カーナビとは
【はじめに】
カーナビゲーションシステム(car navigation system)の略です。
カーナビは今では車の必須装備になりつつあります。
そのカーナビの基本的な話をしたいと思います。
【基本的な構成】
カーナビは以下の構成で成り立っています。
・地図データ
・現在地測位
・ルート探索
・ルート案内
あとはこれに下記の機能が付加されます。
・カーオーディオ
・エアコンの操作
・車の設定
・メンテナンス情報管理
車のUIの中では自由度が高いUIを備えているため、さまざまな形で使われます。
【地図】
実際の道路を走って計測したり、衛星や航空写真から求めたりします。
高速道路など設計図が入手できる場合は設計図から起こしたりもします。
(新規開通道路は利用者も運営も早く利用したい/して欲しいので)
道路は変わってないようで意外にコロコロ変わるので、その変化に追従するための測量を頻繁にしています。
昔のカーナビは中央分離帯のある交差道路に右折で入らせようとしたりしていましたが、今はそんなことはありません。
カーナビに搭載できるストレージ容量が増えたことが要因です。
載せられる道路情報が増えたため単に交差点同士が繋がっただけの情報から、さまざまな付加データが追加された情報に変わってきています。
今後は自動運転のためのデータが入ってくるのでますます地図データの重要性は上がります。
【現在地測位】
基本的にはGPSと車速センサーとGセンサーを使って自車位置を決めます。
GPSだけだと最大で半径50mくらいはズレるので、車速とGセンサーは必須です。
スマホだとGPSとGセンサーだけで測位していますが、なかなか精度は出ません。
カーナビの場合はスマホと違って道路だけにマッチングすれば良いので、マッチング精度は高いです。
準天頂衛星みちびきの利用が一般化すれば劇的に精度が上がりますが、まだまだ先になりそうです。
センサーに関しては下記のノートを見てください。
【ルート探索】
基本的にはダイクストラ法というアルゴリズムを使ってルートを生成しています。
これは道路をリンクとコストという形で表現して、どの組み合わせが最もコストが少なくなるのか?ということを探索するアルゴリズムです。
距離によって対象の道路の種類(道路格と言います)を分けて演算しています。
目的地や出発地では生活道路などの細街路(さいがいろ:裏道とか抜け道とかでよく使われる)を含めて演算します。
距離が遠くなれば高速道路や国道だけを使って演算します。
コストは基本的に道路格と距離依存ですが、VICSという路上センサーを使った渋滞情報を元にした重み付けを利用して、より早く到着できるルートを探したりもします。
【ルート案内】
これは表示地図中の道路に強調表示をしたり、曲がる交差点の拡大図を表示したり、音声案内をしたりします。
【カーナビのUI】
車の中の表示機構は走行中の注視をさせないことが求められます。
注視というのは法的に何秒と決められていませんが、一般的には2秒以上くらいを指します。
なので、ドライバーが必要とする情報は2秒以内に読み取れる必要があります。
走行中以外のUIはPC/スマホの方が圧倒的に進歩していると感じますが、走行中の視認性は昔からカーナビを作ってきたメーカーに一日の長があると感じます。
運転中以外でまじまじと見るとダサいですが、視認性の高さはノウハウが詰め込まれているのが感じられます。
〈入力デバイス〉
タッチパネルが一般的ですが、昔はタッチパネルもなく、リモコンで操作していました。
タッチパネルは直感的でUIも分かりやすいというメリットがあります。
しかし車を運転しているとタッチパネルは遠かったり正面でなかったりするので、手を伸ばすことを要求されるこのインターフェースは実はあまり運転に向いていません。
最近ではダイヤルやジョイスティックで操作するものが増えています。
(メーカーオプションを中心に)
結構昔から音声認識が導入されていますが、認識率の低さからあまり使われることは無いようです。
〈出力デバイス〉
画面でも地図表示を行なっていますが、画面は運転に必要な視覚を奪うので入力と打って代わって音声案内が発達しています。
【あとがき】
最近の道路(特に高速道路)は複雑で、カーナビが無いとまともに行けないんじゃないのか?と思うこともしばしばです。
便利というか、道路の複雑さでマイナスになった分をカーナビが補っているような感じがします。(プラスマイナスゼロ)
スマホで十分だという人も多いと思いますし、スマホのナビも以前と比べるとずいぶん進化したと思います。
が、専用品ならではの安定感があるのでまだまだ使われるでしょうし、コネクティドカー時代の中核装置としての位置付けにもなるのでまだまだなくなりそうもないですね。
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