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【逆噴射ピックアップ】後半戦のお気に入り作品 18作品 [10.21-10.31]

前回

よく来たな。お望月さんだよ。
おれは毎日おもしろいことを書いたり消したりしているので、お前らに読ませる文章はあんまりない。ずいぶんと投稿ペースも落ち着いてきて、Noteではたまにレビューをしたりする程度になっているが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。年末には、年間ベスト映画の話とかもしようと思う。現在は、だいたい200作品を鑑賞したところだ。

パルプスリンガーにオススメな作品もたくさんある。
例えば、この『必殺!恐竜神父』という作品は、「アーメンダブツ」という特徴的なキャッチフレーズでファン層を獲得した、キャンプ映画だ。
(なお、アーメンダブツというセリフは出てこないし、主人公は神父ではなく牧師だ)

キャンプ映画とは、大真面目にふざけたことを仰々しくやる作品群で、プロットが強固なジャンル映画においてよく見られるタイプの作品群だ。かの傑作『アタック・オブ・ザ・キラートマト』の遺伝子を受け継いだ、恐竜神父は、聖書と実態生命のはざまに揺れる牧師を誠実に描いている。

つまり、誠実にプロットやテーマと向き合いながら、ややふざけて誇張した、消費力の強い作品群。私が好む作品は、このようなものだという説明である。

では、今回もピックアップしていってみよう。(ピックアップする作品=ふざけた作品ではありません)

後半戦のお気に入り18作品[10.21-10.31]

23. サンディエゴ大呪術合戦!

呪術サンディエゴで荒くれものが魔物と争っている。すなわち合戦だ。
タイトルから期待したものが、100%の再現率で出てくる。期待値と掲出物の完全なる一致は幸運である。サンディエゴ市民の陽性な協力が心強い。気持ちの良いパルプだ。

24.『ミュージックが聞こえる街』

満月の輝く、おそらく元住吉あたりの商店街での三次会。例の音楽隊に絡まれる話。少しずれた会話のテンポが楽しく、ネコもついてくる。お得だ。

25.越海教師芝居学舎こしのみきょうし しばいのまなびや

歌舞伎のスジっぽいなぁと思ったら、実際に歌舞伎だったようです。(作者コメントより)私も歌舞伎を吸うので、エッセンスを嗅ぎ付けました。えっへん。典型的な貴種流離譚であり、義経モノとか曽我兄弟モノの気配がしますね。ちなみに「こしのみきょうし しばいのまなびや」と読むそうです。本格的~!

26.混沌の落胤は水とともに地に満ちて

丘に囲まれた地形に暗渠化された河川。渋谷は水没がよく似合う。ハロウィンの夜に訪れた怪異と、それを狩る騎士。まずはハンズだ。ハンズに向かい装備を整えよ。

27.米食水滸伝

パンの偉力に信頼を置きすぎ!ということで、作者本人も気づかない間に降霊速記されていたらしい作品。本邦でパンを広めたとされる江川太郎左衛門が再臨し、列島の稲作便化を破壊し、根絶した。日和見を決め込み裏切る香川UDA県民がほどほどにムカつく。反米主義に立ち向かう勇士はいないのか!

28.遠山キナコの太く短い伝説

小気味の良い「できそうだからやった」派のヒロインが活躍するスラップスティック・マーダー・パンク。神は金づちに宿るのか、それともキナコに宿るのか。どちらにしろヤクザ事務所の余命は、ない。

29.ビターエンドにまだ遠く

復讐を終えた男だが、まだ負債は残っていた。事件はまだ終わっていない。悪魔へ完済をするために、彼に関わり情を残した人間を殺す必要がある。恐ろしいまでの完成度であり、男の五里霧中を暗示するカバーアートも見事。

30.あわいのデバッガーズ

バグ発生社会を舞台にしたデバッガー事務所の物語になりそうだ、残機をめちゃくちゃ減らしている赤鬼ちゃんの人が良さそうでとても心配。

31.【サーバーのお医者さん】

サーバーといっても巨大な生体サーバーである。そして、それを追い立てる野良サーバー。予想のできない戦いが始まる。

32.搦め手の都市

冒頭の、ひしゃげてしまいそうなほど力を込めて金網を握り締めるシーンがとても印象に残っている。縦横に編まれた蜘蛛の糸とシンクロするような映像に、救えなかったことへの悔恨、大きすぎて感じられない脅威を理解させられなかった怒りが多層的に重なっていく。素晴らしい。

33.ゴールド・フィッシュを探して

金魚ハンターのお仕事モノということで、密度の高い金魚語りが押し込まれている。未知のお仕事ウンチクはたのしい。どんな金魚が出てくるんだろう、ワクワクする。

34.アニーはブロンドだけど、記号じゃない

いわゆる死亡フラグのかたまり、シンボリックなファーストガールである金髪水着美少女が危機察知を働かせる。さらに水着のまま山へ向かうことでさらに倍々ゲームで危険が迫るのである。死ぬなアニー!死亡フラグには気をつけろ!

35.センパイ・スクランブル

これも蜘蛛ジャンルなのかなあ。凪先輩が風に乗って天へ還る姿と先輩が掴まる糸を横切った巨大フリスビーの謎。謎が謎を呼び、巨大フリスビーを投擲した者の正体に迫る、殺人ミステリーだ。

36.ファイアワークス・コントレイル

あの夏の思い出を潰そうとする、殺し屋シカリオの群れ、マチェーテ、ギター、ショットガン。鮮烈なひまわりと花火とソンブレロのイメージ。この問題を救うために「退魔狂戦士@アルブレヒト」がやってくる。うわーっ、どんな姿で来るのかなー。マリアッチとのマッチアップに期待だ。

37.空に噛みつく青い鳥

とにかくスピード感があり、場面転換がスムーズで効果的である。荒事屋から受け渡された秘密と荒事屋の抱える何かの想い。大変マッシブである。

38.鍵のバルカン

命が安く、仕事は重い。熟練の運び屋少年に予想外の危機が迫る、この荷物は何かの火薬庫になりかねないぞ。

39.ラベージブリンガー

意識を持った両腕に翻弄される男、風変わりなバディもののような趣がある。みんなもドクターストレンジ―のマントくんとか好きでしょ?

40.ドラゴン銀行

ドラゴンが通貨を保証する世界で銀行強盗を行おうとすれば、ドラゴンとの対峙を避けることはできない。見知ったドワーフ娘が無残な姿と化し、己も死に瀕している。なぜここまでの難事に挑むことになったのだろう。その理由を知りたい。

未来へ

というわけで、400作を越える作品群が寄せられた 逆噴射小説大賞2021。まだまだ読めていない作品(特に最終日)が多いので、もしかしたら、もう少しピックアップが続くかもしれない。また次回、一次選考発表前にお会いしましょう。







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