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たのしい労災「Human Fall Flat」

労災はよくない。

労災。現実世界で発生したら目も当てられない悲惨な事故。
それでも、夢の中ならいくらだってたのしく労災できる。
「Human Fall Flat」はそんなゲームです。

ふにゃふにゃふにゃ太郎の冒険

主人公はボブと呼ばれるふにゃふにゃふにゃ太郎を操って夢の世界の大冒険へ出かける。妙に電気や鉄道や歯車やコンベアや重機が多いので現実世界のボブはきっと重機人間なんだろうな、ということがうかがい知れます。

この世界でのボブは夢見がちなので基本的に操作は夢遊病者的なものになります。まっすぐ歩けず、モノをもつのにも一苦労、やっとものをつかんだと思ったら間接が180度逆転して、あらぬ方向へ向かう、棒をつかんだと思ったら仲間に天狗の国へ連れていかれる等々......楽しくも無情な世界観でストーリーが進行していきます。

特徴的なのはジャンプと手指の操作。視点を上にしたり下にしたりすると手が上げ下げできるのですがジャンプして崖に飛びついたりするときには、真上を見上げながら足元を見ないで決死のジャンプ、が求められます。ボブに適切な身体操作を求めてはいけません。良くて寿司折を抱えた酔っ払いのおじちゃんです。おまえはこいつを出口まで連れて行かなければならない。

今日も一日ご安全に!

ボブは不死身なので大抵の事故に耐え抜くことができますが、それでも不慮の事故で進行不能になってしまうこともあります。

扉に挟まれたり

電車に挟まれたり

盛大に事故ったり

色々大変な労災に巻き込まれていくわけです。

とりあえず、しばらくの間は不器用なふにゃふにゃ人間の盛大な労災ぶりで大笑いできることでしょう。

パーティープレイに最適

そんなわけで「Human Fall Flat」はマルチプレイに最適です。
何人かで集まって交代しながらお互いのへたっぴさと力技でクリアしてしまうゆるいゲームバランスを楽しむとよいでしょう。

しかし、それも最初の数ステージまでです。パーティでのカジュアルプレイに引っ掛かりを感じるようになったらそこで止めておきましょう。

地獄の高難度ステージ

「Human Fall Flat」は間違いなく意欲的なゲームなんですが、身体操作の不器用さがステージ難易度に直結するという重大な欠点があります。ミスを多発させてプレイ時間を水増しさせる。つまりストレスがたまるんですね。謎を解けばクリアできるというデザインにはなっていません。

次第に激化する難易度、理不尽な仕掛け、繰り返す投身。ふにゃ子ふにゃ夫の状態で連続ジャンプさせるバランスはどうしてもストレスが溜まっていきます。

最終的には公式で推奨している「直登」でどんな障害でも駆け抜けていくというのが最適な攻略手段になっていきます。

直登
壁に片腕で捕まった状態で身体をブランコのようにゆらし交互に片手で壁をつかんで乗り越えていく。こんなのゲームじゃないわ!!

未来へ

そんなわけで、笑っていられる最初の数ステージは傑作。
ストレスのたまる後半は劣悪という両極端な評価となります。

ご家族でスナック感覚で遊べるソフトをお探しの場合はオススメです。

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