【NJSLYR】 リキシャー・ディセント・アルゴリズム【第二部感想#05】
＜お知らせ＞チャンピオンREDでの連載が「リキシャー」から開始するので掲載順を変更して 「#05 リキシャー」を掲載します。「#04 シンカンセン」は次週掲載。
キョート共和国首都「ガイオン」このまばゆいばかりの国際観光都市の暗部には暗黒地下階層都市『アンダーガイオン』が存在している。そこに太陽の光が差し込むことはなく、社会の闇を照らすのは探偵の英知の光のみだ。
前説：チャンピオンRED誌上でのコミカライズ版「ニンジャスレイヤー：キョート・ヘル・オン・アース」開始を記念して『ニンジャスレイヤー：第二部：キョート殺伐都市』のTwitter版連載を再読して感想を書きます。これは時系列順で読みます。文学的な解説とかは期待しないでください。第4部進行中の未来視点でコメントするので軽度のネタバレ警戒重点。
リキシャー・ディセント・アルゴリズム
シンカンセンでの激闘を経て、ニンジャスレイヤーは第二部の主な舞台となる糊塗されたエンシェント・オイランのごときキョートの観光都市ガイオンに到着する。読者はリキシャードライバー アナカ・マコトに案内されてキョート・リパブリックを観光していく。地上世界アッパーガイオンは美しく整備されているが地下世界アンダーガイオンは暗黒経済に支配されたスラムでありネオサイタマと変わらない、いやそれ以上の血と暴力の国だ。
荒野の決闘
フォビア＝サンはニンジャスレイヤーをストーキングして一ヶ月間も足止めし続けたスゴウデのシノビ・ニンジャ・クランの精鋭。最終的にニンジャスレイヤーに誘い込まれた決闘で敗れるがニンジャスレイヤーさんのスレイ速度を鈍らせて貴重なザイバツニンジャ資源を保護したフォビア＝サンはキンボシ・オオキイであろう。
忍殺センタ試験（過去問より）
《ニンジャスレイヤーと暗黒ニンジャ組織を同じ箱に入れた場合、24時間でニンジャ組織の最高幹部は半減します。箱に蓋をしてこれを一ヶ月続けた場合、このニンジャ組織は滅亡しているのか滅亡していないのかを答えなさい》
アンダーガイオンの人々
ガイオン地下多層都市『アンダーガイオン』。人口太陽光と隔壁に覆われた地底世界は逆ピラミッド状の構造をしている。下層へ降りるほど人類の生息域からはかけ離れていき殺人や強盗が横行する世紀末社会に近づいていく。このため、住民は下降（ディセント）を恐れ死に物狂いで上昇しようと危険なビズに手を出してしまったりする。（詳しくはチューブのマグロの回で述べます）
そんな下層住民を救う正義の灯（ともしび）となるのが名探偵タカギ・ガンドー。巨体、好漢、人好きで愛嬌のあるおっさんだ。彼はモータル（非ニンジャ）ばなれした殺傷本能とユーモラスな人間味が矛盾なく同居している。彼の精神構造はちょっとすごいことになっていると思う。彼は初登場の時点で不穏なヤク中ムーブを連発して読者を不安にさせる。そして、その予感は的中し彼のヤク中ムーブとはこれからも付き合っていくことになるのだが、それでもほっとけない魅力のあるおっさんだ。
そして、ガンドー所有の謎のカッコイイ浮遊LEDマグライトが超かっこいい。この話以降はほとんど出番がないので、余っているならそれ売っておくれよ！
アナカ・マコトはアンダーガイオンで懸命に働くリキシャードライバー。平凡で家族を大事にしている若干の上昇志向とささやかな幸せを願う、もうひとりのニンジャスレイヤーとなる可能性があった男。怨念のパゥワによってナラクを一時的に蘇らせてニンジャスレイヤーがブラックドラゴンを撃破するキッカケを作った。「自動販売機のボタンを押したら取り出し口からニンジャが出てくる」という名言を残す。
タジモトは不良リキシャードライバー。サイバネ強化されたリキシャーギャング団のボスでブラックドラゴンと脳が溶けるようなディープキスをして昇天。これでもアンダーガイオンの悪人レベルとしては、まだ常識人の範囲にあるようだ。
アンダーガイオンのドラム缶は破壊すると武器とか回復アイテモが出る。これはマッポーが近づき住民が様々なところへ物資を隠し始めたということを意味しておりマッポーカリプスが近づいていることを暗示している。
狂言強盗団。強盗被害を自作自演するという意味ではなく能狂言に使用するマスク（おかめ、武田信玄等）をかぶった普通の強盗団である。無軌道ローニン性であるヒョットコ達に比べてはるかに雅であり京文化の香りがする。口に出して読みたい忍殺語の筆頭。
ザイバツのニンジャ達
シャドウウィーヴはザイバツのニュービーニンジャ。まだ若くサンシタムーブがよく似合う。一般人のガンドーにカラテ戦で遅れを取るなど下っ端感があるが、ネオサイタマの死神のマウントに耐えるなど成長の余地を大きく残している。出世しろよ！
ブラックドラゴンはめちゃくちゃ強い。黒くてマッシブでケツがめっちゃくちゃ引き締まったsilhouetteの男の中の男。（原作にそんな表現はなかったはず）ザイバツシャドーギルドの中では珍しく付き合いやすいタイプの常識人でシャドーウィーヴからも慕われていた。ヨロシサンフロッピー回収という軽微なインシデントに出張ってくるランクのニンジャではないと思うが、ニュービー育成に低ランク任務から経験を踏ませようとしたのだろうか。彼はイクサで死んだが、この事件が弟子に多大な経験と人生の指針を与えることになる。サイオーホースな。
我らが主人公
さすがのニンジャスレイヤーも連戦に次ぐ連戦でセーブポイントがなかったのでひたすら衰弱している。探偵の家に上がり込んだ直後にいきなりスヤーと寝るのはマスラダくんみたいな図々しさがあり貴重な瞬間だ。おやすみなさい。
ブラックドラゴン戦では、かつてないほどに追い込まれたので、ナラク！起きよう！ほら、ニンジャいるよ！ごはんだよ！とかやってる。デスナイト戦を上回る大ピンチだったと言ってよい。本当にザイバツニンジャは粒ぞろいだ。
それでも「私はニンジャだ腕力」を発揮して、ここぞというときにやさしさを見せる。アナカ夫妻の行き先は地獄かもしれないが、彼らは這い上がれるだろう。
初心者にもオススメ
リキシャードライバーの視点を借りてキョートのニュービーを体験できるエピソードなので初めてニンジャスレイヤーを読むエピソードとしてオススメです。新たな街に新たな仲間と新たな敵。新展開がワクワクするのはニュービーもベテランも変わらないのです。オイデヤス！
（追記）【REDウキヨエ化第1話になりました】
本エピソードがチャンピオンREDでの初回エピソードになりました。
キョートニュービーもベテラン読者も「アレッ？見たことない体験ナンデ！？」ってなっているので今からでも間に合うぜ。
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