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マルドゥック・アノニマス第6巻刊行記念! マルドゥック・シリーズキャラクター名由来大公開【第3回】

大大大好評連載、マルドゥック・シリーズのキャラクター名由来大公開、あっというまに最終回になりました。いよいよ第3回はマルドゥック・アノニマスの登場人物編をお届けします。第1回はこちら、第2回はこちらです。



■エイプリル・ウルフローズ 
イースターの相棒なので、三月か四月(復活祭がある月)を名前にしようと思い、エイプリルにしました。死体同然の人間を復活させるイースターとは真逆の、生きている人間そっくりの死体を造る人物にしようと考えていました。ウルフローズは、ふと思いついた名前で、春のイメージからきています。

■ウェイン・ロックシェパード 
岩ではなく錠前のほうのロックのイメージです。堅物な門番と、務めに忠実な牧羊犬シェパードを掛け合わせました。ウェインは荷馬車作りという意味があり、平民出身というイメージでつけています。

■ダーウィン・ミラートープ 
「モグラ叩き」から思いつきました。トープはモグラのこと。あちこち顔を出しては引っ込むエンハンサーをイメージしました。ミラーは鏡で、変幻自在、神出鬼没というニュアンスを加えています。ダーウィンは響きでつけました。

ウォーレン・レザードレイク
「竜の皮」から思いつきました。分厚い皮膚そのものを武器にする、アルマジロや恐竜みたいなエンハンサーのイメージです。ウォーレンは響きで。

イーサン・スティールベア 
「針金細工みたいに温かみのない笑顔」から鋼鉄(スティール)と名付けました。ベアは熊ですが、投資のベア相場(弱気相場)にちなんでおり、不利な情勢でも平然と働く(投資する)人物というイメージです。イーサンは響きで。

アレクシス・ブルーゴート 
白山羊でも黒山羊でもない「青い山羊」というワードを思いつき、美しく
毒のあるいけにえの山羊、というイメージが生まれました。アレクシスは美しい語感にしたくてつけました。

トビアス・ソフトライム 
常に冷静(ステイ・フロスト)というフレーズから、「柔らかに降りた霜」というイメージが思いつき、ソフトライムというネーミングが生まれました。燃え上がる不死鳥たるバロットを、いちいちクールダウンさせるキャラクターを思いついて発想しました。トビアスは聖書の登場人物で、旅人のイメージです。

メイフュー・ストーンホーク 
フランスの魔除けの石像ガーゴイルから、「石作りの鷹」「弱者を見守る存在」をイメージし、堅物のジェントルマン・ライダーになりました。

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■アビゲイル・バニーホワイト 
日本神話の因幡の白ウサギから、「尖ったものの上をぴょんぴょん跳ねるウサギ」をイメージし、空飛ぶナイフを操る少女になりました。

■ケネス・クリーンウィル・オクトーバー 
クリストファーに次いでオクトーバー一族に反旗を翻しながらも、意思も力も不足して追い詰められる人物が先にイメージされており、いろいろと名前を選ぶうち、「ハンサム」を意味する「ケネス」に落ち着きました。

■クインテット 
カトル・カールが四のイメージでしたので、ウフコックと対をなす五のイメージから、善か悪か断じがたい敵として発想しました。

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■ハンター(ウィリアム・ハント・パラフェルナー) 
「天国パラダイス」と「地獄インフェルノ」を合体させて「パラフェルナー」という造語名を作りました。ウィリアムは「意思」と「兜」(ウィルヘルム)の意味を持つ名前をそのまま拝借。「収穫」に対する「狩り」としてハント、ハンターの名を据えました。「イースター(復活)VSオクトーバー(収穫)」のど真ん中に殴り込んでくる、第三勢力たる狩人のイメージです。

■バジル・バーン 
パルセノキッソス(蔦)、ロープによる絞首刑、というイメージからエンハンサーを発想しようとしている最中に、ふと生まれた名です。バジルはハーブの一種ですが語源は「王」(バシレウス:ギリシャ語)で、バーンは燃えるほうではなく納屋のことです。敵のナンバーツーとして、ハンターが不在の間、「収穫物を守る納屋のボス」というイメージが生まれました。

■ラスティ・モールド 
ウフコックを追い詰めるエンハンサーを発想しようとし、「錆」と「苔」を思いつきました。あらゆるものの上にはびこり支配するイメージです。

■シルヴィア・フューリー 
バロットと色々と共通するけれども異なる女性を発想しようとしたところ、まず狩りの女神の従者であるシルヴィアに、憤怒フューリーを足し、怒りに満ちた女狩人・女従者というイメージがわきました。

■トレヴァー・エルズバーグ 
アノニマスの冒頭に登場する敵は「撃たれても無傷の防弾男」にしようというイメージがあり、それが「ナマコ男」になり、あとはぴったりくる名前を響きでつけました。

■オーキッド、エリクソン、ハイドラ、バルーン 
それぞれエンハンサー設定が先にあり、イメージにしっくり来る名前を響きで。ハイドラ(多頭蛇)、バルーン(風船)は、プロットを整理している最中に、ふと思いつきました。

■レイ・ヒューズ 
ウフコックやイースターを助け、バロットの師ともなるロードキーパーのイメージが先にあり、あとから「レイ 一条の光」「ヒューズ 安全装置」という、二つのキーワードから名前が生まれました。

■ケイト・ホロウ 
「ケイト 純粋」な「ホロウ 虚無」という、バロットとは異なる犠牲者をイメージして名付けました。のち、亡霊たちの住まう呪われた城(ホーンテッド・キャッスル)のイメージが重なり、ケイト・ザ・キャッスルというエンハンサーが生まれました。

ここに登場する個性溢れすぎなキャラクターたちが活躍する『マルドゥック・アノニマス』は絶賛発売中です。読者の皆様のお気に入りキャラクターは誰ですか?(中の人はストーンです)(冲方さん、ストーンが活躍するシーンください)。マルドゥック・シリーズを楽しんでいただける企画を今後もアップしていきます! 多くの皆様にお楽しみいただけますように。

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