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【NJSLYR】ナイト・エニグマティック・ナイト【第二部感想 #13】

「知ってる? ファイヤーウォールを破られる瞬間ってキモチイインダヨ」

内向的な暗黒ハイク少年と彼に執着するカルト教団少女は運命に翻弄された逃避行の果てに追い詰められてしまう。今際の刹那、少女は相互LAN接続で地平線の彼方へ飛ぼうと試みる。

夏休み忍殺劇場
君となら僕は地平の彼方まで飛べた。

『ナイト・エニグマティック・ナイト』

ニンジャ、ニンジャ、ニンジャ!
殺人チョップ、寸断キック、制裁パンチ!
学校や家庭への不満を晴らすべく夜な夜なニンジャセッションに明け暮れる内向的な少年ナブナガ・レイジはハイク・メジャーデビューにまつわる罠にはまり世界の真実の一端に足を踏み入れてしまう。残酷青春ジュブナイル開幕。

あらすじ

ナブナガ・レイジはハイスクールの片隅にうずくまり暗黒ゴシック・ハイクをしたためる毒虫(フリーク)である。1年前に父親がカロウシしてから彼は向上心を失いクラスにも馴染めなくなった。唯一の拠り所であったハイクの聖域までジョックに踏み込まれたレイジは全てに絶望し、夜な夜なニンジャ装束を着込んでセルフニンジャセッションに励むのであった。ホドホド、ホドホドにせよレイジ!

登場人物

ナブナガ・レイジ(のちのシャドウウィーヴ)

暗黒ハイクに魅入られた少年。プロのハイク職人を目指して危険なスラム街アンダーガイオンに出入りをするが芸能関係自称者の目当てはレイジがもつカネだけだ。

ヨモギ

過激派サイバー教団ペケロッパカルトの少女。LANケーブルウィッグを振り乱しガスマスク姿でレイジの周辺を嗅ぎまわる生粋の恋する少女。レイジとのLAN直結を夢見ている。

レビュー

思春期の少年少女を取り巻く暗黒のマッポー社会と一瞬のきらめきを見せる恋の瞬間や真の芸術へのアコガレを切り取った青春ジュブナイル。ジョックのカネモチは強いが、腹にくくったちっぽけなプライドのためにもレイジは負けるわけにはいかないのだ。がんばれレイジ!お前のハイクは本物だ!と思わず熱が入ってしまう。

未来へ

物語は終盤に急激な変化を迎える。
青春ジュブナイルが突然の出会いにより、暗黒ニンジャムービーへ変化してしまうのだ。師匠(メンター)ブラックドラゴンに導かれ少年はニンジャとなった。彼の向かう先は果たして獣か俳人か。

初心者にもオススメ

ニンジャスレイヤーシリーズの「副主人公」の一人であり、読者が感情移入しやすい比較的常識的なニンジャとして知られるシャドウウィーヴのオリジンエピソードである。彼の辿ることになる足跡を追うだけでも一大サーガであり、彼の生い立ちを知るほどに青春の残酷さを味わうことができるだろう。ニンジャとしても人格面でも伸びしろがあり期待のニュービーだ。


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