたいなことをやっていて中々大変そうでした。

この本を読んだことにより、私の職場にいる嫌な人が別に普通の人なのかもしれないと錯覚するほど常軌を逸してました。








6冊目
みずほ、迷走の20年

https://www.yodobashi.com/product/100000009003572553/

システム的な話しも簡単に載ってますが、ポストモーテムの方が詳しいです。

それ以外のみずほの体制、政治の話しを交えての銀行業界の立場や、竹中平蔵との戦い、世界の銀行との比較、今後の展望などシステムの枠を超えてもう少し広い視野での話しがメインとなります。

とりあえず、内容自体が難しくて私にはレベルの高い本でした。

この本で一番驚いたのが、従業員10人強の国産ベンチャースタートアップ企業のpring(プリン)設立に携わった1社がみずほで、プリンは米グーグルに買収されてしまいましたとあり、そんな買収されるような小型ベンチャー企業があったのかと驚きました。







まとめ

みずほ頑張れー


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