日曜日。彼氏さんからの電話で目が覚める。二度寝を楽しんでいたら、寝過ぎた。今日は休日デート、いい天気！
バタバタと文字通り走りながら準備する。帰省中の兄に、急ぐことはないと邪魔されつつ急いだ。急ぐけど、デートだしいつもの5分メイクじゃやだから頑張る。メイクをデート用にするためには、同じ工程だとしても「薄く重ねて丁寧に」が鉄則。分からないくらいに仕込む。そんな技術はないけれど、心持ちは満点。
映画を観るから、髪の毛はおろしたい。となると、巻きたい。熟練の職人のような気分で巻く。BGMは、チェットベイカー。

待ち合わせ、ほぼ同時に駅につく。ぱっと目に入って嬉しい気分。多分にやけた。
いい天気だったからハワイアンカフェを調べてくれていたのだけれど、いい天気すぎて外で食べたい気持ちになってしまった。ドーナツとか公園で食べたいねって言ったらドーナツ屋さんがある。買いましょう。

芝生に座り込んでドーナツをぱくり。最近、顔が似てきたと言われる。わたしもちょっとそんな気がしてる。顔というより表情が似るのだろう。嬉しいとき、楽しいときの表情が増えたらいい。公園の桜は葉桜へと移り変わろうとしている。犬と子どもが走り回っていた。泥んこになってねーとエールをおくる。きれいな青い花を見つめていると、ネモフィラだと教えてもらう。前から思ってたけど、ネモフィラってウーパールーパーと同じ系統の名前な気がしちゃう。わたしだけかな。

今日のメインはドーナツじゃなくて、映画館。premiumな映画館。1時間前からラウンジに入ってポップコーンやら飲み物を楽しめる。キャラメルポップコーンがやっぱり美味しい。おしゃれなソファに座っておしゃべりぱくぱく。あっという間に時間が過ぎた。いざ、オッペンハイマー。座席は自然とリクライニングするし、ふかふかだし、ゆったりしていて素敵だった。3時間の映画にはもってこい。
映画は音楽による緊張感がすごい。知らないBGMなのに、あぁこのあと爆発すると勝手に緊張するような。音響がよすぎて、低音は地面が揺れるよう。息づかいまでが聴こえてくる。
終わりにかけて、観客が映画の骨子を理解した途端に今までの場面が意味を持つことに気がつく。その瞬間からの畳みかけが面白かった。
人間の醜さと対比された、宇宙の物理学が垣間見ようとしている真理の大きさに唖然とする。何て人間はちっぽけなのだろうと、きっと彼らは恐怖に泣いた夜があって、それでも覗き込まずにはいられない。そんな性が描かれた映画だったように思う。

映画を見終わって、まちを歩く。静かな開けたカフェでアイスクリームを食べる。隣では初めましてみたいな男女が距離を伺いながら話をしている。目の前には彼氏さん。
プレミアムな1日。